ザ・グレート・展開予測ショー

最高神召還にあたり


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 2/ 1)

アシュタロスが起こした騒動の一環で妙神山の惨状はご存知の通りだろう。
「あ、あとは、頼む」
そういって、気を失っていく魔界側の戦士ジークの前に影が落ちる。
「大丈夫かな?」
「う、あ、老師、貴方ももう体が、」
天界、魔界からのエネルギー供給がなくなったのに、しっかりとしている奴がいた。
「ほほ、ワシはな、今は仏門に帰依しておるが、昔は現世の金剛石の石猿だったからな」
ご存知だろう、小竜姫の上司として赴任していたハヌマン、斉天大聖だ。
「で、では貴方の力で、今回の騒動を・・・」
安心して寝ておれと、ジーク以下、重傷者に言い渡す。
「さて、と何名か力のあるのを集めんとな」
そして、己の丹田に力を込め大気に適度の湿り気を呼吸で作る
「金斗雲!」
こいつに乗るのは久しぶりだと、耳に忍ばせておいた細い棒を適度の長さに変える。
「そうじゃのぉ、伝説の者を5名をさがさんとな」
懐から歴史書を出して今だ存在する神や悪鬼の類を検証して、
「まずは、那須じゃな」
金斗雲にかかれば、狭い日本など、わけもない、思い立ったらすぐそこにいる。
「こいつは毒々しいのぉ」
殺生石、今更説明はいるまい。だが、この時は狐曹洞の名僧 玄翁に封印されていた。
「おい、狐、狐」
『なんだい・・わらわの目覚めを起こすものは」
「石猿じゃ、ぬしにちと頼み事があるでな、力をあしてほしい」
「くくくっ、わらわがこの土地に来て幾日がたったか。じゃが此の侭では力は貸せぬ」
「封印か?」
「そうじゃ、人間にしては中々よ。それに」
「そうじゃな。主をそのままとはいかぬが娘の姿に変えて転生させようぞ?」
「本当か?」
「協力せい」
「約束をまもってもらうぞ」
「いいじゃろ、次は大手町じゃ」
今度は比較的大きな雲を作り狐と猿が大都会東京の中心地、大手町に向かう。
様様な省庁、大会社のビルが立ち並ぶ中、忘れ去られたような空間があるのだ。
俗に将門塚とよばれる小さな神社だ。sこに二人が降りてくる。
「狐殿知り合いか?」
「いや、入れ違いだね、名前なら知ってるよ」
「そっか、おーい、将門、将門」
『だれじゃ!』
「ワシの名は斉天大聖、こちらは珠喪御膳じゃ」
「何用、といってもこの状況で俺の力が必要なのだな」
「そうじゃよ」
「忘れたか?俺はこの国をのっとるつもりだったのだぞ?」
「いくらお主とて、土地が無くなったら元も子もないじゃろ」
「・・・くやしいがその通りだよかろう、ここを基地に使うが良い」
「うむ、あと二人ほど連れてくる。そうじゃな。珠喪をおいていこうかな?」
「ほぉ、絶世の美女だな。おまえ案外話しわかるな」
「そうか?狐殿もよろしいかな?」
「こっちの方が品あるね。悪くないわ」
無事に話がまとまり斉天大聖は和歌山は高野山に向かう。
寺院の立ち並ぶ山の奥、その又奥に霊廟という建物がある。人間一人いる。
そこへ、斉天大聖は着地して、丁寧に挨拶をする、
「精が出るな、伊那殿、空海殿はご健在か?」
伊那とは、仏教用語で食事を司る者を言うが、密宗真言では空海の世話係を受け持つ。
「貴方様は、斉天大聖様でございますな。主から聞いております、どうぞ」
奥の院という所に空海そのものが息づいているのだ。
「ひさしいな。お主とは唐土で一度あったな」
「その節は、いや、説明ご不要、すでに八卦で解っておれます」
「そうか、今将門公の庭先を借りておる、いってくれるかな?」
「はい、お先に」
「伊那殿、ご主人をお借りするぞ」
そして、吉野ヶ里遺跡から少し離れた小山に向かって雲を使う、
「おーい、ヤマトの女王殿」
「なんじゃ?わらわを呼び起こすものは何物じゃ?」
「ワシは斉天大聖、力をかしてほしいのじゃ」
「なぜじゃ?」
「きまっとる、この国、存亡の危機じゃ」
「それは須々木荒野(関東地方の昔の呼び名)の事、古来よりの土地は問題なかろうて」
「しかし、おぬしらの知り合いが戦かっとるようじゃが?」
「あの、女子達か!では力をかそう、なに?平家塚とな、まぁ行けば解ろう」
しかし、今の東京で目的地だけしかわからなくて無事たどり着くのだろうか?
案の定少々迷ったあげく、派出所の道案内ロボットに聞く羽目になったとか。
真言僧に断りを入れてから、最後は九州は大宰府に雲を飛ばす。
受験シーズンでいそがしいのに、とぼやく菅原道真も事の重大さは解っているので、
「ちゃっちゃと済ませましょう」
と、斉天大聖の雲に便乗する。五名が東京の大手町にそろう。
「上空から見たが、アシュタロスは理性がなくなったようだな」
「霊能力者は東京湾のうみほたるに集まっております?」
だが、平将門以外、東京の変遷について詳しい者はあまりいない。
つまり昔の江戸湾にある人工の島にあつまっているというのだ。
「じゃぁ、気づかれぬように我らも六星結界を近くにはろうかな?」
おのおのの力で木更津まで赴き、円形の内に正五角形の形になるように皆陣取る。
そして、おのおのが身につけた言葉、
孫悟空は大蔵教、白面金毛九尾は印度国の傾城魔言、将門は呪法、
空海は真言、卑弥呼は鬼道法 菅原道真は八百万のあまたなる言葉。
それらが、すべて合わさった時、雷が落ちたのであった。

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