ザ・グレート・展開予測ショー

未来掲示別編(ラプラスの未来語りV)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 2/15)

其処は一筋の陽光も蛍光灯もついてない薄ぐらい部屋である。ある特殊な牢屋だ。
貴方はどうしてもこの鬱蒼とした建物の奥に行かねばならなかった。
=お。来たか、騒々しくなるな=
悪魔ラプラス、確実に未来を映し出す能力を持つ。

待ちなって、未来ってのは無限の可能性がある。その数と同等の俺がいる訳だがな。
それでも聞きたいのなら俺の知っている歴史を語ろうじゃないか。そう忠告を一つ。
静かにしている事だ。聞き取れなくなるからな。

さてと、先ずは有る病院からの依頼が来た時の事から話さないとな。
特別病棟に悪霊が大量に出て退治してくれって依頼さ。たしかに多かった。
ベットにいた女の子をみると美神一行はびっくりしたんだ。
「な、ルシオラ!」
横島が間違えてしまうほどうりふたつ、いや、正に人間の形をしたルシオラさ。
娘の名前苗字はさして重要ではないが、名前を蛍ってんだ。因縁をかんじねぇか?
徐霊その物は簡単だ。美神って娘が鞭で応戦すれば、横島って奴は剣でなぎ倒す。
たいした連中はいなかったから、こ一時間もすれば任務完了ってな訳だ。
そして、いざ治療にかかるってんでみんな美神一行は席をはずしたんだ。
「それにしても、あの娘、ルシオラさんにそっくりですね」
「そっくりなんてもんじゃないよ、オキヌちゃん、まるで生写しだよ」
信じられねェって面の横島だ。無理も無い。抱いてと言った女のそっくりさんではな。
突如、辺りに地場に霊的な干渉を受けている現象が起こった。

「新手か!」
だが、そいつはトランクをもった神様さ、たしかヒャクメとかいう女神だったよな。
「ヒャクメさん、どうして突然」
「おっはー、美神さん横島君、オキヌちゃん」
なんだかしらねぇがこの「おっはー」ちゅーのが流行っていた頃だからな。
「ど、どうしたんですか?突然やってきて!」
「それがね、先の対戦次の駒であった三人娘に関する新情報があったの」
なに?と三人は興味深々さ。
簡単に言えば、あの三人娘を精製するにあたり、道具の一つが昆虫。これは知ってるな。
それにもう一つに人間の体を必要でな、当時死に瀕していた娘達の体を拝借したのさ。
つまりあの蛍って子は脳死でもなんでもない、魂の器が空なのさ。
雑霊が彼女の周りに集まるのも当然の理(ことわり)だ。水が低きに流れるが如くさ。
「なるほどね。納得がいくわ。つまりこうやって話している間にも」
美神が鞭を振るうと新しくやってきた霊をぶちのめしたのさ。
「あのー、魂が無いって事はあの娘、結局は」
「なんとかなりませんか!」
「たしかルシオラさんの魂は少量だけど残ってたわね。あとは他の二人と相談して」
べスパとパピリオの了解があれば、あの子は生き返りが可能って訳だな。
「私が関われるのはこれだけ、じゃあね。バイバイきーん」
どうして、ヒャクメって奴はひょうきんな女神なんだな。嫌いじゃないがな。そんな奴。
「どうしましょうか?美神さん」
「もしもあの子、蛍ちゃんが助かるならそうするしかないわね。横島君、二人に連絡」
「はい、で美神さんは?」
「どうせすぐ霊が来るわ。防いであげる」
解りましたといって、横島って奴は外に出て行く。
「あのー。美神さん、蛍ちゃんにルシオラさんの魂を入れるって事は」
「ルシオラとしての記憶は無くなるハズよ。オキヌちゃんの場合は特別だけどね」
「そうですか。でもなぁ」
一抹の不安があるのは当然だ。そして次に来た魔物は尋常ではなかったんだな。

横島はパピリオには文殊を応用してすぐに連絡するが、べスパに連絡する手筈が無い。
困っていると、其処に西条が偶然やってきた。
「なんだ?病院なんかにいて、令子ちゃんに何かあったのか?」
「いや、そうじゃない」
事を話すと、西条は目を輝かせた。
「なんだって?ルシオラ君が復活それは僕も協力しよう!」
「お前って本当はいいやつなんだな」
この時西条って奴はルシオラ復活=美神令子を物に出来るチャンス大と見た打算だがな。
魔界との連絡が出来るのがICPOの役割だ。例の事件のとき臨時に回線を作ってあった。
魔界に連絡をすると、電話回線を使用して、現世に現れた。
「久しぶりだね。横島」
序でパピリオも蝶の化身に化けて近くに飛び降りた。

「話しはわかるが私達としてはルシオラをそっとしておきたい」
「うんでちゅ。今更人間に戻したくはないでちゅね」
横島にてってあまり良い返事を貰えなかった。
「何でだよ!、酷いじゃないか」
「お前、万一にもルシオラが蘇ったら責任もてるか?」
「え?」
「そうでちゅ。ルシオラちゃんは惚れてたけど、よこちまは美神さんが好きなんでちょ」
我々としても、おまえの娘としての転生のほうがいい結果だと思うとも述べた。
「それに転生したとしてもルシオラとしての記憶は死んでしまう。あの子の為には」
「ならないと思うでちゅ。ごめんね、よこちま」
それに集められた魂の絶対数がギリギリ以下で有る事も二人は指摘した。
「しかし、それではこの病棟にいる蛍ちゃんが死んじゃうんじゃ」
「聞いてると思い間ちゅが私達の人間ベースの体は死人からとってるでちゅ」
「本来なら、あの蛍って娘もあの世行きな運命だったのさ」
答えるすべを失った西条はだまりこくってしまった。
俯いてじっとするしかない横島の耳に悲鳴が聞こえた。特別病棟からだ。

あわてて病棟に向かうと、悪霊達の真中に見たことの有る顔がってな、全員驚いたんだ。
「な、な・・・アシュタロス!」
『 ギ・・ガガ、俺 アシュタ ろす というのか?』
こりゃ蝉程度の小さな魂でな、奴が許された時に昇天しそこなった残骸だな。
横には美神令子もオキヌも主治医も倒れていた。
「こんのやろぉ〜、行きぞこないの分際で!」
怒りを露にするが、以外にも横島は冷静さは保ってな、文殊と霊の剣で攻撃してよ、
次いで西条とべスパ、パピリオも応戦するんだ。しかし、敵も然る者とはこの事よ。
『  ふははははは・・はは・・っは、体を見つけた、見つけたぁ』
残留思念だけでも力を持っててな、笑っただけで皆が吹き飛ばされちまってな。
いや、違ったな。横島って奴だけはふんばれたんだ。
「文殊の力、『重』だ覚悟しな。アシュタロス」
『ふふふ、はははぁあ!』
こいつは狂っている、というよりは正気を保つほど魂が無いと言うほうが正解か。
向かってくると思いきや、蛍に向かっていったんだ
「しまった!待て」
急ぐ横島の横を、パピリオが持ってきた袋の中から出た光が追い越していく。
「なんだ?ありゃ?」
「・・・ルシオラちゃんの魂でちゅ」
アシュタロスの残骸とパピリオの魂のデットヒートが繰り広げられている。

手を貸すぜと横島って奴は最後の文殊二つを使って『栄』『養』を魂に与えたんだ。
二つの魂が同時に蛍の体に入ろうとしたとき、闇が落ちてきた。誰か来たようだったぜ。
「なんだ?」
『・・私は生の刈入を行う存在である、魂よ有るべき世界へいざなおう』
死神はそういって鎌を使い一つの魂を斬り、残骸を持って帰った。
みな、立ちあがり、蛍ちゃんの周りに集ってな。
「どっちなんだ?今入った魂は?」
「おそらく、ルシオラなら記憶喪失みたいな子が目を覚ますわね」
徐々に開かれる蛍の目に生の輝きが灯った直後、布団を跳ね除けて、
「横島ッ!」
抱きついてな。そして近くにいた全員は同じ言葉を発したんだよ。
『え!』


-くくくく、大声をだすなとなと、忠告したはずだぞ-
貴方も思わず『え!』と大声をだしてしまった。隣の檻にいた妖魔が目を覚ました。
その妖魔の目の前に見知らぬ貴方がいたので、興奮して吠えてかかってきた。
その大声に次々と悪鬼が目を覚まし、己の存在を誇示する為か、みな吠え出す。
そのうるささに耳をふさごうとする貴方。
=起きたか、騒々しくなるな=

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