ザ・グレート・展開予測ショー

GS的お遊びシリーズ第3回


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 1/10)

 今回のお題は雪合戦です。

 縦30メートル横10メートルのコート(公式雪合戦のコートはこれとは違うと思いますがそのつもりで見てね)。
 wを頂点に五つの障害壁、簡単に言えば弾除けが中心を軸に対照的に作られている。
 一面は銀色雪景色。都会にしては珍しいほどの積雪量。
 交通は麻痺、仕事も手に付かず、そんなときにおキヌちゃんがたまたま雪合戦をやろう、といったのが事のはじまりだった。

「メンバーは揃ったの?エミ?」
黒のウェアーに身を包んだ美神令子が腰に手を当て挑発的にエミを見る。
「そっちこそそんな弱小メンバーで太刀打ちしようなんて百年早いわけ!」
小笠原エミモ右手を腰に当て艶やかに髪をかきあげ、令子を見た。
「なんだかんだ行ってもそっちは事務所のメンバー集めただけなわけ!私なんかちゃんと一流の戦士をかき集めてきたわ!」
エミの後ろにはフードや帽子を深くかぶったりゴーグルをして顔を隠した四人のメンバーが居る。
「胡散臭いやつらだな」
横島がずいと一歩踏み出した。
「一人どう見てもタイガーだけどな。ほら右から二番目、そこの異様にでかい奴」
「人違いもはなはだしい、わッしはスノーそるじゃー一号!!」
「そ、そして私が二号!!」
これもまたどこかで見たような感じがする。居合が入りつつもテレが抜けないのはまだ甘い。
「ああ、魔理さん!!」
おキヌちゃんが哀れみを込めた声でその名前を看破する。
「何で魔理ちゃんが・・・まさか!!」
「な、何のことですかいのう?」
「別に渡したちデートなんか・・・」 
「・・・・タイガー、殺す!俺だってまだ満足に「人間の女」と付き合ったことなんてねぇのに」
「ああいうひがみ根性丸出しのが部下なんて令子も高が知れてるわけ」
「そっちこそ後の二人はどこの馬の骨かもわからない雑魚じゃないの!」
「わっはっはどこの馬の骨じゃと、馬鹿めこの顔を忘れたか!」
三番目の男が高笑いをあげながらがばぁとフードを剥ぎ取る。
「なんだカオスか」
「何だとはなんじゃ!このヨーロッパの魔お、ゲふんゲふん、スノーそるじゃー3号、貴様から受けた恥辱、決して忘れたわけではないぞ!!のうマリア」
「ノー・ソルジャー三号。ワタシ・ソルジャー4号!」
「いい年こいてよく恥ずかしくねぇな、カオスのおっさん」
「しみったれたバイト料に目がくらんだのが落ちよ。まったく」
「今月も生活が苦しいんじゃよ・・・」
「そうしみじみ言われても困るわよ」
「よろしかったらお食事食べに来てくださいね、カオスさん」
「うう、おキヌちゃんは誰にも優しいのう、美神令子と違って」
「確かに美神さんは・・・」
うんうん、と納得する一同。
「雪女すら凍らせる人だからがふぅ」
横島が口を開いた直後、令子の電光石火の肘打ちが横島のわき腹にめり込んだ。
「ぐはぁ、あばらが、あばらが・・・」
「大丈夫ですか横島さん」
おキヌちゃんがすかさず介抱する。
「横島先生大丈夫でござるか!・・・やっと台詞もらえたでござる」
「作者、私にも喋らせてよ」
「どこ見ていってるでござる?」
「知らないわよそんなの」
すまんタマモ、忘れておった。
「そのぐらい大した事ないでしょ横島君」
「うーんうーん」
「冷血女・・・」
冷静な突っ込みのエミ。さすがにたじろぐ令子。
「と、とにかく始めるわよ!!」
「無理矢理誤魔化そうとしても無駄なわけ」
「何ですって!!こうなったら、横島君、あれ出して!!」
「はいはい」
「って、やっぱり何ともなかったんじゃないの!!」
「おキヌちゃんのヒーリングが上手くなったんですよ。えっと、はいこれですね」
弾除けの影から取り出だしたるはハンドタイプのグレネードランチャーである。
「ちょ、何それ、聞いてないわけ!!」
「問答無用!!発射!!」
どぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱ!!!
引き金を引いた瞬間、銃口からはグレネード弾ではなく代わりに大量の雪球が放出される!!
「どんどん弾作って!!」
「俺もかましちゃる、くらえタイガー!!」
「私たちは雪球作ってますね」
おキヌたちは後方に回ってせっせと玉を作り出した。それを専用カートリッチにつめていく。
どぱぱぱぱぱぁ!!
更に大量の雪球がエミ達を襲う!!
しかしそこに立ちはだかったのはタイガーだった。
「ぬおおお、そんなもん効かんのじゃー」
射線上に割り込むと、なんと仁王立ちでそれを受け止める。
「この間に隠れるわけ、カオス、金払ったんだから働いてよ!」
「このヨーロッパの魔王が本気を出すんじゃ、あんな弾へでもないわい。行け、マリア!!」
「イエス、ソルジャー三号!!」
ごぱぱぱぱぁぁぁ、ちゅどおおん!!
マリアは弾除けの一つに隠れるとそれに全身のジェット推進力を使った怒涛の勢いの体当たりをかける。すると程よく固まった弾除けは粉みじんになることなく、子供の頭大の塊となって令子達を襲った。
「横島君、盾になりなさいって!!」
「無駄ですよそんなの。うぁぁぁ」
「タマモ、どうにかするでござる」
「めんどくさいし、さむいからや。好きにすれば」
「逃げて、横島さぁぁん」
「逃げるなぁぁ!!」
タマモは鋭い勘でいち早く危険を察知し、すでにおキヌちゃんとともに10メートルほど退避している。
「だぁぁぁぁ!!」
「こんな無様な死にかた嫌でござるぅぅ!!」
「覚えてなさいよエミぃ!!!」
「勝ったわ!!令子に勝ったわけ!!!」
それぞれの叫びと同時に、怒涛の雪塊に飲み込まれていく令子達。
 かくして勝負は幕を閉じた・・・、かに思われたが。
「さてとどめを刺すわけ、更に埋めるのよタイガー!!」
「エミさん・・・」
「どうしたわけ、タイガー」
「魔理さんが呆れて行ってしまったので、わっしも帰ります。わっしも行きますけえのう、魔理さーん」
踵を返し、魔理を追うタイガー。
「ちょ、タイガー、待つわけ!!」
それを呼び止めようと振り返ったその時。
ぼっ、がしぃ!
エミの足首が雪の中から出てきた手によってつかまれる!
「なんなわけ?」
ぶばぁ!!
「エェェミィィ、まだ終わりじゃないわよ」
足首を掴んだまま令子の上半身が飛び出してくる。その手にはしっかりとグレネードランチャーが握られている。
「生きてたの??ほんっとしつこいわけ!!」
「仕返ししてやるわ、くらえ!!」
どぱぱぱぱばすばす!!!
「つめたぁぁぁい、こっちもやり返すわけ!!」
エミも何とか這い出してきた横島からグレネードを奪って反撃に出る!!
「いたたたた、この呪い屋がぁぁぁ!」
「何よ守銭奴!!」
飛び交う雪球と野次合戦!!
『こうなったらとことんやってやるわ(け)!!!』 
全身びしょ濡れになりながらも果敢にグレネードを構えた二人の叫びがハモる。
そして時は夕闇時になろうとも、凍える夜になろうとも、二人は周辺の雪がなくなるまで戦いつづけたのでした。

「甘さけでもどうぞ」
「すまんのうおキヌちゃん」
「うあ、あったまるぜ」
「しかしよくやるでござる、あの二人も」
「しかしあれだけいがみ合ってても何で仲良く見えるのだろうか・・・」
「さぁ、人間の考えることなんて理解できないわ」
「イエス、タマモさん」

「いい加減降参しなさいよ!!」
「そっちこそ降参するわけ!!!」
言葉を発したと同時にお互いの顔に雪球がヒットする!!
『絶対負けない(わけ)!!!!!』

チャンチャン。

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