ザ・グレート・展開予測ショー

コンクリートジャングルの虎(5)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 2/ 1)

「横島さんっ! しっかりして下さいっ、横島さん!」
「先生ーーっ! 死んではダメでござるーーーーっ!」
リンチにされた上、吊るされ 更にカラスに襲われてしまい
『いつもより少しだけ』ボロボロの横島。 おキヌとシロは懸命にヒーリングをかけている。
それを横目に、「だーいじょうぶよ、こいつがそれぐらいで死ぬ訳無いじゃない。」 「そーそー」 責任を感じてる様子も無く気楽にしている美神とエミだった・・・・・・

ーコンクリートジャングルの虎(5)ー

「・・・・・」ヒーリングを使うおキヌを『ジッ』と見るエミ
「・・・?」 視線に気付いたおキヌ。 「どうしたんですか?エミさん?」 「おたく・・・超一流のネクロマンサーよね?」
それを聞いて 「い、いえ、別に超一流って訳じゃあ・・・!」
エミはおキヌの返事をよそに・・・(・・・ヒーリングも使える強力なネクロマンサー・・・おまけにこの女の下でも働き続けるタフさと根性・・・) 「?・・・あのぉ・・・エミさん・・・?」
(そして何より、あの家事能力の高さ・・・・) エミはおキヌに向き直り 「あんた・・・ウチに来る気は無いワケ?」・・・一瞬何を言われたのか、分からなかったおキヌ・・・「?・・・・・ええぇっ!!?」 予想もしなかった言葉に取り乱すおキヌ・・・。「そんな驚く事無いワケ。 優秀なアシスタントの引き抜きなんて、日常茶飯事なワケ。何よりこんな女の下で働くより百万倍マシなワケ。」 おキヌは困った顔で 「・・え、えぇと・・・」 バンッッッ!!! 机を叩き 「エミッ!! 黙って聞いてりゃー勝手な事言ってんじゃナイわよっ!! 言っとっけど何十億出されてもおキヌちゃんは譲る気無いわよっっっ!!」 ・・・静まり返る部屋・・ 「・・・美神さん・・・」 感激で涙ぐむおキヌ・・・美神は我に返ると、真っ赤になってソッポを向いた。
「・・フン! 類を見ない守銭奴にそこまで言われちゃあ、引き下がるしか無いワケ・・・!・・・・・・それにしてもそいつの時とはエライ違いなワケ・・・」 それを聞いて 「あっ、いけないっ!・・・ヒーリング・・・・・・キャーーーッ!ま、また血が・・・!」

一方無関心なタマモは本を読んでいる。「・・・・・・・・」

そしてタイガーは・・・あの巨体で吊るされていた上に、カラスがたかったせいでロープがボロボロだった為に シロが力ずくで
引き上げる訳にもいかず、下にマットを敷いて カラスの事は
人工幽霊壱号に任せた。   (・・・・・・・・・)

「さーてと・・・そろそろ用件を白状しなさいよ、手短にね。」
まるで犯罪者相手に 尋問するような口調の美神。
「・・・(ピクピク)き、今日はおたくに・・・その・・・」
エミにしては(本当に)珍しく歯切れが悪い。 「??何もったいつけてんのよ?」  少しキョトンとする美神。 「・・・し、紹介して欲しいワケ・・・・!」  言葉を絞り出すエミ。 「・・・紹介・・・? 誰を?」  「・・・・・・・・」  エミは一度考え込むようにして 口を開いた。 「テレパシー能力を持ってるらしい・・・おたくの父親を・・・紹介して欲しいワケ・・・・!」

「・・・いま何て言ったの・・・?」

少し(かなり?)ジレて、「だからっ!・・テレパシストのおたくの親父に会わせろって言ってるワケッ!!」
ゼーゼーと息を荒げているエミ・・・・を見ながら・・・・。
「なーんだ。そんな事でわざわざ・・・?」
「・・・・・・・」やや期待の眼差しのエミ。
「ダメ!!!に決まってるでしょ?(ニッコリ)」

    ・・・・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
「ああああっ・・・!」    うろたえるおキヌ。
「ま、また嫌な霊気が・・・ううぅぅ・・・!」
「みっ、美神さんっ、断るのは話聞いてからでも・・・・」
顔をしかめて。「仕方ないわねー・・・! 言っとくけど聞くだけだからね・・・!」
「・・・(ビキピキピキッ)・・・タイガーのテレパシー能力の特訓をサポートして欲しいワケ・・・!」
「タイガーさんの?」
「そう。・・・本来ならその女の身内に頼むなんてマッピラなワケ! でも全く面識も無い上に、『大した力も無い』<カチリ>・・・?・・・奴に頼むよりは、はるかにマシなワケ・・・!」
エミの真剣な顔を見て・・・
「・・・み、美神さん・・・そういう事なら・・・」
「・・・そうね・・・」 「イイじゃないっすか。美神さん。」
『・・・・・・・・・・・・・・・・!!?』
「よっ、よっ、横島さんっ!?」 「せ、先生っ・・・!?」
「美しい話じゃ〜ないっすか。美神さん。 弟子を思うエミさんの優しさ・・・! オレは感動しましたよ・・・!」
(・・・・・・・・・・・・)  冷えびえとした目の美神
(フッフッフッ・・・タイガーのテレパシー能力がパワーアップすりゃー、美神さんに強力な暗示をかけてもらって・・・・・!)
<妄想>美神『ああ、横島君ごめんなさい・・・・!今までヒドイ事ばかりして・・・・! 貴方に許してもらえるなら何でもするから・・・・!』
横島『な、な、何してもO!K!なんすねーーーーっ!!!?』

「ええ!!!・・・・・・・K!O!よ・・・・・・・!!!」

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

「・・・・・横島さん・・」 「・・・先生・・・・・・」
いつもの様に声に出してしまい、再び血の海に沈む横島・・・。
おキヌとシロも 今度はヒーリングをかけようとしない・・・。

「・・・で、どうなワケ・・・?」
「・・・やっぱりダメね・・・テレパシスト同士を会わせて、しかも力を使わせて・・・何かあってからじゃ遅いもの・・・」
「・・・・・・・・・」
「ま、ほとんど顔も合わせて無いとはいえ、やっぱ父親だからね・・・・」
「そう・・・そうね、わかったワケ! それじゃあそろそろ失礼するワケ」
ドアを開け、帰ろうとするエミ。
「・・・・・・・エミ!」   「・・・・・・・・?」
美神の声に立ち止まり振り向くエミ。
「・・・タイガーだけじゃダメだけど、タイガーの能力を制御する事が出来るあんたが一緒なら構わないわ・・・・・・今何処に居るかは西条さんが知ってるから・・・」
「・・・・・・・・・・サンキュ」
小声で礼を言いドアを出て 歩きながら、携帯を取り出すエミ。
トゥルルル・・・トゥルルル・・・トゥルルル・・ガチャッ・・
「はい、こちらGメン・・・」
「西条さんなワケ? 約束通り令子の許可はもらったワケ・・・
場所を教えて欲しいワケ・・・・」
外に出るエミ。   見送りに来たおキヌが首を傾げる。
「あの・・タイガーさんは・・」
その問いには答えずに、バイクに向かう。
「おキヌ殿ー。 拙者も『おみおくり』するでござるー!」
「・・・・・ふぅ・・・」
シロがはしゃぎ、タマモが今日四度目のため息をついて、それをおキヌが楽しそうに見ていると・・エミが戻って来た。
「あれ?エミさんそれ・・・ま、まさか・・・」
    「???」          「・・・」
青ざめるおキヌ・・・分からないシロと、もう慣れたタマモ。
エミはブーメランを振りかぶり、タイガーに向かって・・・投げつけた。
ビュンッ!!! ブーメランはタイガーに・・・は当たらすロープを切断した。・・・しかし・・・
        
         ドベシャアッッッ!!!!

ブーメランで横からロープが切断されたので、タイガーはマットでは無く地面に・・・
 「ああああ・・・・・・!」  『・・・・・・・・・・』
エミはタイガーに近づくと、「ほら!とっとと起きるワケッ!」
ゲシッ! 「・・・うう・・・ワ、ワシは・・・?・・・ハッ!エ、エミさんっ!!」
「さて、チャッチャと行くから準備するワケ!」
「じ、準備・・・? ど、どこへ行くんですカイノー・・?」

        「ニューヨーク・・・!」



AS「四作目です・・・。今回横島の妄想シーン・・難しかったですが、何とか書きました。 楽しんでくれたら、嬉しいです。






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