ザ・グレート・展開予測ショー

【リレー小説】『極楽大作戦・タダオの結婚前夜』(8)[発覚]


投稿者名:ブタクリア
投稿日時:(01/ 2/13)

『あいたたた、本気で死ぬかと思ったじゃん』
ハーピーがコソッと逃げて行くのを4人は気づかずに話していた。

『やれやれ、なんか色々あったけど、道真公が式に招待されてるなら、明日はなんとか式場にもぐりこめるわね』
『うむ』
『ところで、道真さま、横島さんの結……』
『菅原先生!』
おキヌが横島の結婚相手を訪ねようとしたとき、袴姿にサングラスをかけた女性が走ってやってきた。
『ん!? どうした、秘書のミズキ君!?』
『受験生たちに気づかれました!早く太宰府へ!』
ミズキ君が言ったが早いか、地鳴りのような足音と怒号をあげて、津波のような人の群れが押し寄せてくる。
『では、そういうことで、また明日!』
『先生!早く!!』
2人は津波を引き連れるように去っていった。

『………またか』
『………なんだったんでしょう?』
『………このぶんじゃ明日もアテにならなそうですねー』
3人はしばらくあっけにとられていたが、美神が気を取り直してヒャクメに言う。
『でもさ、横島クンがあんなに強くなったんなら、護衛なんて必要ないんじゃない?』
『う〜ん、神族も、横島さんがあそこまで成長するとは予想外だったのかもしれませんねー』
人事のように言っているが、彼女も予想外だった神族の一人である。
『横島さんが眠ってるとき以外は出番なさそうですね?』
『じゃあ、後で小竜姫のとこに行ってみましょうか、状況を詳しく聞きたいし』

そうこうしているうちに、横島に追い付く。
少し尾行を続けて、変わったことがなければ妙神山へ向かおうと言っていたその時、亜麻色の髪の女が横島に後ろから近づいてきた。
『美神さん!!あれって!?』
女は大声で怒鳴る。
『いつまで油売ってんのよ!こんバカッたれーー!!』
横島は声の主も確かめず、道路にはいつくばって平謝りする。
『堪忍やー!!しかたなかったんやーーー!!』
それを見て女はクスクスと笑う。
『でも、美神さん、なぜこんなとこに!?』
おそるおそる顔を上げて声の主をチラと見る。
『って!なんだ、ひのめちゃんか〜〜〜!』
クスクスと笑う少女を見て、横島は笑いながら冷や汗をぬぐう。
『脅かさないでくれよ……』
『あははははっ、だって横島お兄ちゃん、朝からずっっと探してたのにちっとも見っかんなかったんだもん!』
『へ?探してた?何かあったのか?』
『朝、お姉ちゃんから電話があって、「やっぱ式には出ないわ」って』
『そ、そっか、残念だナあ………』
横島の声はどことなくぎこちない。
『まだ船の上だって』
『う〜ん、たしかにあの豪華客船にいたら、快適すぎて戻って来たくなくなるかもなぁ………でも、それなら俺かおキヌちゃんに電話してくれればいいのに』
『おキヌちゃんは明日の用意で朝から大忙しで、事務所にいないみたいだし、お兄ちゃん家は電話止まってんだもん』
『あ………忘れてた』
『はぁ〜〜〜、まったく!だらしないんだから!』
(金がないとも言うな……)
『だからしっかりした私が、お兄ちゃんのお嫁さんに』
『『『え゛え゛え゛ーーーーー!!!!!』』』
聞き耳をたてていた3人は、なんとか声には出さずに、めいっぱい驚いた。
『なってあげるって言ったのに!』
3人はその場に倒れんばかりにホッとした。
横島は、「ハハハハ…」と苦笑している。
『私が身を引いてあげたんだから、おキヌちゃんのこと、ちゃんと幸せにしてあげなきゃだめよ?』

3人の知りたがっていたことは、意外とあっさりとわかった。
横島の結婚相手は、陰で顔を真っ赤にして驚きと喜びの入り混じった表情をしている、おキヌ、その人であった。


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