ザ・グレート・展開予測ショー

告白。(終)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 1/13)

そして今美神の私室の前に居るわけだがー。
ここから足が一歩も動かない。
ノックをしようと手を動かそうと思っているが、手も動かない。
そこに立ち尽くしたままそこから一ミリたりとも動かないのが現状なのである。
視線だけは動かせるので腕時計に目をやると23時50分を指していた。
光は美神の私室にともっているだけであとの部屋や廊下などは全部真っ暗である。
そりゃそうだこんな時間に起きているのは美神くらいなもんだろう。
横島は深呼吸をしぺしんと軽く自分の頬をはたいた。
振られるとわかっててなんでこんなに部屋の中に入るのが怖いのだろう・・
大体美神に告白というが、どんな着飾った言葉を送っても、正直に自分の気持ちを打ち明けたとしても帰ってくるであろう言葉は多分ー
(丁稚の分際でなに言うかっ私に告白するなんて二億年早いわよってところか・・しかも思いっきり高笑いすんだろーなあ)
一字一句その表情までも容易に想像できる。
そんな風に一人苦笑していると
きいい
と音をたてて、目の前のドアが開いた。
そしてそのドアを開けた人物はもちろん
「なにずっとドアの前でつったてんのよ?」
美神令子その人である。
どくんっ
とその姿を視界に納めた瞬間心臓が一回転(?)した。
さっきの真紅のドレスのまま、まだ化粧もなにも落としてない。
ほおがほんのりと染まっているのとアルコールの臭いがするところから、いままでずっと飲んでいたんだろう。
「ま・ずっとそこじゃ寒いでしょ?入れば?」
と美神。
「美神さんがそーゆうのってなんか裏がありそうでこわいっすねー」
心臓がどくどくとうるさい
・・できるだけ自然な口調を心がけて横島。
「なんかいった?」
にっこりと美神
「・・・なんでもないっす」
そういうと横島は部屋の中に入った。
部屋の中はエアコンが効いてありかじかんだ手足がじわじわと温まるのが分かりああ・・そーいや外は寒かったんだなあとそんなことを思う。
美神は、部屋の中心にあるソファに座り横島にも座るように促す。
ソファの横には、ブランデーやワインの空瓶がごろごろと10本以上ころがっており自分と別れてからどれくらいのペースで飲んだのか少し心配になった。
そして、向かい合わせに座ったきり二人とも一言も言葉を交わさない。
美神はブランデーの入ったグラスを持っているだけで横島はらしくなくそわそわと落ち着かない様子で「あ・・」やら「う・・」やら言っている。
聞こえるのは壁時計の時を刻む音とからんというグラスの氷が溶ける音だけ
・・・
美神は思い切ったように手の中にあったブランデーをくいっと一気に飲み干すと・・
「んで、あんたはどうすんの」
といった。
「は・・はい?」
声が裏返るよこしま。
「だから、関さんとこで働くのかってきーてるのよ」
口調は穏やかだがどこか怒っているように感じるのは気のせいだろうか?
「いや・・・おれはここを辞めるつもりは・・ありませんよ」
と横島。
「・・・給料は上げないわよ?」
と美神。
「いいっすよ。別にーまあちょっとは期待してましたけど」
まだ半人前ですもんねーと頭をかきつつ横島。
美神が安心したようにそうよまだ半人前だもんねと言う。
「それにここにはおきぬちゃん・しろ・たまも・美神さんがいますし」
「なんで私が最期なのよ」
と苦笑しつつ美神。
多分・・美神が安心したようにわらったせいなのかもしれないー
それで横島の気がゆるんだんだろう・・
その言葉は横島の意識する所無くぽろりとこぼれた。
「そりゃもう俺が美神さんをすきだからでしょ?」
ーと。
次の瞬間自分が何を言ったか自覚した横島は耳まで真っ赤になる。
美神はいつもの冗談(?)だと思おうとしたが尋常ではない横島の様子に本気だと悟る。
あちゃあ
と横島は呟き手のひらで自分の顔を隠す。
そして横島は美神の拒絶の言葉をじっと待った。
おわり
つぎ答えに続きます(おい←いや・・ここでおわんなくて・・あう)

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