ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌの心(中)


投稿者名:フォルテッシモ
投稿日時:(01/ 1/31)

穴を通り一同が目にしたのは見渡す限りの荒れ地だった。
「ここのどこかにおキヌちゃんが…皆手分けして探そう」
そう言って皆ちらばっていった。
「おキヌちゃ−ん」
走りながらおキヌを呼ぶ横島。
しばらく走ると大きな岩に座っているおキヌを見つけた。だがおキヌはまだ横島には気付いていない。横島はおキヌに近づいて呼んでみた。
「おキヌちゃん」
おキヌは顔だけ声のするほうに向けた。しかし、それだけだった。
その頃他のメンバ−もおキヌを見つけたらしく近づいてきた。
「おキヌちゃん無事みたいね。それじゃ一緒に帰ろ」
美神がおキヌに手をさしのべた。が、おキヌから返ってきたのは意外な言葉だった
「嫌です」
いつものおキヌからは想像も出来ないような冷たい声だった。
「私はここに残ります」
「!?」
一瞬の沈黙。そして
「なっなにを言ってるのおキヌちゃん。早くここから出ないと二度と戻れなくなるかもしれないのよ」
美神は驚きを隠せない様子でそう言った。美神だけではない他の皆もおキヌの言葉に驚いた表情をしていた。
「わかっています。でも私はここに残ります。あなた方は帰って下さい」
おキヌは無表情でそう答えた。
いつものおキヌではない。皆そう感じていた。いつもは明るく元気なおキヌだが今は暗くとても冷たい。そんな感じだった。
「さあ、早くここから出ていってください」
「どうして…どうしてそんなことを言うんだおキヌちゃん」
横島は悲しそうな顔をしながら言った。
「あそこにもう私の居場所はないんです。」
「?」
横島はおキヌの言った意味をよく理解できなかった。
「ルシオラさんが死んでしまったとき悲しんでいる反面喜んでいる部分もあったんです。私も横島さんのこと好きだったから。だがらもしかしてって。でもやっぱり無理でした。横島さんの心は美神さんの方を向いてるみたいだし。そんなこと考えてたら私ってなんて嫌な女なんだろうって思えてきて…だから、だからもういいんです」
相変わらず声は冷たかったが表情は悲しみに満ちていた。
    つづく

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa