ザ・グレート・展開予測ショー

プリンス・アンド・バタフライ+ペット 3と5/77


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 1/19)

天竜童子とパビリオプラス元ペット兼家臣の横島ご一行は、一路デジャブーランドを目指していた。
「いいかおまえら、さっき行ったことを忘れるなよ?」
横島は厄珍の店から出てすぐに、二人に人間の子供のように振舞えときつく言って聞かせていた。
「わかってまちゅ」
「何で余が人間の子供のふりなんぞせねばならんのだ!」
パビリオは納得したものの、天竜童子は納得しない。プライドが高い分だけ簡単には承知できないのだろう。
「じゃ、何だ、余は仏法の守護者にして四海の竜の王、竜神王の息子である、人間ども言うことを聞けとでも言うか?」
「当然じゃ!!」
腰に手を当て胸を張る尊大な態度の天竜童子。
「そんなもん誰もいんじやしねぇよ。かえって厄介ごとを増やすだけだ」
横島はそれを横目で見て、さめた声で言い返す。
「余のことを誰も知らぬというのか?」
「ま、せいぜい一部を除くGSぐらいだな、その威厳が通用するのは」
「ならば今回知らしめればよい!のうパビリオ」
「うん、そうでちゅね。・・・でもそんなことしたら小竜姫にお説教されまちゅよ」
「う、よ、余は小竜姫なんか怖くないぞ!」
小竜姫、といわれて過敏に反応する天竜童子。パビリオがそれを見て含み笑いをしている。
「とにかくだ。軽はずみな行動は慎め。そうすりゃ連れてってやるよ」
「んぐ、わかった。しかしどうでもいいが家臣のくせにその口の聞き方は何じゃ!」
「それはそうでちゅ!」
下から横島をにらみ上げる二人。
「あっそ、じゃあ勝手にいけ。入場券の買い方も知らんくせに」
「ならば金は要らんのだな!」
「うぐ・・・」

ただいま横島君の邪な心とプライドが格闘中・・・、・・・、・・・、・・・。チーン。

「すいません殿下。お供いたします」
「うむ、ついて参れ!!」
「最低でちゅ、ヨコシマ」
「金のためならプライドも捨てられるのだ・・・。美神さんみたいだな、こんな発言」

 「へくちっ」
ボルボのハンドルを握る令子がくしゃみをした。
「あれ美神さん、風邪ですか?」
「なんでもないわよ。誰か私の事噂してるわ・・・・・・む!横島ぁ、また私の悪口を言ったわね!」
「え、何で横島さんなんですか?」
助手席にすわる小竜姫が恐る恐る尋ねる。
「そんな気がするだけよ。あったら半殺しね」
ものすごい気迫の令子。それを見たシロはおキヌちゃんの後ろに隠れ、おキヌちゃんと小竜姫は改めて美神令子という女の恐ろしさをかみ締めていた。

「うっ」
横島の背中にものすごい寒気が走り抜ける。
「来る、あの女が来る・・・」
「どうした横島、具合が悪いのか?」
「美神さんが来るぞ」
「なんじゃと?」
「何も感じないでちゅよ?」
「来るんだよ、あの人はそういう人だ!!」
「そうか、しかし余はせっかくデジャブーランドに着いたのだから遊ぶぞ!」
そうである。彼らはついに大した苦労もせず、デジャブーランドに到着したのだった。
いまは小鳩と横島がデートしたときに昼食を取っていたピクニックエリアにいる。
「天ちゃん、あれ可愛いでちゅ!」
『コンニチハ・ぼく・マッキーキャット』
ネコガタロボット、マッキーキャットが、
「む、余の名は天竜童子じゃ!覚えておくがいい!」
「ペットにしてやるでちゅ!」
「ロボットにあんな事いうなんてやっぱまだガキだな・・・っておいおまえら!」
横島が目を離した隙に二人がかりでマッキーを連れ去ろうとしている。
「やめろ!」
「なぜじゃ!」
「私はこいつが気に入ったでちゅ。連れて帰りまちゅ」
「あのなぁ、こいつはここのアトラクション用のロボットなの、勝手に持って帰っちゃだめなんだよ!」
「いやじゃ!」
「連れてかえるでちゅ!!」
「わかった勝手にしろ」
といいながら文殊を取り出す横島。伝、の文字が浮かぶ。
「こいつで小竜姫に連絡するから」
「卑怯ぞ!横島!」
「やめるでちゅ!」
「じゃマッキーを置いていけ」
「わかった、仕方あるまい。小竜姫に連絡されたら元も子もない」
「わかったでちゅよ」
マッキーを開放する二人。そこに係員のにーちゃんが駆けつけてくる。
「あのすいません、マッキーにいたずらをするのはやまてくださいよ」
「あ、すいませんご迷惑を。こいつ等にもよく言い聞かせますんで」
よこしまは二人の頭に手を置いて、謝らせる。
「やめい横島!」
「放すでちゅ!」
「うるさい、ちゃんと謝れ。すいませんほんと」
「いえ、子供は元気が一番ですよ。でもほんと気をつけてくださいよ、それじゃ」
係員は言いたいことを言って立ち去っていく。
「しかしあんな子供二人がマッキーを担ぎ上げたなんてうそだよな。監視員のみ間違いだろう」

「たのむから、もうあんなことやらんでくれよ」
よこしまは二人を見下ろしながら言う。
「わかった。余も少し反省しておる。以後気をつけよう」
「ここで追い返されたらまた退屈な修行でちゅ。少しぐらいは我慢しまちゅ」
「よし、いい子だ。じゃあ今度はパレードでも見に行くか」
「パレード?大名行列のようなあれか!」
「大名行列って、ま、そうだけど」
「よし、いざ見に行かん!」
「いくでちゅ!」
「いいな、子供は気楽で・・・」

「ここにいるわ、絶対」
令子達もついにデジャブーランドへ。
「殿下ー、お願いですから変な事してないでくださいよ〜」
小竜姫が心配そうにつぶやく。
「多分横島さんが一緒にいますから大丈夫ですよ」
おキヌちゃんがおどおどしている小竜姫を励ます。
「ロナルド殿にまた会える!拙者感激でござる!」
一人場違いなほど浮かれるシロ。よほどうれしいのだろう、激しく尻尾を振っている。
「誰よシロ連れてくるっていったの」
「美神さんです」
「あ、そうだっけ。ほらシロ!浮かれてないでしっかり探すのよ!」
「わかっているでござるよ」
果たして美神ご一行はパビリオ達を捕まえることができるのか。

続く

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