ザ・グレート・展開予測ショー

おもひで


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 1/30)

 時々思い出す。
 それは何よりも甘美な思い出であり、身を裂くよりつらい思い出であり。
 それは夕闇時に必ずと言っていいほど。
 それは今思う女(人)に対して、多少申し訳ないことであるが・・・。
 微笑みかけてくれた君と。
 ただひたすらに求めつづけた自分。
 失ったことは悲しいけれど、それより悲しいのは少しずつ消えていく思い出。
 ふと気付くと、お前の些細な仕草が思い出せない。
 それはまるでシャボン玉のような、はかない、だけれども何にも変えがたい物だって。
 わかってる。死は、転生は終わりじゃないって・・・。
 再びめぐり合うためのステップの1つだって。
 俺が死んで、転生をしたとき。今の記憶はほとんど失われているかもしれないけど。
 きっと判るだろう?君だって俺のことが。
 俺だって絶対忘れないさ。失ってはじめて判ることもある。
 はじめは悲しみで濁ってしまって、つぎの瞬間すばらしい輝きを放つ思い出。
 魂の奥底に刻まれたその輝かんばかりの思い出は何千回と転生を繰り返しても決して失われないと俺は信じているんだ。
 だから美神さんに出会った。魂の記憶は失われないんだ・・・。
 そして君ともう一度。いや、娘として一度、そしてもう一度愛する人としてめぐり合うだろう。
 正直、割り切るのに時間がかかっちまったよ。
 分かっていても思い出は確実に消えていくからさ。
 ハハハハ。笑ってくれよ。ばぁかってさ。お前には似合わないってさぁ・・・。
 笑ってくれよ。頼むよ・・・。

 

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