ザ・グレート・展開予測ショー

告白。(その8)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 1/12)

そして連れて来られた場所はー
いわずもがな美神徐霊事務所の前だったりする。
「さあっ」
と横島の腕をはずし嬉々として関。
なにが「さあ」なのやら・・・・
「・・・・・・なんなんですか」
とポケットに手を突っ込み横島。
確かに美神には、関との話が終わったら来るようにと言われているが何故関に引きずられてこなければいけないのだろうか?
「いや君は僕の勧誘を断ったろ?」
にこにこと関。
「はあ」
と事実なので頷く横島。
「だから、権利があると思ってね」
ぽんと両手を横島の肩に乗せ関。
「権利?」
「そう権利」
「なんのですか?」
と横島は話しながらも木枯らしの吹く12月の夜にやろー二人でしかも事務所の前で話していることに虚しさを感じていた。
しかもこの上も無く不毛な思いに気づかされた事も手伝って憂鬱度は最高である。
目の前の関は上機嫌だ。
この状況でなぜここまで機嫌が良いのか教えて欲しいくらいである。
「・・・・だよ」
と横島が埒も無い事を考えていたせいか、関の言葉を聞き逃す。
「あ・すんません。ちょっと聞いてなかったんでもう一回いいですか?」
と横島。
そう言うと関が極上の笑顔で(それだけで女性の5・6人は連れてこられそうな)
「君の令子への告白だよ」
と言った。

「・・・・・もう一回いいですか?」
と寒さを忘れポケットに突っ込んでいた手を外に出し頭を抑え横島。
「君の令子への告白だよ」
とご丁寧に一字一句同じ口調・言葉・笑顔で関。
「なんで俺が美神さんに・・告白すんですか」
と疲れたように横島。
「だって横島くんは、令子が好きだろう?」
「・・・・・そりゃ・・・まあ」
と不承不承認める横島。
「じゃあするだろ?」
と関・・。
「・・・・いやだから・・」
と横島。
「僕は本当にこの告白の結果を聞く権利はあると思うんだ」
とうって変わって真剣に関。
「君と仕事がしたかったんだ。本当に・・だからできる限りの条件も提示して僕自ら勧誘もしただけど、君は断ったんだ」
「・・・・」
「しかも君の今居る事務所労働条件はかなり悪いにも関わらずだよ」
「・・・関さんと別の意味で冗談みたいな条件ですもんね」
と苦笑しつつ横島。
確かになんでこんな所にこんな条件でいるのか・・・・
誰が聞いても自分を馬鹿だと思うだろう(事実自分でも馬鹿だと思っている)
「その理由を知っておきたいじゃないか」
と関。
「・・・・・だからわかんないんですって」
と横島。
「本当にそうかい?」
そうじゃないだろ?君は彼女を守りたいからここにいるんじゃないか
と付け加える。
「・・・・・・」
そうだろうか・・?
「まあ・・それだけじゃないだろうがね」
「え?」
「多分君にとってこの場所は大事なところだと思うよ」
「そうすね・・」
と事務所を見上げ横島。
多分この場所が自分の居場所なんだろう。
・・まあそれを認められているかどうかは別として・・・
「でも、まあ横島くんが令子に綺麗さっぱり振られてくれれば、僕としても失意の横島くんをもう一回勧誘できるし」
「・・・べつに振られるくらいでやめませんよ」
それだけでここで働いているわけじゃないと付け加える。
「そーかな?」
と関。
「そーですよ」
と横島。
「でもなあ、人間は感情の生き物だろう?」
「は?」
「だって、まあ意思や思いだけじゃ人間なにも出来ないが、その「想い」が無いと多分人間駄目だろう?」
「?」
と横島
尚も話を続ける関。
「ただ生きるためだけじゃなくて「何のために」生きたいかっていう意思や執着やそーゆう感情が無いと限界超えたり人とは違う日常に絶えるなんて出来ないとおもうけどなあ」
だから君がここに居たい理由の一個が無くなればもしかしたら僕の誘いに乗るかもだよ
と瞳に挑戦的な光を宿し関。
「んな事ないですよ」
むっと顔を顰め横島。
「ほんとうかなあ」
と胡散臭そうに関。
「んな事ほんとうにないですって」
「・・・・・でもなあ」
「・・・・そーゆうなら告白してきますよっ!っでその後木っ端微塵に振られてあんたの誘いもー一回断りますからねっ」
がしっと関の両腕を肩から離し横島はずかずかと事務所の中に入っていった。
「がんばってな」
とにこにこと関。
そしてー今に至る。
つづく
・・・・やっとここまできた
つぎ最終回です

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