ザ・グレート・展開予測ショー

満月の下で・・・


投稿者名:トシ
投稿日時:(01/ 1/24)

あの件から三日後

事務所内にはおキヌ・タマモ・シロ・美神の四人がいた

・・・1人たりない

あのスケベで馬鹿で・・・でもいつも明るくみんなを陰で支えてくれている人物・・・

横島がいない

「横島さん・・・今日も来ませんね・・・」

おキヌが心配そうな口調で書類を整理している美神に言う

「・・・・・・・・・」

美神は書類を束にしふうっと一息つく

「・・・・・そうね・・・あれは横島君にはかなりのショックだものね」

===三日前===

「ユリ子ちゃん!!」
横島達は動けなかった
ユリ子も身動き1つ取れなかった
斎藤が近寄ってくる
「・・・ユリ子ちゃん・・・僕が好きなんだろ?だったら一緒に行こうよ・・・」
そこら辺はユリ子にしか聞こえていなかっただろう
そして斎藤はユリ子の腹部に手を当て・・・
=========

「・・・・・・・・私、後で横島さんの家に行ってきます・・・」

その頃横島は

「・・・・・・・・・・・・」

自分の散らかっている部屋で何とか敷かれている布団の上に座り瞬きをせず何処かを見ていた

いや何処も見ていなかっただろう

「・・・・・・・・・横島さん・・・」

かすかに声が聞こえてくる

「横島さん!!」

今度はハッキリと聞こえた

「!!」

横島は目が生き返り振り向く

そこにはユリ子がいた

「ユリ子ちゃん!?」

「何落ちこんでるんですか?」

ユリ子は横島に笑みを浮かべる

「・・・・・・・・ユリ子ちゃん・・・」

横島の目から涙が落ちる

「泣かないでくださいよ・・・」
とユリ子

「横島さんは私を必死で守ってくれた・・・・・・・・・私はそれだけで十分ですよ」

そういうが

「でも俺は君を守りきれる事はできなかった・・・」

「いいえ・・・横島さんは私を守りきれる事ができましたよ」

「?」

横島はユリ子が何を言っているかわからなかった

だって今ユリ子ちゃんは生きていないじゃないか・・・

俺がしっかりしてなかったから・・・

死なせてしまったじゃないか・・・

「横島さん・・・何か勘違いしてますよ・・・」

「勘違い?」

「守るって言っても命を助ける事だけじゃないんですよ?」

そう言うとユリ子の姿が段々消えていく

「待ってくれ!!どういうことなんだ!!教えてくれ!!」

横島は叫ぶ

しかし

「ありがとう」

ユリ子はこう言い消えていった

「ユリ子ちゃん・・・」

ふと窓の外をみるともう真っ暗な夜空だった

そして夜空には美しい満月が光を放っていた

「・・・・・・・・・・・・・・」

横島は無言で立ち上がるとドアを開け階段を下りていった

「あれ?」

ちょうどその時おキヌが横島のアパートの付近まで着ていたところだった

横島が階段のちょっと先で上を見ていた

・・・満月を見ていた

何故月を見たかったのか横島にもわからなかった

だけど横島は考え事をしていた
ユリ子の最後に言った言葉・・・
「守るというのは命を助けることだけじゃない」
・・・わからない
「わからないよユリ子ちゃん・・・守るって本当はどういう意味なんだ?命を助ける以外に何かあるのか・・・?」
横島の目に涙が浮かぶ
そして頬をつたって地面に落ちる
地面の土がぬれていく・・・
「わか・・・らないよ・・・」
誰か俺に教えてほしい
・・・誰か俺に・・・
その時

「横島さん・・・」

という声が聞こえた

「おキヌちゃん?」

横島は月を見るのをやめおキヌの方を見る

「やっぱりユリ子ちゃんの事・・・」

おキヌはゆっくり横島に近づく

「おキヌちゃん・・・教えてくれ・・・人を守るってどういうことなんだろう?命を守る以外に何かあるのか?」

「・・・・・・・・・」

おキヌは微笑する

「横島さん・・・結果は大事です・・・・・・でもそれ以上に大切なのは気持ちですよ?」

「気持ち?」

「そうです・・・この人は絶対に守る、何があっても絶対に守る、という気持ちがあれば結果は守れなかってもその人は横島さんを恨んだりはしないですよ・・・」

「でも俺はユリ子ちゃんを守りたいという気持ちはあったぞ?命に代えても・・・」

「だから横島さんは悪くないんです・・・」

「!!」

「横島さんはユリ子ちゃんに嫌われてないと思いますよ・・・逆に感謝されてると思います・・・」

横島はおキヌのその言葉にユリ子が消える寸前「ありがとう」と言われたことを思い出した

「・・・・・・・・くっ・・・」

横島の目から次から次へと涙が落ちる

「横島さん・・・」

おキヌは横島の背中に手を回し

抱きしめた

「だから・・・横島さん・・・もう自分を憎むのはやめてください・・・・・・・・・・・横島さんは何も悪い事なんかしていないんです」

「・・・・・・・・・・・・・・・すまない、おキヌちゃん・・・」

泣いているためか声がかすれている

・・・そして横島もおキヌを抱きしめた

二人は抱き合った

美しい満月の下で・・・


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