ザ・グレート・展開予測ショー

コンクリートジャングルの虎(6)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 2/ 2)

      小笠原エミは 『不機嫌』 だった。
「・・あ、あの・・エ、エミさん・・・」 (ギロッ!!!)
「い、いえっ! な、何でもないんですノー・・・」 冷や汗が止まらないタイガー・・・。
ザワザワ・・・ザワザワ・・・・(・・・・一体何がどーなってニューヨークなんかに行かなきゃならないんですカイノー・・)
空気(霊気)が読めず、『師匠』にリンチされ 吊るされ・・・
当事者でありながらも、肝心の話を 『全く』 聞いていない (聞けなかった?) タイガーは、答えの出ない自問を延々と繰り返していた。     ・・・そしてもう一人・・・  
「・・・・・・・何故僕はここにいるのだろう・・・・・・・」

ーコンクリートジャングルの虎(6)ー

あの後・・・<ガウウゥゥゥッ!!> バイクで走り去るエミを
見ながらタイガーも 事務所に戻ろうと 歩き始めた・・・。
「・・・ニューヨーク? ハッ! も、もしやエミさんとふたりっきりで・・・!?」  ・・・などと考えながら・・・

一方エミは・・・・
  
<キキーーーーーーーーーーッ!!!!>

「・・・・・フゥ。」 ヘルメットを外したエミの眼の前には 『教会』があった・・・。
「ピートー!! これからしばらくニューヨークに・・・アレ?
ピートは・・・?」
パタパタパタ・・・  「おや? 何だ、エミ君か・・・。」 
物音と声に気付き メガネをかけた神父が奥からやって来た。
「唐巣のオッさん! ピートは!? いないワケ!?」
ぞんざいなエミの態度にいい加減慣れてはいても、ため息をつく唐巣・・・・・。
「ピート君かい?・・・彼なら奥で休んでいるよ。」 
「・・? どっか悪いワケ・・?」
エミの問いに、唐巣は きまりが悪そうに・・・・
「いや・・実は昨日・・・」

       事務所に着いたタイガー・・・。

「ただいま帰りましたノー・・・」 
「・・・お帰り・・・タイガー・・・待ってたワケ・・・!」

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーー!!!?」

放課後・・・横島に言われた事や、いつもいない一文字の事で、
落ち込んでいたタイガーは、気を遣ってくれる ピートと共に、
イタリア料理店を回り続けた・・・。 
その中には、ガーリックパスタ専門の店も・・・。

トゥルルルルッ、トゥルルル・・・・ガチャッ。
タイガーを再びリンチしていた時、事務所の電話が鳴った・・。
「はい、こちら小笠原・・・・・令子・・・!?」
「もう帰ってたのね、チケット取れた?」
「もちろんなワケ・・・それより令子・・・さっきは・・・」
珍しく(本当に)美神にお礼を言おうとするエミ。
「あ、あのね、令子・・・」 「ところでさー、エミ、あんたに買って欲しいモノがあるんだけどーー!」
「(・・・・・?)何なワケ・・・・?」
「ちょっと待って・・・!・・・ようし・・・スイッチオン!」

<「あーーうるさいっ!!・・・こいつは小笠原エミ!!・・・
職業は・・・!・・・」「ストップ!! そっから先は・・」>

・・・最後まで聞き終えたエミ・・・(ワナワナ・・・・・!)

「でー『コレ』どうしよっかー? 五千万ぐらいなら・・・・」

      グワッチャアアアアン!!!!!!!

・・・不幸中の幸いは、携帯では無かった事くらいだった・・・

          ・・・しかし・・・

   「ギャーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 ・・・一番不幸なのは誰か・・・云うまでも無かった・・・

「なるほど・・小笠原君の機嫌が悪い・・その理由は解った・・
だけど!・・何で僕までがニューヨークに付き合わされないと
いかんのだ!!?」
そう言ったのは、何故か一緒に空港にいる西条だった・・・
「説明をしてくれっ!! 説明を・・・!!」
面倒くさそうに・・・「・・・パイプが必要なワケ・・・!」
「パ、パイプ・・・?」 「アタシやタイガーは、隊長・・・
もといGメンの・・・・美智恵さん・・・・(ピクピク・・!)
とは、顔合わせた事もあるけど、だからってそんなに親しい間柄じゃーないワケ!・・・だから・・・」
「僕に橋渡しをやれと・・・?・・・でもそれなら唐巣神父や、令子ちゃ・・・」

ガバアアァッ!!   タイガーが西条の口を抑える。

「(い、今のエミさんに、その話題はタブーじゃけえノー!)」
「・・・・・・・・・・・(コクコク・・・)」

「・・今何か・・言ったワケ・・・・・!?」

「いー、いやっ! 何も!!」 「言って無いですノー・・!」
「・・・・・・・とにかく、そういう事なワケ・・・!」
西条は少し気を取り直し 「・・じ、・・・事情は分かったが、僕にも仕事がある! そんな勝手な事言われても・・・!」

ちなみにエミはしばらく事務所を閉め、タイガーは休校する事になった。

「・・・・・・・・・・・」  ・・・ジト目のエミ・・・
「・・という事で、他をあたってくれ!・・じゃ僕はこれで・・・・!」

   ・・・そそくさと、立ち去ろうとする西条に・・・

「憎いアイツにかける『良く効く』呪い百通り・・・!」
「喜んでエスコートしようっ!!! パイプでも、橋渡しでも、
何でもこいだっ!!!」

    ・・・その『裏取引』を見たタイガー・・・・

      「・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・!」
ふとエミが何かに気付いた素振りをする。
「さて! そろそろ時間なワケ!・・・タイガー!おたくはちょっと土産物屋に行って、買い物して来るワケ!」
「エ、エミさん! も、もう時間が・・・!」
それを聞き、目をつり上げ 「・・・いいからこの紙に書いてあるモノとっとと買って来るワケッ!!!」
「はっ、はいっ!!」 蹴飛ばされて、泣く泣く土産物屋に行くタイガーを見ながら・・・「全く・・世話が焼けるワケ・・!」

     ・・・土産物屋に着いたタイガー・・・

ガサゴソ・・「あれ?・・(・・・何も書いとらん・・・?)」

「タイガー!」

突然の声に振り向くタイガー。

「い、一文字さん!!?」
「聞いたぜ、修行に行くんだって?」 突然の事に、タイガーは混乱している。
「い、一文字さん・・何故ここにいるんジャー!?」
「(・・・?)」 少し後ずさって、「な、何故って小笠原さんが、お前がここに呼んでるって・・・」
「エ、エミさんが・・・?」
「・・・何だよ、来ちゃマズかったのか・・・?」
「・・・・・・!」 ブンブン首を振りながら 「(エミさん・・・・)」
「ま、とにかく修行がんばって来いよ。」
「・・・!!!」 激しく頷いて 「い、一文字さん・・・・・そろそろ時間なんじゃ・・・」
 それを聞いて 「そっか・・・じゃ気をつけてな!」
「ハイッ!!!」 タイガーは嬉しそうに、土産物屋を離れた。

     乗降口の近くにエミ(と西条)がいた・・・

「ウオオーーーンッ!!! エミさんっ!!! やはりエミさんは・・・・・!!!」 『ドカッ!!』 「遅いっっっ!!! いつまで土産買ってたワケッッッ!!? ・・グズグズしないでさっさと行くワケッッッ!!!」
     少し顔を赤くして、怒鳴り散らすエミ。
「いいワケ!!? おたくの精神感応力が、パワーアップしたら
真っ先にあの女に地獄見せにいくワケッッ!!! 気合い入れて修行するワケッッッ!!!」
コクコクと頷くタイガーは それでも何処か、嬉しそうに・・・
一方西条は、『完全に』 引いていた・・・。

    「さあ! とっとと出発するワケ!!」


 ・・・三人はニューヨーク行きの旅客機に乗り込んだ・・・


AS「今回やっと(少しだけ)タイガーむくわれた・・・かな・・・? 変わりばえしないけど 楽しんでくれたら嬉しいです。





今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa