ザ・グレート・展開予測ショー

極楽大作戦 de 時代劇 巻之伍


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 2/ 2)

御城では彙報を聞きつけた家老の毒田薫栖があわててやってくる。
「奥方様、これは矢張り悪鬼の類では?」
「そのようですね。どうしましょう、ワラワの力では」
「致し方有りますまい。姫様を御呼びしましょう、おい、オシロ、オタマ!」
「は、はいなんでござるか?」
「とっとと令子姫を御連れしろ、ええい、言訳はいい。奉行の西条も連れていけ」
『は、はいーー』
と、慌てふためいて、二人は奉行所経由で明日の待ち場所唐巣寺に向かう。
「いそいでくれよ、西条」
これから寺院では壮絶な戦いが始まろうとしている事には薫栖といえど想像出来まい。
又少々揺れを感じる。
「くそ、地震か」
そういって一旦天守閣に上り、美神藩を一望してから
「この平和も時間の問題じゃな」
しみじみと、町の旅篭方向を見ながら呟いた。
同刻、旅篭では相変わらず氷室屋のオキヌが養子の忠夫に甘えている。
「貴方ぁーこわいわー」
「お、オキヌ、未だ昼間や、だめやでー。そないな事はおてんとさんが隠れた後や」
「もぉ、いけずぅ」
くどい様だが、オキヌちゃんと忠夫君は夫婦者だ。誰が何と言おうと夫婦者だ。
「これ、いい加減にしぃや、人が見てるやないか?」
「人?誰も居らんやないかぁ?」
「あれ、さっき気をかんじたんやけど?」
デレデレの番頭忠夫であったが、
「しまった!今の気は彼奴の妖気やった!」
「ホンマ?そらまずいわ、どっちいったんやろか?鬼見はんに調べてもらお」
だが、先ほどの自信で壊れてしまったらしい。
「あちゃー、まいったな。しゃーない、ウチらの能力でなんとかしよ」
と、1階に向かうと、旅篭の女亭主 おりん(魔鈴)が、
「御客サン、小耳にはさんだのですが、鬼見君を必要だとか」
「御亭主さん、きいとたんか?それみぃ、オキヌ、壁に耳有りや」
オキヌ真赤になっている。念を押すけど二人は夫婦者なのだ。杯を交し合った仲なのだ。
「ま、まぁ、それより、鬼見君と同等の獣、私もってますよ」
「子妖怪か?」
「はい、スズメ(鈴女)といいます、ちょいと達がわるいですがよければ」
「是非に」
と借りうけて、御飯3粒で商談成立。悪の気は大通りを北に向かったと暗示した。
「ほないくで。オキヌ!」
「あい、あんた。でもなぁ妖怪ももうちょいと気を使ってもよろしいでっしゃろに」
本当の本当にくどいが忠夫は氷室家の養子に入り、二人は夫婦者なのだ!!!
寺院側では、小笠原の祈祷師エミと令子姫の対立が続いていた。地震がこようとも。
「わらわの乳房を触るとは、無礼千万!きってやる」
「何を言うわけ?アタシはそんなもの触るつもりなかったワケ!」
宥める事も諦めた六道屋の娘お冥(冥子)は、ようやく庭先に誰かいるのに気付いた。
「あ、和宏おしょー、庭先に誰かいるわー」
「おや?これはたてこんでいる所に、一体何方ですかな?」
「私は町奉行所同心比延蕩・武等都(ピエトロ・ブラト)和尚様お久しゅう御座います」
「おぉ!比延君か、なつかしいな?そちらの方はお友達かな?」
「小竜姫道場の門下生、浪人の伊達雪之丞だ、実は姫様を説得に来たんだが」
今は諦めなさい、よければ御茶を出しますよ。達観している和宏和尚だ。
中では相変わらず、言い争いが続いている。あえて内容は書かないが。
山門の入り口には寺男の権三郎爺(92)が呑気に煙草をたしなんでいる。
其処に、一人の浪人者がやってくる、ちゃんと礼儀を正してはいるが。
「こんにちわ、あたくし、 勘・九郎っていうの、こちら唐巣寺さん?」
「へぇそうでがすよ。何か御用で?」
「えぇでは御免なさい、御邪魔しますよ」
「へー、顔のしっかりした良い男じゃないか、浪人にしておくのはもったいない」
だそうだ、権三郎爺さんはまだまだ現役なのだ。
軽い足取りで山頂の寺院に向かい、
「あの、すいませーん、令子姫此方にいるの?」
と、伊達と比延蕩に尋ねる。
「何者だ、貴様、名を名乗れ、おれは町方同心比延蕩だ!」
「これは御丁寧に。でも覚えなくてもいいわ」
にこやかな顔のまま、そやつは長物(日本刀)を音も無く抜き、
「あたしの主の御希望でね、皆殺しよ!」
その斬激は、同心を真っ二つにしてまだ余るものであったが、
日本刀の刃がぶつかり合う独特の高い音が邪剣をさえぎる。
「何しやがる!俺の名は伊達雪之丞、行きがかりとは人殺しを見逃すつもりはねぇ!」
「やるわね、貴方、結構好みよ」
「な、何?」
「アタシの名前は勘九郎。さる高貴な方に暗殺剣を売った男よ」
「武等都、こいつは俺にやらせろ。面白い奴だぜ、一人でこようとはな」
「あら、あきち一人じゃないわ、いらっしゃい、死津ちゃん!」
今日何度目かの地震かはわからぬが、今の地震は寺のみが揺れている。
突如、地面が割れたらおぞましい華が、否華のような化け物がやってくる。
幾重も幾重も数を増やしてやってくるのだ。
『ほーほほほ!!童の名は死津喪比女、恨みはないが美神藩の姫。御命頂戴』
そういって寺院内に入る、喧嘩中の二人とオロオロする女子がいる。
「貴様が姫か!」
勘違いだ、彼女は六道家の長女、お冥だ!
「御命ちょうだーい」
と、ワラワラむかっていったのが間違いだ、
「きゃーーー、たすけてーーー」
突如!彼女の影に隠れていた式神の武道派が3匹、怒り狂ってやってくる!」
「やっちゃってー」
「な、なんだこいつ!」
「それにアタシは姫じゃありません、姫様は・・・」
悪気はないのだ。この子に悪気はないのだ。天然なのだ。割合傷の浅いのが方向転換を。
「へぇやるわね、若衆かっこで紛らせ様とするなんて」
だが、二人の喧嘩は止まらない、ついでに式神の暴走も止まらない、
修羅場と化した寺院内に今度は奉行はやってくる、訳も解らずとりあえずは
「姫の御命を狙うとはなんたることだ!この奉行がゆるさん!」
そういって死津喪比女だけでなく、式神も攻撃対象にする。外からみれば、そうだろう。
腰元のオシロとオタマはこの騒動に付いて行けない。
「こ、怖いでござるー」
「なんなんだろうか?いったい?」
そこに最後夫婦者の、あくまで夫婦者の忠夫とキヌがやってくる。
「あんのぉ」
「は?なんで御座いますか?御内儀様(奥さんって事)」
「これは一体どぉいう事ですえ?」
と、尋ねる横で夫の忠夫は、
「いやー、あんたらメンコイのー、どじゃ?わしの妾にならんか?」
「貴方、こないとこで、おなごを口説いとる場合やおまへん!」
と活をくらっている、
そのすぐ横では相譲らずの勘九郎と雪之丞だ。
「ひ、姫、もぉにっちもさっちもいきません、一度沈めましょう!こら皆の衆よく聞け」
唐巣寺の和尚和宏が凛と響く声で皆に言い渡す。
「此方におわそうは、、美神藩の姫、令子様なるぞ」
だが、
「そんなの全員知ってるワケ!」
と、なんの対処法にもならなかった。恥を掻いたな。和尚。
その騒動のなか、ようやく使命を思い出した夫の忠夫が、争いの真っ只中に入り、
「しずまりー、しずまりー」
と文殊を音声拡張機に変換して大声を出す。妻、オキヌを一寸した高台に乗せ、
「こちらにおわそう方を何方とおもわれる?」
「あんたの女房だろ?」
とオタマ。だが、忠夫は懐からある書状を出した。
「この紋所が目にはいらんか〜」
あ、あれは!
唐巣寺の住職、和宏和尚が素っ頓狂な声を出して、
「ご、菊の御紋じゃ、という事は」
「恐れ多くも先の天主様(天皇)が末娘、氷室キヌの君やでー!」
これには一同ひれ伏すしかない、この頃の天主様は言わば小大名クラスではあるが、
日ノ本の国の長で有る事には間違いない。権威もあれし、この頃に尊王思想が。
「一同、オキヌ様の御前やど、頭が高いでー、ひかえろやー」
『へへー』
波を打つが如く静まりかえった寺院内には賊の二人はとうに逃げていった。
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あぁ!あのパロディーをやってしまった!!!!!
さて、もういいかもしれないけど、忠夫とオキヌはやっぱり夫婦だよ。
あと、僕の関西弁はインチキです。僕は関東育ちなもので・・・。

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