ザ・グレート・展開予測ショー

黒い呪いと天使の笛の音(2)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 2/20)

ザワザワ・・・ザワザワ・・・
「・・・遅いなー」
「・・・ほんとにここなんでしょーね?」

ここはこれといって変わった所などない『普通』のレストラン。

しかしこのレストランは 実に『有名』だった。

「そ、そりゃ間違いないっすよ!  ちゃんと会場の場所書いた地図も渡したし!」
「(フゥ・・・)道に迷ったか、食い物に釣られたか・・・よね・・・タマモも何の為についていったんだか・・・」

この『普通』のレストランには たった一つ 他の店では決して真似出来ない所があった。

「そういやおキヌちゃんも遅いっすねー・・・あ!」
「おキヌちゃーん! こっち、こっち!」

毎年この時期・・・異常に霊力の強い連中がぞろぞろ集まる事・・・それがこの『普通』のレストランを 日本唯一の『有名』な店にしている理由だった。 

「あ、美神さん! ほら一文字さん、あそこに美神さん達が!」
「う、うん! (・・・ひぇー・・・緊張するなぁ・・・)」
「それにしてもここら辺て『レストラン』ここだけなんですよね・・・なんでだろ?」

いかに『有名』になれるとはいえ、他の店は決して真似をしようとはせず (当たり前だが) そういう意味では 実に『根性』のある・・・『普通』の店だった・・・


ー黒い呪いと天使の笛の音(2)ー


「久しぶりねー、相変わらず気合い入ってるみたいね。」
「あ、え・・・その・・・」
「一文字さん! 今日会ったのも何かの・・・イテテテ!」
「い・き・な・り! お友達口説かないで下さいっ!!」

緊張する一文字を迎え、いつものやりとりをする面々・・・

「二人とも午前の試験は軽々突破したし、後は午後の第一試合ね・・・どう? 自信ある?」

「はいっ! 私!! 頑張りますっっ!!!」
「・・・あ、あた・・・『わたし』も頑張ります・・・」

いつになく気合いの入ったおキヌと、美神の前で緊張している 一文字は、まるで性格を入れ替えたかの様な返答をした。

「うん! その意気!! ・・・でも・・・あまり頑張り過ぎず 危ない時は退く事! 気負い過ぎ無いで・・・ね。」

「はいっ!!」
「は、はいっ!」

またもや元気良く返事をするおキヌ、一文字もやや遅れて返事をする・・・そんな二人の『反応』に 美神はほんの少し 不安を
感じた。
「・・・・・・」
「? 美神さん? どうしたんすか?」
「・・・別に! さて! そろそろ入場する時間ね! 行くわよ二人とも!」

「はいっ!」
「は、はいっ!」
「・・・・・・」

そういって立ち上がる二人を・・・特におキヌを見ながら、美神はまたもや不安を感じていた・・・


その頃試験会場では・・・


「タイガー! 準備出来たワケ!?」
「はいっ! バッチリですケン!」
「よしっ! ・・・今回また令子の『関係者』が出てるワケ!! 今回は絶対遅れをとる様な真似するんじゃ無いワケ!!」
「・・・・・・相手が誰だろうと、ワシは全力でやるケン!! 安心して下さいっっ!!」
「よし! その意気で修行の成果をまた見せつけて来るワケ!」
「ハイッッッ!!!」

意気込むタイガー・・・そしてエミは・・・

(・・・私がスカウトしたおたくのGSとしての力! 令子が何十億でも手放さないと言った『力』・・・! たっぷりと見せてもらうワケ! でも! 今回勝つのはこっちなワケ!!)

「エミさん?」
「頑張るのよ、タイガー」

そう言ってタイガーに微笑むエミ。

「エ、エミさん・・・!!! ウオオーーーーッ!! ワシ絶対に勝ってみせるケンノーーーーーーーー!!!!」
「・・・・・・」
『少し』引くエミ・・・一方その様子を一部始終見ていた和服の女がつぶやいた。
「・・・・・・うるさい男ねー、斬ってやろうかしら・・・?」


虎が吠える一方・・・別の入り口の前では、やや小柄の男が目を光らせていた。
「さーて・・・と! タイガーにおキヌ・・・! 今回の試験に出る事にしたのは正解だったぜ! ・・・楽しませてもらう!」
「・・・どいてくれないかな・・・」
「うわっ! (な、なんだぁ、こいつ・・・?)」

小柄な男の背後に いつの間にか一人の少年が立っていた。

「・・・おい! お前も試験受けに・・・・・・おい!」
「・・・・・・」

少年は男の言葉を無視し、結界の方へと歩いて行く。

「・・・愛想わりぃ奴・・・」

舌打ちする男をよそに、少年は歩きながら 小声で何かつぶやき始めた。

「・・・ふふふ・・・ついにこの日が来たんだ・・・! あの時僕を馬鹿にしたGS・・・! 絶対に負けるもんか・・・!」


そして・・・美神達は・・・
「あ! おキヌちゃん達出てきましたよ!」
「・・・・・・」
「? 美神さんさっきからどうしたんすか? 何か悪い物でも・・・ブッ!!」

美神はおキヌを心配そうな眼差しでみつめていた・・・
無論、足元には余計な事を言った 『誰か』が 転がっている。

「あ、美神さん!」

気づいたおキヌは 美神に向かい、笑顔で手を振っている。

(・・・おキヌちゃん、くれぐれも無理はしないでね・・・)

(美神さん! 私絶対合格出来る様、一生懸命頑張ります!!)


・・・そして会場の外では・・・
「いよいよですね・・・さて、この呪いを使うのに最適な者はいますかねぇ・・・」


・・・そして全然関係無い所では・・・
「ちょっと! ここって全然違う場所じゃないの!?」
「・・・だ、大丈夫でござる!」

<突如として密林と化したニューヨーク!!!>

「何がだいじょーぶよ! あの建物の大きなテレビ見なさいよ! もういいから私に地図貸してっ!」 
「あ、え、それは・・・」

<襲い来るジャングルの邪精霊!!!>

「あ、あっちでバーベキューやってる!」
「え! ど、どこでござる!?」

<そして! 巨大な『虎』がニューヨークを恐怖のどん底に!>

「これね!」
「あっ! だ、駄目でござるっ!」

<はたしてニューヨークに明日はあるのか!!?>

「どれどれ・・・な、何これ!?」
「そ、その・・・拙者走り回ってる時、落っことして・・・」

<制作決定!! コンクリートジャングルの虎!!!> 

「・・・・・・」
「・・・タ、タマモ・・・?」
「キツネうどん『イッパイ』!」
「ーーー!!! そ、それだけはーーーーー!!!!」
 
 

AS「一度書いた物が消えてしまい・・・何とかまた出来ました・・・遅れましたけど、出来れば見て下さい、楽しんでもらえたら嬉しいです。」








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