ザ・グレート・展開予測ショー

ありがとう(その11)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 1/31)

「え・・?」
と困惑した様子でおきぬ。
横島が何を言いたいのか分からないらしい。
横島は缶コーヒーを両手で包みながらおきぬの表情に不思議そうな顔をする。
さあああああ
と風が吹き花束を揺らす。
横島は歪んだガードレールに腰を掛けた。
「だって・・・・・私・・このコを助けたいって思ったのは自己満足の為で・・でもそんなのこっちの勝手な都合ででも・・勝手に助けたいって思ったのに助けきれなくて、最期には強制的に徐霊しちゃって・・こんなの駄目なんです。」
とおきぬ。
「・・本当はもっと他に手があったかも知れないのに・・・思いつけなくて美神さんや横島さんに頼って、弓さんに心配かけて・・・でも救えなくて・・でも救いたくて自分の自己満足みたいなもののために救われたくなんてないと思うけど、でも救いたくて」
おきぬはそれだけ言い終えると口を噤む。
「・・・・?」
と横島。
しばらく考えるようにうーんなどと唸っていたがやがて観念したようにわかんねーと呟いた。
「なんかよくわかんねーけど・・おきぬちゃん嫌なのか?」
と横島。
「・・・え?なにがですか?」
とおきぬ。
「だから、ここで徐霊したのが」
「そ・・それはないですけど」
とおきぬ。
確かに助けきれなかった事は後悔しているし悲しいだけど今ここで先ほどの徐霊をした事に関しては後悔してなかった。
「じゃあいいんじゃねーの。」
あっさりと横島。
「だってやれるだけやったんだしおきぬちゃんがどう思うなんてそのコもわかんないだろうし、第一通りがかりの霊にそこまでしてる事って普通ないって」
「・・・・」
「それにそーゆう自己満足とか難しい言葉はよくわかんねーけど実際おきぬちゃんは助け様としたこと俺は知ってるし美神さんも知ってるしそれが・・えーと自己満足とかそーゆうとこからきても全然いいんじゃねーの?俺はおきぬちゃんらしいって思うけどなあ」
「・・・・・」
「第一逃げなかっただろ?」
「逃げる?」
「そのコから逃げなかっただろ」
といって横島はへらっと笑う。
「おきぬちゃん優しいから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
救われたきがした
その言葉がこんな時だっていうのに嬉くて
嬉しくて嬉しくて嬉しくて言葉に出来ないくらい嬉しくて伝える術がわからないくらい嬉しくて・・・きがついたら涙が流れていた。
当然横島は自分が何か見当違いのことを言って悲しませたと思いあたふたとする。
ああっごめんなどと謝る声が聞こえる。
ふるふるとおきぬは首を横に振る。
「そうじゃないんです。」
とおきぬ。
「・・・・え?」
とこーなったら土下座しかないと思っていた横島の声。
「嬉しくて。嬉しくて涙が出たんです横島さんの言葉が嬉しかったんです。」
「嬉しい?」
と横島。
「はい」
とおきぬ。
自分がどれ位この人の言葉が嬉しいか伝えきれてないでもその自分の想いの十分の一でも伝えたい。
「いや・・・うーんならいいけど?んじゃ帰ろうか?美神さん多分おきぬちゃんの事すっげえ心配してるって」
と横島。
「はい!!」
と満面の笑顔でおきぬ。
帰ろうか?
という横島の言葉が嬉しかった。
帰る場所がある。
そばにいたいと思う人がいる。
いきたいと思う自分がいる。
死にたくないと思う自分がいる。
今日の事悲しくないといったら辛くないといったら嘘になる。
救えなかった。助けきれなかった。
・・とても悲しいし苦しい。
でも。それでも生きたいと思う。そして救われた自分がいる。
もっともっと知識を身に付けて経験をつみたいと思う。
そして・・それでもままならない事はあるだろうし苦しい事も悲しい事もあるだろう。
でも生きたい。
そして・・・・・・

「おきぬちゃん?」
と横島がガードレールから立ち上がりおきぬの方を見る
「横島さん・・・あのコ逢えてると思いますか?」
とおきぬ。
誰が・・誰と?と一瞬横島は思ったがすぐに理解しもちろんという。
「おきぬちゃんが送ったんだ。絶対逢ってる」
と妙に自信たっぷりに断言する横島。
「はい」
嬉しそうにおきぬ。
そして横島は再び前を向く
「横島さん」
そして出来る事ならばー
「ん?」
と振り返らずに横島。
出来る事ならばずっと傍に・・・
「あの私・・・・」
傍に居たいです。
そしてずうっとずうっと傍にいてこの人たちとたくさんたくさん思い出やいろんな事をつくってから・・
貴方に逢いたいです。
・・・・・・・・おかあさん
そうしたら多分いえると思うんです。
「横島さんがー」
ありがとうって。
おわり。

・・・変な終わり方(自爆)
・・・・・・・・おこんないでー石投げないで下さいっ(逃げ腰)

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