ザ・グレート・展開予測ショー

黒い呪いと天使の笛の音


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 2/14)

ギギィーーーー・・・
いつもの事務所に訪れた『いつもの朝』。
「うーーーーん・・・! いい天気! 今日は良く晴れたわねー・・・きっと日頃の行いがいいからね。」
 ドアを開け、陽の光を浴びながら 爽快な気分で背筋を伸ばす『美神』。
「・・・誰の日頃の行いが・・・ブッ!!!」
荷物を持って 出てきた『そいつ』をすかさず黙らせる。
「それにしてもほんとにいい天気! 絶好のGS試験日和ね!」
「(ドクドク・・・)・・・・・・どんな天気や・・・グエ!」
「・・・準備出来たーー? そろそろ行く時間よーー!!」
『そいつ』を『ハイヒール』で踏みつけながら、二階に向かって声をかける美神。
「あ、はーい! 今行きまーす!」
二階から 『今日』の『主役』の声が返ってきた・・・


ー黒い呪いと天使の笛の音ー


「ごめんなさい、待たせちゃって。」
 
二階から『おキヌ』が降りてきた。

「大丈夫? 忘れ物とか無い?」
「はい! ちゃんと『ネクロマンサーの笛』も・・・」
「よしよし、準備万端ね! じゃあさっそく・・・」

愛車に向かって、歩き始める美神。・・・それを追いかけ・・・

「美神さん、『シロ』ちゃんと『タマモ』ちゃんは・・・?」
「あの二人なら散歩を兼ねて、先に行ったわ・・・・・・ほら! あんたいつまで寝てんの!? 早く荷物運びなさい!!!」

いつもの様に、流血が止まらないまま放っておかれた『横島』は
これもまたいつもの様に 独り呟いた。

(・・・・・・・・・・・・鬼!)

会場にむかって、ひたすら高速を飛ばす美神。
「・・・そういや、美神さん・・・」
「何よ?」
ふと、声をかけて来た横島に 前を向いたまま返事をする。
「今年のGS試験って どうなってるんすか?」
「・・・あんたねー・・・未来のライバル生む大会なんだから!
 もっと関心持ったら!!?」
「ま、まあまあ・・・」
「・・・・・・」
横島の無関心(・・・ある意味大物・・・)ぶりに腹を立てる美神をおキヌがなだめる。

「・・・別に! あんたが受けた時とたいして変わってないわ! 一次審査で百二十八名、午後の試合で六十四名になって・・・そんで・・・」

「・・・・・・」

美神の説明を聞きながら、うつむくおキヌ・・・

「・・・そんで次の日に、三十二名の合格者と・・・その年の一位とかが決まる・・・分かった!?」
「は、はあ・・・んで、今年は他にどんな奴が・・・」

ガウウウウッ!!!

「!?」

「この前はいい様だったわねー・・・れ・い・こ・・・!?」
「エミ!!?」

いつの間にか車のすぐ隣に エミの乗るバイクがつけていた。

「どーやら行き先 同じ様なワケ!!」
「あんた一体何の用で・・・まさか・・・!」
「今日のGS試験に弟子が再チャレンジするワケ!! それじゃ
先急ぐワケ!!」

ウオォォン・・・!!!

・・・エミのバイクが遠ざかっていく・・・

「あ・の・女ーーー!!! 一回ぐらいのまぐれで・・・!」

二ヶ月前・・・とある敵対関係の企業同士の争いで、それぞれに仕事の依頼があり 結果はエミの呪いを防げず・・・美神の完敗に終わった。

「覚えてなさいよーーー!!! あの時の借りは・・・!」
「み、美神さん・・・!」
「何よ!!?」
目がすわったまま、横島の話を聞く美神。
「い、今エミさん、弟子がどうのって・・・」
やはりすわった目の美神。
「・・・タイガーの事でしょ・・・! あんの虎男・・・!」
「や、やばいじゃないっすかーー!! この前の時だってパワーアップしたあいつに・・・ブッ!!!」

美神の『裏拳』で黙り込む横島。

「・・・・・・」

おキヌはますますうつむき、不安げにしている・・・

「!・・・・・・おキヌちゃん!!」
「え・・・は、はい!!」

いきなり声をかけられ慌てて返事をする。

「いい? 横島君の時に おキヌちゃん自分で横島君に幸運の事を教えて励ましたでしょ?」
「・・・・・・はい・・・」
「不幸も、そして幸運も本人の霊力が呼び込む物なの。 だから今は他の出場者の事気にして不安になるより・・・」
美神が先を言うよりも早く、おキヌが口を開いた。
「・・・自分の幸運を呼ぶ力を信じる! ・・・ですね。」
「ーーー!」

自分の言いたい事を先に言われてしまい、動揺する美神。

「・・・・・・(クスクス)・・・」

おキヌはそんな美神を見て微笑みながら、思い出していた・・・

「(ゴホン!)・・・何か・・・格好つかなくなっちゃったけど・・・とにかくそういう・・・ ? どうしたの?」
美神の声に、引き戻されるおキヌ。
「あ、いえ・・・やっばり似てるなぁ・・・って・・・」
「・・・?」
「前に・・・横島さんの試験の時に、エミさんが・・・」
「ち、ちょっと待って!! ・・・その続きは心臓に悪そうだから・・・言わなくていいわ・・・!」
「???」


美神はばつの悪そうな顔をし、更にスピードを上げた・・・


「やーっと着いたわね・・・」

会場の前で、美神は背筋を伸ばしている。 そしてその側で、横島はフラフラしながら荷物を担ぎ・・・そしておキヌは・・・

「さて! 行くわよ おキヌちゃん!」
「・・・美神さん!!!」
「!?」

珍しく声を張り上げるおキヌに驚く美神。

「ど、どしたの・・・?」
「・・・あの! 幸運を呼び込むのは その人の霊力ですよね! だから私、信じたいです! ・・・でも・・・」
「・・・でも?」
「私・・・どうやって自分を信じれば良いのか・・・」

「・・・・・・」

美神はそう言ってうつむいたおキヌの側に行き、こう言った。

「大丈夫! おキヌちゃんはこの『美神令子除霊事務所』の自慢のメンバーなんだから! 負けるはず無い!!!」

「ーーー!! 美神さん・・・!」

おキヌは美神の『力強い』その言葉に顔を輝かせた。

「(ゴホン!)・・・そういうわけだから!! 思いっきり頑張って来なさい!!! ・・・ね!」

おキヌはふっきれた表情で、息を吸い込み・・・そして・・・


「はい!!! 私!! やってみます!!!」


ーその頃のシロとタマモー

「ねーシロ・・・!」
「・・・何でござる・・・?」
「ほんとにこっちなんでしょうね!? 霊能力者の匂いなんて全然しないわよ!?」
「・・・・・・」

散歩ではしゃいだシロは、すっかり迷っていた・・・




AS「遅れましたけど、続きです。 笑える所少ないけど・・・楽しんでくれたら嬉しいです。」



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