ザ・グレート・展開予測ショー

過去独白(マーロウ美神親子を語る) その6


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 1/24)

「美神さん。近くでフリマで麻理、弓とで店だしてるんです。で一緒に出さないかって」
「おもしろそうね。行って来る、ガレージの私の古着があるわ。もう着れないだろうし」
「有難うございます!!」
小走りで俺のいる仮宿にオキヌ嬢ちゃんはやってきたんだ。嬉しそうな顔付きでな。
「あ、マーロウ、ちょっとごめんね。探し物があるんだ」
はてな、ここには捨てるに捨てられない物しかないが・・はん、フリマか、面白そうだ。
俺も暇だったんで御手伝いしてたらな、彼女懐かしいものを見つけたんだ。
「マーロウ、これ美神さんのよねぇ」
嬢ちゃんのセーラー服だな。とっといたんだね。
「はー、丈も胸廻りも私より大きいわねぇ、いいなぁ・・でもなんか変ねェ」
これ嬢ちゃんの中学生のときだぜ。落ちこむなよオキヌちゃん。スケバンしてたからな。
丁度だ。折角だから御友達にも教えてやろうか、俺も散歩がてら歩こうじゃないか。
嬢ちゃんが中学に上がった時にはな。腕っ節はそこいらの連中よりもあったな。
ほら、今も教育現場って奴はあれているが、あん時はスケバンなんてーのが流行ってな。
何が面白いのか、嬢ちゃんもヨーヨー振りまわして喜んでんだ。だが目も付けられる。
前の男達を連れまわしてたから、上のスケバンに初日から目を付けられてたんだな、
「おい、あんたが、ワンちゃん連れて来るって奴か」
下校途中に柄の悪い女連中がな。呼び出しにきたんだよ。
「奴じゃないわ美神よ、美神令子、であんたは誰なのよ」
「あんたねぇ。目上の人に対する礼節ってモンを知らないの?」
そういって、嬢ちゃんの長い髪の毛をクシャと無造作に摘み上げてな、
「あんたねぇ、ここは学校なのよ、ペットショップじゃないのよ。わかる?」
「あいつが勝手についてくんだからしょうがねーじゃん、文句はあっちに言ってよ」
「犬にあったってわからねーだろうがよ」
「あんたみたいな馬鹿みたいなのも、そのぐらいは、解るんだ」
この雰囲気に他の生徒はビビって道をよけやがる、御節介なのが学校に戻ってな。
だが、柄の悪い連中はもぉやる気だったんだな。
「あんた、目障りなんだよ、ヤキよヤキ」
一等馬鹿そうなのが、ライターを手にしたんだ。髪の毛を焼く気かな。嬢ちゃん・・
「・・・そうやって自分より可愛い子を苛めてきてんのねあんた達こそ」
保護者の立場上、俺は止めるべきナンだろうがな。ほっておいた。
「天地に潜む悪霊よ、今我が声に賛同してこの馬鹿殿に取り付け!」
やっちまったよ、そこいらの無害霊が馬鹿殿達にとり付く訳だ。金縛りってやつよ。
「な、なんだよ、うごけねぇよ、どーなってんだ?」
力の無い人間なら慌てて当然だよな。サンドバック状態だよ。要領よく殴るわけさ。
「こら!お前達・・おまえた・・」
喧嘩の連絡を受けて急いでやってきた先生がいたんだ。熱血先生だよな。
「・・おまえ・・1年の」
「はぁい。美神令子でーす」
「そ、そうか、でお前喧嘩売られてったって・・・」
「すいません、やっちゃいました」
先生はボーゼンとしていたよ。その隙を付いてじゃしつれーしますと帰っちまったのさ。
夜、美智恵は電話中でな。申し訳御座いません、娘に聞かせますので、と電話を切った。
「令子、ちょっとー」
「なに?ママ」
「あんた今日放課後喧嘩したんだって」
「買ったのよ、売られたからさ」
「で、今学校から言われたわ、やりすぎよって」
「なんで、相手は私の髪の毛燃やそうとしたのよ」
「!そんな相手に勝つなんて・・あなた霊能つかったわね」
「当然じゃない」
「令子!なんてことするのよ!!」
-パン-
あの時、ママさんは初めて嬢ちゃんに手を出した。外に居た俺も驚いたよ。
急いで居間を見に行ったが嬢ちゃんも信じられないってツラしたいたよ。
「いいこと。令子、私達はね、先祖伝来から力を持っているの」
ママさんも泣きながらの御小言だ。その所為だろう、この先は俺が要約しよう。
 自分の身を守るためなら、まだしも喧嘩の道具に使うとはどういう事だ、
 しかもハンパな霊力しか持ってないのだから、最悪は変なのを召喚するかも
 まだ能力そのものも扱いきれてないのにどういう了見だ、頭冷やしなさい・・・
三十分以上もママさんは体を振るわせて嬢ちゃんに向かっていったんだ。
そして、一口水を飲んでもぉいいわ。と言って泣き崩れたんだ。
「ママのばかぁ・・」
嬢ちゃんはそういって自室に入っていったんだ。俺はどうする?犬の身を恨むよ。
最初に思いついたは、ママさんに毛布を持ってくることだった。
「ワン」
「あ、有難う。マーロウ・・御願い令子の所にいって」
了解。ママさん。
---コンコン---
何の返事も無かったが、俺は器用に嬢ちゃんのドアノブに足をかけて、入る。
「ママなら出てって・・・あぁ、マーロウ」
「ワン、ワン・・・」
「うん。ママの言う事もわかるんだけど、私は・・」
「ワン」
「特別、そんなんじゃないわよ。令子は。パパとママだけよ」
「ク―ン」
「ねぇ、私って愛されてこの世に生を受けたのかな」
「・・・ワン、ワン」
それには間違いないよ。嬢ちゃん。
「本当に?」
ワン。
「そう、御願い一人にしてくれる?」
涙ぐしゃぐしゃの顔なんだけど、すっげぇ人間で言う色っぽい顔だったんだ。
昔ならなんやかんやと、俺にさわりたがる嬢ちゃんも今回は俺に触れなかったな。
俺は再度居間に戻ってママさんのとこに戻る。きつーい酒を呑んでいたよ。
「あぁ、マーロウ、ご苦労さん。どうだった、令子は」
「ワン、ワン」
「そぉ・・やっぱ、無理あるのかなーちょっと無理ある母子家庭って」
解らないな俺には。
「マーロウ、貴方いままでずっと令子についてくれたわね」
「ク―ン」
「今度は令子から離れてくれる?」
なんだって・・!!そいつは危なくないか?ママさんも言っただろ?危ないって。
「でもね、このままじゃあの子も化けないは。西条君に教えてもらってたのに」
解った。俺は小さくワンと吠えた。
俺は次の日から一緒に行くのを辞めたんだ。陰からそっとみていったんだ。
何日後にはスケバン連中のリーダーになっていたぜ。その気になって洋服も改造してな。
二つ名を持っていたぜ。・・・なんていうあだ名だったか忘れちまったがな。
だが、相手方グループにもちいとはわかってる奴がいたんだな。

おい、嬢ちゃん達。お客さんがきたぜ。まずは商売、商売、お客さんが引いたら
また教えてやるよ。ほら、一時中断だ。、いらっしゃいませ、当店へようこそ、だ。

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