ザ・グレート・展開予測ショー

黒い呪いと天使の笛の音(プロローグ)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 2/12)

「・・・」
『自分』は『部屋』の『鏡』の前にいる。
「・・・・・・」
いつも働いてる事務所の中にある、『自分』の部屋。
「・・・・・・・・・」
その『自分』の部屋の『鏡』の中には、浮かない顔をしている 『自分』がいる。
「・・・・・・考えてなかったわけじゃない・・・けど・・・」
『自分』が浮かない顔をしている『理由』となった、『言葉』を思い浮かべる。

「・・・おキヌちゃん、今度のGS試験・・・受けてみたら?」

「・・・・・・・・・」
スタンド以外の部屋の明かりを消して、ベッドに寝転がる。

「・・・・・・GS・・・か・・・」

考えがまとまらないまま・・・『おキヌ』は目を閉じた。



ー黒い呪いと天使の笛の音ー    (プロローグ)


「・・・・・・ふぅ・・・」
「? どうしたのでござる?」
ため息をついたおキヌに気が付き、声をかけるシロ。
(・・・・・・)
返事は返ってこない。
「おキヌ殿・・・?」
もう一度声をかけるシロ。
(・・・・・・・・・)
やはり返事は返ってこない。
「おキヌ殿っ!」
シロは少し焦れて、声を荒げた。
(・・・・・・・・・・・・)
それでも返事は返ってこない・・・

「・・・せつないでござる・・・」

「朝からどうしたのよ・・・ 何の騒ぎ?」

少し眠たげなタマモが屋根裏から降りて来た。

「あ、タマモ! おキヌ殿が・・・」
「(フアァ・・・)・・・おキヌちゃんがどうしたの・・・?」
「先程から様子が・・・あれ・・・?」

見るとそこにはおキヌの姿は無かった。

「お、おキヌ殿は・・・?」
「シロ・・・あんたもしかして・・・からかってるの・・・?」
眠りを妨げられた上にからかわれ(たと思って)目をつり上げるタマモ。
「ご、誤解でござる!」
「おはよう・・・・・・どうしたの?」
「お、おキヌ殿・・・!」

ピッ!
<えー、本日のオススメは、この『和食屋』のタ・・・>

「・・・そうだったんだ・・・ごめんね、シロちゃん・・・」
「あ・・・いや、拙者、そんなつもりでは・・・!」

<・・・このうどんのお値段は、何とびっくり・・・!>

うろたえるシロをよそにタマモが口を開く。
「でも本当にどうしたの? ・・・何か浮かない顔してるし。」

<・・・何でも『店主』さんが言うには 狐の神様が・・・>

タマモの問いに少しためらいながら・・・おキヌも口を開いた。
「うん・・・実は昨日ね・・・・・・」

『おはようございます。』
「おはよう! ・・・おキヌちゃんは?」
『今二階におられます。』
『サンキュー!』

「あれ? あの声・・・」
下から聞き慣れた声が・・・そう思った時。
「おキヌちゃん お待たせ!」

上機嫌な『美神』が部屋にやって来た。

「美神さん・・・!?」
「美神殿!? 何故こんなに早く・・・!?」
「マンションで何かあったの?」

それを聞き剣呑な顔をする美神。
「・・・(ピクピク・・・!)あんた達ね・・・私だってたまに
早起きぐらいするわよ! ・・・それより・・・!」
バサバサッ!
美神はテーブルの上に 何か資料の様な物を置いた。
「? 美神さん、これは?」
「半年後のGS試験の申し込み用紙に、今の所判ってる出場者の名簿・・・それに・・・」
「み、美神さん・・・!」
「? どうしたの?」
キョトンとする美神。
「あ、あの美神さん・・・私まだ・・・出るとは・・・」
「? あれ? おキヌちゃん出ないつもりだったの?」
少しうつむくおキヌ。
「え、えと・・・次のGS試験、一文字さんも出るんです。」
「一文字? おキヌちゃんのクラスの?」
ますますうつむくおキヌ。
「はい・・・弓さんは家のしきたりとかで、来年に・・・私・・・・・・一文字さんや弓さんと争うくらいなら、二年後にしようと・・・」
「それは違うわよ。」
「え・・・?」
美神は真剣な顔でおキヌに語り始めた。
「いい? おキヌちゃん、友達と争いたくないって気持ち・・・私にも分かるわ。」

ブンブンブンッッ!!!
シロとタマモが激しく首を振る。

「(ギロッッッ!!!)・・・おキヌちゃんのそういう優しさはすごく大事だと思う・・・! ・・・でもね・・・」

美神がするとは思えない、感動的な話が始まろうとしていた。

「・・・相手が友達だろーが、何だろーが、チャンスがあったら退いちゃーダメ!! 例え友達地獄に突き落とそーが、自分は 這い上がってチャンスを掴む! それくらい当たり前よ!」

感動的な話は始まろうとした途端、砕け散って粉々になった。

『・・・・・・・・・・・・』

「・・・・・・・・・『少し』言い方間違えたわ・・・とにかくあの子は必死でGS試験に挑むんだから、そういう時に一緒に 同じ物を目指す事も必要よ。」
「・・・・・・!」
「ま、それでも最後に決めるのはおキヌちゃんだしね・・・ 後は自分で・・・」
「・・・美神さん!」

改めておキヌの方を向く美神。

「・・・私、やります! 美神さんの言う通りそういうのを避けて通ってちゃ駄目だから・・・!」

待ってましたとばかりに『ニッコリ』とする美神。

「・・・そうこなくっちゃ! じゃ手続きは私がやっとくから!・・・おキヌちゃんのサインが必要な書類は・・・これとこれとー・・・おキヌちゃん家に電話して ハンコとか送ってもらう様言ってきて!」
「は、はい!」
「シロはこれポストに入れて来て!」
「え・・・?」
「さっさと行けっっ!!」
「キャイン!!」

「・・・・・・・・・」
「さて、と・・・」
「・・・私は・・・?」
「ああタマモは・・・そうね・・・何か美味しそうな食べ物でも買ってきてちょうだい、これで足りるでしょうから。」
(本当に珍しく)タマモにお金を渡す美神。
「美味しそうなの・・・うん! 分かった!!」
ピクリと何かを感じた美神。
「・・・み・ん・な・が! 特に! おキヌちゃんが美味しいと思うもの!! 分かった!!?」
「はーい!!!」
タタタッと駆け出すタマモを見ながら。

「・・・・・・・・・おキヌちゃんが出場決めてくれて良かった・・・・・・実はもう必要な書類送っちゃってたのよね・・・」

『・・・・・・・・・・・・』


その頃の横島
「・・・・・・その女は俺んだー・・・ムニャムニャ・・・」
その頃の西条
「・・・呪ってやる・・・・・・今度こそ・・・・・・!」



AS「自分でやってみて、『おキヌ』はすごく動かし辛かったです・・・・・・自信はありませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです。」



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