ザ・グレート・展開予測ショー

【リレー小説】『極楽大作戦・タダオの結婚前夜』(2)「誰!?」


投稿者名:ブタクリア
投稿日時:(01/ 1/29)

3人の知る横島より、大人になった横島と腕を組んで歩いている女、それを表情とは裏腹に、意外にも冷静に見ていたのはおキヌだった。
『待って下さい美神さん、あの女の人、どこかで……?』
『え?』
『ほら、あのマユの上の点と、輪っかでくくった長い髪は……』
『『乙姫/さん!?』』
2人がハモッたように、角はなく、下半身は人型だが、乙姫に間違いなさそうだ。
彼女は横島に会うだけで幸せになれるといわんばかりの満面の笑みを浮かべている。
『あの馬鹿、なんで新婦である私を差し置いて乙姫と歩いてんのよ!?』
『ちょ、ちょと待ってほしいですね〜!誰も横島さんの結婚相手が美神さんだとは言ってないですねー』
『えっ!?』
自分の早トチリに気づいた美神は、顔を真っ赤にした。
おキヌの表情は少し明るくなったが、2人ともすぐに戸惑いや不安といった表情に変わった。
『じゃあ、横島さんの結婚相手っていうのは………』
『乙姫っ!?』
『違いますねー』
『じゃあ誰なのよ!?もったいぶらずに教えなさいよっ!』
業を煮やした美神がヒャクメに詰め寄る。
あまりの気迫にヒャクメは慌てて言った。
『そ、それが私にもこの未来の横島さんの相手が誰なのか、数人の候補の中の一人ということしかわからないんです!』
2人は少し気が抜けた顔をした。
『もちろん、美神さんもおキヌちゃんも候補に入ってますけどね』
『じゃあ、乙姫さんは候補に入ってないんですね?』
『そうです』
とりあえず落ち着いた3人は、尾行を開始する。

『そうそう、後で知って驚かないように、2人の「今」の状況を簡単に教えときますねー』
ヒャクメはさっきから赤ん坊のように、自分の言葉に敏感な反応を示す2人が楽しくてたまらなかった。
『美神さんは、8年前に美神除霊事務所を休業』
『えぇぇっっっ!?』
あまりにも大声だったので、横島達に気づかれそうになったが、急いで距離をとったので、なんとか気づかれずにすんだ。
『……で、なんで休業したわけ?』
『そこまではわかりませんねー、。休業後は旅行したり、たまに除霊の依頼を受けたりして、自由気ままに暮らしてるみたいですねー』
『あの〜、事務所が休業したということは、私はどうなったんでしょうか?』
おキヌがおそるおそる聞く。
『おキヌちゃんは大学卒業後、六道女学院にシャーマニズム科の臨時講師として勤てますねー』
おおキヌは驚いたような、ほうけたような顔をした。
『あっ!横島さんが!』
2人が自分の「今」を聞いて色々と考えこんでいると、横島と乙姫の行動に変化があらわれた。
乙姫はなごり惜しそうに手を振り、ときどき振り返っては、更になごり惜しそうに手を振りながら、横島とは別方向に去っていった。
『とりあえず彼女はほうっておいて、横島さんを追いましょう』
3人の尾行は続く。

一方そのころ。
『あ〜〜、時給255円のときよりはマシだけど、やっぱ金キツイよな〜』3人が未来へ向かった数分後の横島である。
彼は「金がないのは首がないのと一緒やな〜〜」とかいいながら家へ続く道を歩いていた。
そこへ、誰かが声をかけてきた。
続く。


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