ザ・グレート・展開予測ショー

コンクリートジャングルの虎(7)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 2/ 5)

  シロとタマモが『和食屋』で働く事になって(売られたとも言う)・・・その日の仕事が片づいて事務所に戻った二人が寝床にたどり着いたその頃・・・

「ウオォォォーーーーッ!! 女ーーーーーーーっ!!!!」
「待てっつってるワケッッッ!!!」

『小笠原エミ』は、『虎』を追っていた・・・


ーコンクリートジャングルの虎(7)ー


「ハッ、ハッ、ハッ・・・! ああもう・・・! 何でこんな事しなきゃーいけないワケ・・・!?」
エミは走りながら『回想』し始めた・・・

・・・二時間程前・・・

十数時間ぶりに『外』に出た エミとタイガー・・・・・それともう一人・・・・
「ふーっ・・・! やっと着いたワケ・・・!」
「こ、ここが・・・! ニ、ニューヨーク・・・・・・!」
「・・・・・とうとうここまで来てしまった・・・・・」

 『三人』はこれといった問題も無く空港を後にした。(例によってタイガーがスチュワーデスを脅えさせたりはしたが・・・)

「・・・で・・・これからどうするんだい?」
「もちろん美智恵さんに連絡とるワケ」
「そうか・・・」

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・?」

・・・だんだんと目がつり上がっていくエミ・・・

「何してるワケ? ・・・早くするワケ・・・!」
「ぼ、僕がやるのか・・・!?」
「当然なワケ! その為に来てもらったワケ!」
「・・・・・・・・・(フゥ)」
・・・西条はため息をついた・・・
<・・トゥルルル・・・トゥルルルル・・・・ガチャッ!!>
「・・・駄目だ・・・留守の様だ・・・」
それを聞いたエミは 更に目をつり上げた。
「留守・・・!?・・・何処に行ったワケ!?」
「・・・分からない・・・この時間に着くとは言った筈なんだが・・・」

「それにしても・・・本当に今日本は真夜中なのかノー・・・」
言い争いを始めたエミと西条をよそに、考え事をするタイガー
「一文字さん・・・ワシ・・・がんばるけんノー・・・!」

「西条君。」
ハッとする西条。
「せ、先生・・・!?」
「!?」
くってかかって来たエミとの言い争いに夢中になっていた西条のすぐ側に美智恵が立っていた・・・。
「い、いつの間に・・・!?」
「Gメン捜査官が 話に夢中になって、周りの変化に気がつかないのは感心しないわね・・・」
「も、申し訳ありません!!」
姿勢を正し平謝りする西条を見ながら・・・
「ふふっ・・・冗談よ。 事件の時なら反省すべきだけど、そうでない時にまで気を張ってても仕方無いでしょ?」
「は・・・はぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
生返事を返す西条・・・
一方エミは・・・

(・・・冗談じゃないワケ! いくら何でもこれだけ接近されて気がつかない程、気ぃ抜いて無かったワケ・・・・!)

「さて・・・西条君から話は聞いてるわ。・・・正直不安だけど一流のGSが立ち会うんだし、あの人も『誰かの役にたつなら・・・』って言ってたしね・・・」
「あ、ありがたいですノー!!」
「でも! 結局はあなた次第って事は忘れないように!・・・・それじゃあ西条君、エミさん、後よろしくね。」
そう言って美智恵は 場所の書いたメモを手渡した。
「?先生は来られないんですか?」
西条の言葉に苦笑しながら・・・
「今ちょっと面倒な事になってるの・・・・後で連絡するわ。」
「あ、先生・・・!」
止める間も無く走り去る美智恵・・・
「・・・ふぅ・・・とりあえずここにテレパシストのオッサンがいるワケね・・・行くわよタイガー!」
「はっはいっ!!」
西条はしばらく考え事をしていたが・・・
「ほら!あんたもとっとと来ないと置いてくワケッッ!!」
「あ、ま、待ってくれっ!」
エミの声に我に返ると 急いで後を追った。

「こ、ここなワケ・・・!?」
メモに書いてある建物に着いたエミは・・・絶句した。
「い、いかにも何か出そうなトコじゃノー・・・!」

『そこ』は両隣にあるビルと比べ 余りにも かけ離れている造りの上に、何か『妖気』のようなものまで、漂っている・・・

「き、公彦さんは能力の為に、出来る限り人との接触を避けているから・・・」
「ふーん・・・とりあえず中に入るワケ・・・!」

ギギャイィィァァーーーーーーーー

「・・・徹底してるワケ・・・」
「・・・・・やあ・・・始めまして・・・」
「・・・・・・・・!」

飛び退さるエミ。

(ま、また何の気配も感じ取れなかったワケ・・・! い、一体何なワケ・・・!? ・・・この一家は・・・・!)

「始めまして・・・美神公彦です。」
『・・・・・・・・・・・・へ!?』
余りに普通の自己紹介に、あっけにとられる『二人』
「お久しぶりです・・・!」
「西条君か・・・立派になったね・・・待ってて・・・今明かりを・・・!」

『・・・・・・・・!』

明かりに照らされた公彦の姿は、仮面のせいか・・・一瞬亡霊の様に見えた・・・・

しかし・・・
「小笠原君だっけ・・・? ウチの娘がいつも世話をかけてるらしくて、すまない・・・」
あくまで物腰や口調は丁寧で、細かな気遣いを感じさせた・・。
(・・・本当にこれがあの女の父親なワケ・・・!? ・・・どうやったらあんなガメつい・・・・・・・・・・)
「ご、五千万・・・!?」
(!?)
「あ、す、すまない・・・仮面をつけてても『強い』感情は時々
流れて来てしまうんだ・・・しかし・・・まったく・・・」
(・・・うかつな事は考えない方がいいワケね・・・でも・・・あの仮面・・・)

エミはバックから笛を取り出した。

「エ・・・エミさん・・・?」
「何してるワケ!? チャッチャと始めるワケ!!」
西条が慌てて止めようとする。
「お、小笠原君っ! き、公彦さんの事も・・・!」
「僕なら構いませんよ。」
『え!!?』
流石にエミも驚く
「もう話は聞いていますし、どうせなら早い方が良いでしょうから・・・」
公彦の言葉はあくまで『柔らか』だった。
「・・・・・感謝するワケ・・・! タイガー!」
「ハイッ!!」
虎の姿に変化するタイガー。
「公彦さん! タイガーが何に見えるワケ!?」
どうあっても『美神』さんとは言わないエミ・・・
「・・・?・・・変わりませんが・・・」
ゲシッ!!
「もっと気合い入れるワケ!!・・・公彦さんの仮面はテレパシーを遮断してるワケッ!! それを軽々突破出来れば・・・!」

十分後・・・

「エ、エミさん・・・! ワシは、ワシはもう・・・!」
ピリリリッ! ・・・・ピリリリリ・・・・・!
(・・・そろそろ限界の様なワケ・・・)
「タイガー! ・・・今日は・・・」

ビュンッッッ!!!

突然何かが笛に突き刺さった。

「!!!?」

その様子も知らず 精神感応波を出し続けるタイガー。
「エミさんっ!!・・・笛を早く!・・・でないと・・・!」
「・・・・・・・・・!」
青ざめるエミ・・・やがて・・・!

『グワアアアアアッ!!!』

「・・・・・・・・・女・・・!」
「・・・タ、タイガー君・・・?」
西条がタイガーを気遣い、様子を見ようとしたその時・・・!

「女ーーーーーーーーーー!!!」

「!?・・・うわっ!!」
突然暴れ出し 西条を吹っ飛ばしたタイガーは エミに向かって真っ直ぐ・・・
ドキュン! ドギュン!
「!!」
西条が起き上がると、エミが『タイガー』に銃を向けていた
「お、小笠原君!これは一体! いやその銃はっ・・・!!?」
「話は後なワケッッ!! タイガーを押さえてっっ!!!」
タイガーはジリジリと、エミに飛びかかるスキを・・・
『ここよ、ここ! 凄いでしょ!?』
外から女性の声が聞こえた。
「ヤバッッ!!」

ギギィャーーーーーーーーッ!!

「キャーーーーーーーーーッ!!!」

扉を開けたタイガーは そばの女性に・・・
「させるかー!!」
西条がとっさに銀の銃弾を放った。
「グガアアッ!!」
銃弾をかわしたタイガーは、その場から逃走した。
「ま、まずいっ!! このままじゃあ・・・!」

「女ーーーーーーーーーーー!!!」

ガバアアアッ!
「ーーーーーー!?」
突然エミに抱きついたのは・・・
「き、公彦さん!?」
「な、何するワケー!? このセクハラ仮面!!!」
思わず公彦を投げ飛ばしてしまうエミ。

ドシャアアアッ!!

「ああっ! 公彦さん!!」
「ハッ! しまった! つい・・・・!」

しかし公彦はすぐさま起き上がり・・・
「女ーーーーーーーーーーーー!!!」
タイガーと同じ方へと走り出した!

「ヤバイッ・・・!! とっとと追うワケッッ!!」
「い、一体何がどーなってるんだ!!?」

「ヤバイッ!!! ヤバすぎる!!! タイガーの暴走に感応して自分の父親がセクハラしまくったと知ったら・・・!!! まだあの女と血みどろの闘いする気は無いワケッッッ!!!!」
「・・・・・・・・・・!」
こうしてエミ(と西条)の『狩り』は始まった・・・



AS「公彦さんのイメージ壊した事・・すいません・・でも、それでも楽しんでくれたら、嬉しいです。」



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