ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌの心(後)


投稿者名:フォルテッシモ
投稿日時:(01/ 2/ 4)

「!!」
おキヌの突然の告白。しかし、横島とておキヌの気持ちに気付いていなかったわけではなかった。いや気付いていたのに気付かないふりをしていた。もっと、もっと強くなって同じ過ちを繰り返さないようにと、しかし、その結果おキヌをこんなに悩ませそして苦しめてしまった。
「ごめん。オレがはっきりしないからこんなに苦しめてしまって。でも、今おキヌちゃんがしていることは現実から逃げているだけだ。こんな事をしても何にもならない。だから一緒に帰ろう」
そう言っておキヌに近づいていった。
「来ないで」
そう言っておキヌは少しづつ後ろに下がっていった。それは拒絶だった。
しかし、横島は歩みをやめようとはしない。少しづつおキヌとの距離が縮まっていく。
「いやっ来ないで、来ないで、来ないでぇぇぇぇぇぇ!」
おキヌが叫んだ。
だがそのときにはもうおキヌと横島の距離はなかった。
「おキヌちゃん」
そう言っておキヌを抱きしめた。しかし、おキヌはそれから逃れようと抵抗する。
「おキヌちゃん好きだ」
その言葉でおキヌの動きが止まった。
「本当はもっと早く言わなくちゃいけなかった。もしそんなことしたらこれまでの関係が崩れてしまいそうでこわかった。でもそれじゃだめだって気がついた。」
横島は今まで思ってきたことをおキヌに伝えた。
「おキヌちゃん好きだ。ずっと一緒にいよう」
それが本当の気持ちだった。
「本当…に、本当ですか。悲しいときも、楽しいときも一緒にいてくれますか」
「ああ。悲しいときはなぐさめてやる。楽しいときはいっしょに笑ってやる」
「突然泣き出してしまうかもしれません。知らないところでないているかもしれませんよ」
「それだったら泣きやむまで隣にいてやる。知らないところになんて行かせない。おキヌちゃんは、ずっと俺のそばにいさせる」
「その言葉信じてもいいんですか」
おキヌの瞳からは大粒の涙かこぼれおちていた。
「ああ」
と、大きくうなずく横島。
「約束ですよ」
「ああ、約束だ」
おキヌは微笑んだ。泣きながら微笑んでいた。やっと見せたおキヌの笑みだった。
「おキヌちゃん」
「横島さん」
二人はしばらくみつめあい、そして唇を重ねた。
「なんかこの辺だけやけに熱いわね−」
美神は手で顔を扇ぎながらいった。その後ろでは皆がニヤニヤしていた。
二人は恥ずかしさがこみ上げてきて顔を赤くした。
「さあ、早く帰らないと穴が閉じちゃうわよ」
そう言って美神は穴のほうへと向かっていった。
「帰ろうかおキヌちゃん」
「はい」
そして二人も帰っていった。その手はしっかりと握られていた
    おわり

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