ザ・グレート・展開予測ショー

極楽大作戦 de 時代劇 巻之八


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 2/ 6)

「皇子様、私も悪鬼の類に冒されていると?」
「うちの言葉きこえんたんぇ?」
「これは失礼を。幼き時分馬に蹴られた後に何故が人の心を」
「そないでっか。苦労なさったやろうなぁ」
「御同情、御身有りがたく存じます」
こうなると、ひのめ様の夢魔と公彦の病気を一度に倒さねばなるまい。
「あんなー、ウチらが公彦はんの体に霊能をつこうて小さくなって入るんや」
「せやな、この技ならウチのキヌ出来るさかいに」
では、いざ人選となると、
「あたし、父上の体に入るのは嫌!」
なので、令子姫はひのめ担当、まぁそれ以前におめい(冥子)の鍵なのではずせない。
「上様、私も娘の令とひのめを助けたいと思います」
許可をとったのは令姫とひのめ姫の母親である美智恵御前だ。
「うー・・・母じゃと一緒か。ま、背に腹は変えられぬか」
「あー、そうだー、念の為だれがこっちで待っててねー」
「んじゃあたしが残る」
と腰元のオタマ(タマモ)が名乗りを挙げた。
令姫しぶしぶの納得で女3人はおめいの式神夢のハイラの力でひのめ姫の意識へ。
「お、おむこうさん、始まったようやな。ほないくで、オキヌ」
「何いうとりますの?うちがあんたに力を与え続けなあかんやろ?」
「てぇと一人かいな」
「あ、それなら某が参りたいでござる」
腰元のオシロ(シロ)が手を挙げる。
「ほんまか!!たよりあるわー」
「まええけどな。くれぐれも手ェださんようにな。貴方」
京都訛でドスの声もこれはこれで迫力がある。
「わ、わかってるがなー」
「あのー宜しく御願い致し申し上げます」
人様の体に入ることを軽く思っているのかと、城主の公彦もやや心配顔だ。
「大丈夫ですえ、実際に体を小さくして入る訳やありまへんしなぁ」
皇子のキヌがある種の呪文を唱えると忠夫は意識化、つまり小さな分身の姿で
病魔の居場所を探しに体内に入る。

その頃、ハイラちゃんの力で夢に入った3人は小人の感覚であった。
「な、なんかすべてがおおきいわねぇ」
「ほんとー、ここってお城のなかじゃなーい?」
門から部屋、花からまでの映像がとてつもなく大きいのだ。
「赤ん坊の目から見た光景なのね。さてと、馬面の悪魔をさがすわよ!」
「ご、御母堂様〜その格好は〜〜??」
「娘の真似です。こっちの方が動きやすそうだしね」
美人の麗人が夢の中とは言え、両隣にいるものだから
「役得よね〜」
「そんな呑気な事を言ってる場合じゃないわ。急ぎましょ!」
「は〜い〜」
おっとりとした物の言い様なんとかならないかなぁ?と母子は思うわけだ。
ひのめ姫の夢に入った連中がくらう最初の攻撃は熱湯攻撃であった
「あちゃちゃ!!!」
「あついよ〜〜〜〜〜」
「ひのめ。あんたがお風呂嫌いはしってたけどここまでしなくてもいいじゃない!」
普通の攻撃と違うから母子は霊力を使ってしのぐのが精一杯だ。
「あじらちゃーーん、御願いよー」
火炎攻撃を調節して殆どを蒸発させる。
「どうして全部しなかったの?」
「だって〜、この中に有るものを〜攻撃したら〜ひのめ姫ちゃん怪我するもの〜」
『なんですって!』
「だから気をつけてよね〜」
「そういう重要な事は最初に言ってよね!」
今度は巨大な人参が3人を襲ってきた。とにかくその独特の匂いが臭い。
「ひのめ、好き嫌いは許しませんよ!」
「は、母上そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」
「そんな事解ってるわよ!」
今回は剣術が物を言う番であった。
暴れる度にひのめの寝顔が苦痛に替わるので大丈夫かと心配する腰元のオタマだ。

「うーむ。今拙者らは何処にいるので御座ろうか?」
「いまはなぁ、血の管にいるんやぞ」
「うへ、気持ちワル?」
「まぁそういいなな、おや、どうやら敵さんがきたで」
「え?」
「体内に入るといつもこいつ等に攻撃されるんやで」
それは白血球という奴だ。オシロも格闘拳法を嗜んでいると言う事で中々の活躍だ。
「しかし、忠夫様はどのように攻撃を?」
「わいはコレや」
何故か腰元のオシロをじっと眺めて集中すると右腕に鈍い光が発生し、剣を出す。
「これでも剣術には定評があるんだぜ」
ばったばったとなぎ倒す技量は中々だ。どうやら型を学んでいたらしい。
「失礼でござるが剣術を?」
「あぁ、無外流の道場にな。この藩の小竜姫道場とは親戚筋にあたるんやで」
こうして先ずは白血球の攻撃を逃げ延びたは良いのだが、病魔がすぐ其処に着ていた!
「た、忠夫様!」
「む、始めてみる病魔だ。ふむ、どうやらカラクリ人形か?」
そやつは異物を発見したと見えて攻撃をしてくる。
「ぬお!体術で御座るか!まけんでござる」
と張り切るはいいが、相手の
「じゃいあんとすいんぐー」
という大技をくらってノックダウン。
「次は貴様ジャー」
というカラクリ人形病魔に脅かされるのだが、
「オキヌ、ここにいたで-」
小さな声でしかいのに、夫婦の絆か。わかったでーと言ってから、
「うち、一寸気絶するさかい、よろしゅうたのんます」
えい、とかわいく力を溜めると、
『これが、霊体離脱いいますえ、これで』
「うわぁ!何をなさるのですか!」
「驚かないでや、公彦はん」
そういって中に入ると、
「あんたー、これ?」
「うわぁ!大きなオキヌ様でござるー」
驚くばかりのオシロであった。最後に忠夫はオシロに小さな玉を持たせえる。
「これで『出』の字を思い浮かべるとな」
光が廻りを包んだ後、公彦様の体から出れていた。

「は、母上様がんばっておりますね」
人参の次は何故か烏が攻撃してきた。たしか烏につつかれた事があったか。
更に誰もいない町並みが展開されたり、人形が襲って来たり。
だが、それらを悉く跳ね除けてくる美智恵御前である。
正に母は強しだ。そして、無限に続くかと思われる階段を発見する。
「ここがーひのめちゃんのー、深層心理なのー」
「赤ん坊にそんな物があるのかね?」
「うーん、きっとひのめ様が思っている事がねーこの湖にうつるわけー」
無防備な赤ん坊の深層心理なぞ、簡単に見れてしまうのだが、何者かが隠している。
「こらー、少しはかくせ、かくせ!」
何故か慌てている奴が一人、いや妖怪がいた。
「あんたが、人を夢の中に入れる悪魔ってわけね」
「くそぉ!いがいと早かったじゃないかぁ」
「あんたを極楽に連れてってあげるわ!」
「そうはいくかな?ここは夢の中。この赤ん坊の望みが解らなかったら僕は・・・」
最後まで言わなかったがその顔つきで無敵だと言いたいのがわかる。
「そーれ、夢の配下達!彼女達をやっておしまいー」
「きゃあーーあーーー!!!」
おめいは逃げ待とうばかりだ。令子姫も1歩も動けない。だが、
「つまりその湖に娘の望みがあるのね。見に行くわ!」
ちょっと、またちょっとと湖に近づく。
「おい、夢の配下達、あの年増の女に集中しなさい!」
だが、残りの二人とて無能ではない!
「今だ!」
とばかりに二人は湖の底に映る光景をみる。
「令子姫ちゃーん」
「・・・・そうだね。こんな小さい子に心配かけてたなんて。わかったわひのめ」
その一声が夢の配下達が崩れる瞬間であった。
「そ、そんな馬鹿なぁ!ね。もう悪さしないからさ!!」
「あんたを」・「極楽で」・「待ってるわよ!」
三者三様の攻撃で彼奴は焦点してしまった。
「で、ひのめの夢、希望ってなんなの?」
「父上に母上、それに私とひのめが団欒している光景だったよ」
「小さい子に心配かてたか」
「うん。ごめんね。ひのめ」
「じゃーあー夢からでるねー」
忠夫組と令子姫組はほぼ同時に戻ってきた。
「ふう。只今、父上」
「おぉ、令何か拙者も体が軽くなりました、改めて御礼を・・・」
あれ、さっき娘の令子が私に話しかけたのかな?とキョトンとする始末である。
「ところで、皇子のオキヌ様がおきてこないのですが」
とオタマ。
「それはなぁ、さっき霊体離脱やったからなぁ。そこに漂ってるで」
忠夫が指さした方向にオキヌ様の魂があった。
「ちょっと時間が経たないともどれないわー」
「それでは、就寝部屋にご案内いたします、此方へどうぞ」
だが、霊体が移動するだけだ。本体は気絶したままである。
「あなたぁー」
「なんや、キヌ?」
「だっこv」
「しゃーないなー、照れるやないか、でもえっか」
妻のキヌを抱きかかえる形で就寝所に向かうのであった。
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だから横島忠夫と氷室キヌは夫婦なんだよ!!!!!

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