ザ・グレート・展開予測ショー

GSサスペンス劇場「知りすぎた男」(3)


投稿者名:PKO
投稿日時:(01/ 1/25)


CHAPTER3

その日、唐巣神父の教会は平和であった。神父は呑気に紅茶を飲んでいた。これから起こる惨劇も知らず・・・

静寂は突然破られた。

バン!
「唐巣神父助けて下さいいいい!」
「どっ、どうしたんだね横島君。今にも死にそうな顔をして。」
「このままだと俺は、俺は絶対に美神さんに殺されます!!」
「いやだから落ち着いて。」
ハー、ハー、ハー
横島はとりあえずいわれた通りに深呼吸をして落ち着かせた。
「で、どうしたんだね。」
「実は・・・」
横島は今までの経緯を話した。


「う〜ん・・にわかには信じ難いが・・・」
「本当ですよ!今だから現に・・・」

その時・・・

バラバラバラバラ

外からヘリの音が聞こえてきたのだ。
(ちなみにこの時、横島の頭には何故か映画『地獄の黙示録』の『ワルキューレの騎行』が流れていた)

『横島君!そこにいるのは分かっているのよ!!今出てくれば・・・』
命だけは助けてやるとでもいうのだろうか
『死体だけは残しといてあげるわ!』

「ああああああ」
「ほっ、本気みたいだね・・」

「神父!どうすれば・・」
「なんとかここを逃げ出すんだ、これを。美神君の携帯の番号だ。(ここでは美智恵の事である)彼女ならなんとかしてくれるはずだ。」
『あと5秒で出て来ないと撃つわよ!5!』
「けど、どうやってここから・・」
『4!』
その時だった。
残りの内の4つの文殊から『緊』『急』『脱』『出』の文字が浮き出たのである。
死に直面した時の火事場の馬鹿力と言うものであろうか。
『3!』
「やった!これで・・」
『2!』
「それでは神父!御無事で!」
『1!』
キィィィン!
なんとか横島はその場を脱出したのである。
『0!」
ズガーン!!

ミサイルは見事教会に炸裂した。
もちろん粉々である。
『あれ?手ごたえがない・・」

その中から何故か生きている神父は激怒して抗議した。
「美神君〜!!君って人は〜」
『あら神父、いましたの?ところで・・横島君からなにか聞きました?』

この時、神父は直感で嘘をついた。
「いや、なにも・・ただ殺されると・・・」
『よかった』
「え?」
『だって聞いていたら神父も殺さなくてはいけなかったんですもの』
・・・・本気だ
『横島君は?』
「今さっき文殊で逃げてったよ」

『そうですか・・それではまた。修理代は出しときますので』
「みっ、美神君どこへ?」
『狩りに』
そうして美神のヘリは去っていった。

「今度こそ駄目かもな・・・」
そして神父は憐れな子羊に対して静かに十字を切ったのだった・・・

続く

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa