ザ・グレート・展開予測ショー

過去独白(小笠原エミの解約編・時に18歳)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 2/21)

           ―後編― 中篇は原作番外編で  

「そうでしたか、貴方が殺し屋を辞めた理由は子供の幽霊でしたか」
そう、名前も知らない殺し屋の名前の知らない幽霊に助けられたワケ。
「ですが、今の御客様に、憑いている悪魔はみられませんが?」
では、最後にその話しをしようカナ?
「オーダーは任せてもらえますかな?」
ええ。そう。あれは18歳になった時だったワケ。
『オメデトウギャ、エミ、もうあと二日で大人だギャな』
「何?オタク。今までワタシの誕生日なんか聞いた事が無い癖に、それに今日は・・?」
ワタシの誕生日じゃなかったケド。そうベリアルにとっての誕生日だったワケ。
『俺の契約も2日間だキャ』
不気味に光るベリアルだったワケ。
「おたく、自由になったらどうするの?」
『そうだキィ!エミに女の悦びを教えてから、頂くとしようかキィ』
ベリアルは手をバタバタと震わせて喜んでいるわけ。
「・・・悪魔」
『ギャギャギャ!知らなかったキィか?俺が悪魔だって事をキィ!』
ワタシは何も答えられないワケ。知ってて利用したのは自分でも知ってるワケ。
さて、ワタシは何時ものようにベットに入っていた。
暖房も切れているのに妙に体が熱いワケ。
「うーん、何?どうなってる?」
手元の電気を付けようとすると、ピシッとワタシの指に何か当たったワケ。
「ツッ!指に血が!」
その時になって解ったワケ。ワタシ何も着ていない事に!
「な、なんで?」
『ギャギャギャ!』
「ベリアル!オタク何しているワケ?」
『何をしてるギャって?折角だから早めに頂こうとしてるだけだギャ!』
ワタシは毛布を手繰って体に巻きつけてベットから離れるワケ。
「ベリアル、冥約条項、第52条、主に危害を加えた場合、3週間の!」
そう、冥約条項でベリアルを凝らしめるには3週間を必要なんだけど、
『気付いたキャ?エミ』
ワタシはそのまま手に物も持たずベリアルから逃げ様と外に出たワケ。でもさ。
「おい、みろよ、ここはモグリの娼婦街だけどよ」
「あの格好はめずらしいねェ。新しい制服になるのかね?」
酔っ払いがワタシに近づいてきてね。
「おねえちゃん。幾らだい?」
「ワタシは違うワケ!」
でも毛布を纏った格好、しかも裸足で娼婦じゃないって説得力あると思うマスター、
「いえ、全くありませんな」
そう、しかもその男は酔っ払ってたから妙に絡んでね。
「なーに御金ならたんまり上げる。けけけ。ほーら。この毛布を引けばさぁ」
「止めて止めて!」
ワタシをビルの谷間に連れくんだ。何も着ていないワタシは押し倒されて、
「さーて、何処が御好みなのかなぁ?」
「イヤー!ベリアル、ベリアル!!」
でもベリアルは来なかったワケ。
『まぁ、初めては人間の方がいいキャ』
なんて事をワタシのネグラから眺めていたワケ。
「御願いやメてぇ!!!誰か助けてぇ!!」
「だーれも助けに・・ぐわぁ」
その男をビール瓶で思いっきり殴った人がいたワケ。
「ネェさん!」
このネェさんてーのは、ワタシと同じビルに住む本物の娼婦なワケ。
コートに下着だけの制服のおネェさんなワケ。
「エミちゃん、同業になるつもりだったの?」
「ち、違うワケ。ちょっと手違いなワケ。助けてくれて有りがたいワケ」
「まぁね、この前商売が干上がったときに助けてくれたからさ」
まぁ少女の危機を回避できたって言うのカナ?そして家に戻ろうとしたけど、
「ベリアル、鍵を開けなさい、開けなさい!」
でも、中から何にも返事がなかったワケ。
「ベリアル・・お願い、ベリアル・・・開けて・・・・」
ワタシは自分の刈宿の前で汚くなった毛布を纏った姿で泣いていたワケ。
次の日、鍵をあけてもらう様公安のオクムラさんに頼もうとして、
昨日のネエさんに十円を借りて電話したけど、
【エミ君か。悪いが君との縁は取りあえず切らしてもらうよ】
「オクムラさん!」
でも電話は『ツー、ツー』と無機質な音がずっと鳴り響いていたダケだったわ。
「いつの世もそのような方はいらっしゃるのですなぁ」
まぁね。マスター、でワタシは鍵屋さんに女性派遣員を頼んで家に入れたワケ。
「ベルアル!オタク何処にいるの!」
返事はなかった。でも今までに見たことのない影があったワケ。
大きな爪を持って目が真赤な魔物がいたワケ。
「べ、ベリアル?」
『俺の力、取り戻しつつあるなぁ、エミ、昨日はどうだった?いい思い出来たか?』

ワタシは逃げる事を決意したワケ、幸い陽光のある時はベリアルは出れないハズ。
「ベリアル!冥約条項より!陽光の影を恐れよ!」
カーテンというカーテンを開けてから、ワタシは着替えるワケ。
シャワー?暗いところに入ったらおそらくベリアルの玩具になるワケ。
「お金さえあれば、ナントカ逃げられる!」
そう思ってワタシは成田へ向かうワケ。偽造パスポートにすぐに出国できる国を。
確かプラハ経由のエジプト便に乗れたワケ。
「いくらベリアルでも飛行機の中は手を出せないワケ。ふう。なんとかしないと」
ワタシは昨日からシャワーを浴びてないから匂いがひどくて。
で。狭いケド飛行機のユニット(トイレ)でせめて髪でも思って洗うワケ。
大体洗い終わって備え付けの紙で頭を拭いていると不意に上から声が聞こえたワケ。
『エミィ、俺から逃げ様なんて酷いギャ!』
「ベッ、ベリアル!」
『考えたねぇ、確かに欧州に逃げこめば時差で稼げると思ったかぁ』
「どの道無駄でショ?」
『そう、あと半日。ギャギャ、飛行機事故かぁ、生者も死霊も一杯食えるぎゃ』
ワタシはあの時ほど自分の行動に絶望感を覚えた時はなかったワケ。
「や、止めてベリアル。せめて この飛行機はダケは、ワタシはどうなっても!」
『いい覚悟だギャ、でも駄目』
泣き顔を舐めまわそうとするベリアルの言いなりになるつもりはない!と思ったわ。
ワタシ機長に危機を知らせるた。無駄と思っても行動を起さずにはいられなかったワケ。
「機長!実は」
「なんだ?この子はここにきちゃ行けない?」
「御願いです!聞いて下さい、この機には悪魔がいるワケ!」
「なんだって?君寝ぼけてるの?」
そう、コ・パイ(副機長)は全然信じていなかったケド、
「その悪魔とはグレムリンかな?GEの?」
その機長はオカルトに詳しいかったワケよ。あら何かしら?マスター?
「あの、グレムリンとかGE効果とかはいったい?」
あぁそうネ。悪鬼の関する飛行機事故の最も有名な事なワケ。
「そうでしかGE効果ですか」
でね、どこか近くの飛行場に着陸しようって副機長が言ったんだケド。
「あー、コ・パイ。ちょっと連絡する人がいるんだ」
そう言って機長は無線を使って電話するんてな、ワタシに替われって。
「モシモシ?」
『あー。主の言う悪魔はどう言ったタイプじゃ?そうか、それはちとメンドイな』
それは男の老人みたいな声だったワケ。
「んじゃ、そっちに向かうか。機長に代わってくれ」
再度機長に渡すと、じゃぁ言って無線を切ったワケ。
「んじゃ、その悪魔を連れて荷物コンテナに行ってくれる?助っ人が来るから」
「助っ人?」
ワタシが外を見ると何かが飛んできたワケ。
「コ・パイ。ギア(飛行機の足)を出してくれる?」
そういって飛行物体を飛行機の中にいれたワケ。
「いそげ!」
そういってワタシはベリアルを連れて荷物コンテナーに向かうワケ。
「ほぉ、お嬢ちゃんがベリアルを連れてるって問題の子かぁ」
「何よ!好きで悪魔を飼ってるワケじゃないワケ」
そりゃそうだ、とその初老の男はいってね。
「ベリアルか、久しいな。貴様が日本に向かっていたとはナァ!」
『・・・ギャ!ど、ドクターカオス!』
「ここの機長殿とはちょっとした仲でさ。お前も運が悪いナァ」
Dr・カオス、欧州の魔王の名を冠する最高の錬金術師なワケ。
「さて、こやつは力で消滅するなぁ」
【イエス・Dr・カオス】
『ここで消されてたまるキィ』
だけど、Dr・カオスのとマリアっていう機械娘のコンビの方が幾つも上手なワケ。
『ギャ、ギャ、・・何故貴様に会ったんだギャァ!』
「さてと小娘。これで再度契約すると100年間は言う事聞くが?」
でもね、ワタシは腰が抜けていてね。声も出せなかったので首を振っただけなんだ。
「封印をするか。まぁ悪魔なんぞ人間が契約するものじゃないからな」
【マリア・あとで・ベリアルを・封印・してきます】
「うむ。御苦労マリア。さて小娘、御主に一言だけ言っておこう」
「・・・はい・・・」
「臭いぞ、御主」
だってさ、レディに向かって失礼なワケよ。ワタシは爪を使って、謝らせたワケ。
「しかし、お客さんは二日も汗を掻きながらシャワーもあびてなかかったのですから」
マスター、それをいってはおしまいなワケ。で、で注文もオシマイ。最後にするわ。
「何になさいますか?」
カクテルのマンハッタン。
「承知致しました」

           -FIN-

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