ザ・グレート・展開予測ショー

過去独白(マーロウ、美神令子を語る)その7


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 1/24)

嬢ちゃんが一端のワルの格好になるまでにはそんなに時間はかからなかったぜ。
「みんな、はいっていいよ、ママ今日もいないみたいだし」
「ちーす」
「おじゃましやす」
餓鬼があんな化粧しても色艶ないし、安い香水使ってる所為か、鼻が壊れそうだったな。
「何かくわせてくださいよ、レーさん」
「あ、あたしピザ食べたいなぁ」
お、そこのは賛成だな。俺もあの食い物は大好きだ、アンチョビの入った奴を。
「あんたたちねぇそんなもんより、何かつくれないのか?」
嬢ちゃんは何か作るらしい。お前達ももうちょっと意見しろよ、っても取巻きじゃな。
「うっす、レーさんにしたがうっす」
ちえ、ご馳走食いそびれだい。
そうして、煮物と、オレンジジュースが出て来るって寸法だ。匂いも悪くないがな。
「さすがっすねー、レーさんは腕っ節だけじゃなくて」
「料理も出来れば、成績も優秀しかも、容姿端麗ときたもんだ」
「まるで、スケバンの鏡ですぜ」
「しかも霊能力ももってるときたら」
「おい、あたしの能力はあまり言わないでおくれよ」
普通霊能力は隠すんだがな、嬢ちゃんも自分から喋った訳じゃないだろうがよ。
あまり良くない事だな。噂が廻れば対処法だって考え付く奴もいるのだから。
「おっし、胡椒を混ぜてっと、出来あがり。みんな食ってくれ」
「いただきやーす」
「ところで、みんな、令子特製スペシャルドリンクがあるんだけど」
「おーいただきやす」
嬢ちゃん、それはママさんの大切な酒じゃないか、第一未青年が・・って聞く耳無しか。
みんなかっこ付けて飲むんだから、ヘロヘロになってやがる。味も知らないだろうに。
しょうがないから、御片づけは俺がするかな。せめて酒のぐらいは戻せよな。
まぁ日常さこんなこと、男が来ないのが不思議なぐらいだぜ。嬢ちゃん一等美人なのに。
「それにしても、よくあの連中をぶっとばしましたねぇ、レーさん」
「小学生にカツアゲしていた連中の事?あんな卑怯な事は許さないもの」
「くーぃ、それでこそアタイらのレーさんだ、男気万点!」
あの取巻き連中、顔は不味いが口は芸人並だな。
『PING・PONG』
おや、おきゃくさんだ。俺は玄関に向かう。嬢ちゃんも直ぐ後についてくる。
「はい、どちらさん?」
『・・・わたし、隣町の中学校から来たんですが。美神令子さんはいっらっしゃい・・』
妙にオドオドした女の子が来たんだ。
「あたしが、令子だよ、でなんだい?ラブレターなら御断り」
『いいえ、違います、あの、あるお人に頼まれました』
「はん・・・」
嬢ちゃん、受け取って一読するとすぐに、その場に破り捨てる。イラついてるな。
「あんた、よーく解ったっていっときな、ヒック!」
『あのー、ご理解、戴けたでしょうか?』
「とっと、消えろ!」
ひー、と、オドオドした配達人はきえちまった。一体なんなんだ?
「おいあんたたち!今日の夕方、張るからついといで。メンバーにも連絡しな」
「やほー、とうとう、あちらさんと決着付ける時がきたんですね」
遊びに来た奴らは、おのおの酒気を消しとると、一旦帰っていった。何か用意するとか。
嬢ちゃんも上でなにかゴソゴソやっていてな。夕日の時刻に出かけていったんだ。
「マーロウ、ちょっと出かけてくる、留守番よろしくな」
「ワン」
で、嬢ちゃんが出てった10分後に追い掛ける訳。え、追いつくのかって?
俺は犬だぜ、嬢ちゃんの匂いを嗅ぎ当てる事なんぞ、お茶の子サイサイだよ。
さて、近くに流れる川の土手にいったようだな。おい、ナンか飛んできたよ。
【ばっきゃろーー、 死ねクソンダラー 、くたばりやがれぇー】
すごい言葉だな。しかも全員女のようだな。争いかよ。嬢ちゃん達がからんでるのか。
俺達動物は発情期以外はそんなに争わねぇが、こうも人間てのは、暴れたがるな。
俺が、現場に気付かれないように、近くに行くとやっぱりそうだった。
青の制服と、赤の制服に分かれているな。武器を持ってるのもいっぱいいるな。
何故かわからねぇが、折り紙って奴を投げ飛ばしてるのもいた。訳がわからん。
お、さっきの取巻きじゃねぇか、嬢ちゃんに何か話しかけているぜ、
『レーさん、今は互角です、御願いしやす!』
「OK,まかせといて」
嬢ちゃんは一度輪の中から飛び出て、
「おい、お前達、正々堂々とあたし達に戦いを挑んだ事に免じて、軽傷ですましてやる」
嬢ちゃんは、簡単な呪詛を唱え始める、カゲヌイの法って奴だな。だが、
「きゃ!」
突然の悲鳴だ。俺も不覚だった。勝ち誇った向うさんの首領さんが、高らかに言い放つ。
「おっと、あんたらの手口、オカルトには調査済みさ。目には目をさ」
「なんですって・・きゃ、きゃー」
「レーさん、こりゃ、いったい、不気味な風が俺らを・・!!いてぇ」
不気味な風だって?こいつは、円陣風じゃねぇか!誰がこんな高度な技を!!
「な、なーに、もう一度呪詛の・・・イタ、イタ、おい、みんな一旦こっちに」
馬鹿!嬢ちゃん、戦略での集合は!!
「かかったね。 今よ!!風よ、奴らの廻りに集え!!」
『ぎゃあーーー』
当たり前だ、まとまった所で狩をするのは当然じゃないか!!
嬢ちゃん達にダメージの覚悟で霊吠の遠吠えをやろうとしたが、敵さんなかなかやるぜ。
霊力が封印されているじゃないか、なかなか用意周到だ。嬢ちゃんの呪詛も無効にな。
なんとかしないと、誰が能力者なのか、俺はそいつを探すが、見あたらねえんだ。
嬢ちゃん達が捕まった円陣風が段々と狭まってきたんだ。中の泣き声も風と共に去りぬ、なんて冗談ぶっこいてる場合じゃない、あのままじゃ怪我してヌードになっちまう。
その時だ。俺のいる反対側から奇妙な呪文が流れてきたんだ。
『主よ、愚かなる争いに終止を打つ手段を我に与え給え、神と子と聖霊の前にアーメン』
すべてが、無くなった瞬間だった。すごいGSがいたもんだ。そいつの腕に赤ん坊が。
『今の邪なる風はこの子のサイコキネスですね 喧嘩に子供を使うとは』
てぇと、敵さんがどっかに隠していた赤ん坊が風を起こしてたってえのか?
「す、すいませんでした。神父様、こんな事御願いしてしまって」
おや、嬢ちゃんに手紙を届けた女の子じゃいか。
「いえ、いいんですよ、良く話してくれました。あなたの妹さんなんですね。この子」
「はい。脅かされて・・」
「酷い事するのね。あんたたち、所詮はその程度ね、この美神令子は許さないわ」
助かったこちらさんが臨戦体制をとって、嬢ちゃんは再度カゲヌイの法をするが、
『はは、そこのお嬢さん。今私はこの場に霊力すべてを無効にする技を使いました』
のんきな事いいやがる。結局は肉体戦に持ちこめってことなんだな。
『ですが、赤ん坊を脅迫でつかう輩に負ける訳はありません、神のご加護を、アーメン』
そいつの一言が、ぎりぎりだが、嬢ちゃんの勝利に結びついたんだな。
ラストは嬢ちゃんのヨーヨーがきゃつらの眉間に命中してノックダウンさ。
気付いたらその神父は何処かへいっちまったが、配達人の女の子が、
「す、すいませんでした。美神さん、私・・その、脅かされてて」
「いいって、気にするな。でもその子ほっとくと危険じゃないのか?」
「はい、でもさっき神父様が技の封印をしてくれました、だから」
「そう、よかったわ・・・・・・おい、お前達、帰るよ」
「あの、すいません・・美神さん・・・その・・」
御友達にしてくださいだと、当然嬢ちゃんは快くOKしたのさ。
今回ばっかりは俺も冷や汗を掻いたぜ。あの神父がいなかったら大変な事になってたな。だが、あいつとはすぐにある形で再開するんだ。
おっと、そうだ。最後にな、あの配達人の女の子はその後の高校受験で嬢ちゃんと
同じ高校を受けて無事に入れてな。ベタベタしすぎて一時はレズ疑惑なんか浮上してな。
名前は知らなねぇ。アンティーク集めが趣味で一度魔物にとりつかれッたって話しだ。 

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