ザ・グレート・展開予測ショー

ありがとう(その11)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 1/30)

そして看板前ー。
おきぬは死霊使いの笛をもってそこに居た。
ふと空を見上げるともうそこは雲に覆われてない。
満天の星空と真っ白な満月が闇夜を優しく照らしていた。
ぴんと張った雨の後の清涼な空気が心地よい
病院を去ったあと
美神はあとは自分にできることはない。おきぬちゃんが決める事といって事務所に戻った
横島は居ないよりはまあいいだろうといってついてきている。
そしておきぬが笛を吹く。
悲しい。だが優しい旋律があたりに響き渡る。
そこに込められた思いはなんなのか?
謝罪・・感謝・・懺悔・・
死者に対する思いを旋律に変化させておきぬは音を紡ぐ。
横島はただそれを見ていた。
綺麗だと思った。
月明かりに照らされて鎮魂の曲を奏でるおきぬの姿を
おきぬがなんとかして救おうとしたこのコは苦しそうにウメイテイル。
まだこの世の未練を叶えられぬまま強制的に送られる事に反抗している。
だが、おきぬの死霊使いとしての能力は昨日今日、幽霊になったもののかなうものではない。
一つの曲を奏で終えるときにはもうその場所から消えていた。
ふう
と一つため息をつく。
「おきぬちゃん」
と横島がおつかれさまといって缶コーヒーをおきぬに渡す。
「あ・お金」
「いいよ別におごるって」
と横島。
「そんな貧乏な横島さんからおごってもらうなんて出来ません」
と握りこぶしで力説するおきぬ。
「確かに貧乏だけどなー今日はすきやき食ったし最近事務所で飯くってるから缶コーヒーくらいならなんとかなるって」
と言って苦笑する横島。
「そうですか?」
「そうです」
と得意満面の顔で横島。
「ありがとうございます」
といっておきぬは嬉しそうに笑った。
しばらく二人は無言でこくこくと缶コーヒ−を飲んでいたが
「・・助けれなかったな・・」
と言った。
顔は笑っているがその呟くような声は・・
「助けたかったなあ・・」
横島はなにも言わない。
「ちょっと重ねてたんです。小さい頃の私と・・こんな風に考えるのって・・だめかもしれないですけど・・もしかしたらこのコがおかあさんに逢えたら・・・・私も逢えたような気持ちにあれるかなあって思ったところがあって・・でも結局なにもできませんでしたね。・・やっぱし私だめなのかなあ」
どこか悲しげな口調。
「でもおきぬちゃんはなんとかしようと思ったんだろ?」
つづく
・・・次最終回です。
長かった・・ちゅうか自分おきぬちゃん書くのは無謀だったんだ(涙)
おきぬちゃんファンのみなさますいませんでした。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa