ザ・グレート・展開予測ショー

宿敵(というか一方的に)14


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 1/ 2)

絶世の美女ー
と言ってもさしつかえないだろう。
翠色の瞳にすっと通った鼻梁透けるような白い肌、抜群のプロポーション。
文句の付け所のない絵に書いたように美しい存在であった。
ただ存在は人の気配がしなかっただけなのだ。
「まずいな」
ぼそりとだが焦ったように雪之丞。
衛藤はこんな声をだす雪之丞をはじめて聞いた。
「なにがです?」
と衛藤自然と声が硬くなる。
「おんなだ」
と衛藤はその言葉に一気に脱力しみりゃわかりますよという。
この場合女といっても、目の前の存在が女というどころか人間ですら無いという事は一目見た瞬間に分かっている。
雪之丞はこの存在が女の姿をしているといいたいのだろう。
女だったら攻撃するのが躊躇われるというやつだろうか?
と衛藤は考える。
そして雪之丞のまずいなという理由が次の瞬間動いた。
「ねーちゃん♪」
と声高らかに横島。
横島は嬉しげにだが物凄い速さで「それ」の腰に腕を回しがばっと抱きつく。
「・・・・・・横島さん・・人間だと思ってるんでしょうか?」
とおそるおそる衛藤は雪之丞に聞く。
「仮にも」GSとして超一流の腕を持っているという人間がまさか人間とそれ以外の存在をみまちがえると思えない。
いやそれ以前に、人間として間違っている気が・・・・
「・・・・・GSとしての常識より本能が勝ったってところだろう」
ふっとどこか悟ったように雪之丞
・・・・・・・・・・・・・・・なにかが違う気が・・・
「うっわああああ」
と衛藤がなにやら思考がはずれていきそうになった時横島の叫び声が耳に入った。
見ると横島はそれに抱き付き返されー
そしてそれはいつの間にか緑色の炎を纏い。
じゅううううううう
と香ばしい音を立てて横島全身を焼いていた。
「横島さんっ」
と破邪の護符を持って衛藤が援護しようとする。
「すんな」
と雪之丞。
「え」
と衛藤。
「これくらいならあいつ一人でなんとか出来るだろう」
雪之丞はその場から一歩も動かず自信に満ちた表情でそう言う。
「このやろー普通だっしゅで助けるぞっ鬼!」
と横島は右手に霊力をためながらそれでも馬鹿だのマザコンだのちびだの死語連発やろーだの戦闘フェチだの連呼する。
見上げた根性である。

口では雪之丞を罵倒しつつ横島は熱いというよりか痛いという感覚の中必死で右手に霊力を溜めていた。
ねーちゃんに抱き返されるのは嬉しいがこーゆう状況は遠慮したい。
・・・いやなにも考えず本能のまま抱きついた横島の自業自得なのだが。
じゅううと肉の焼ける音と香りが自分のものだと思うとなにやら悲しくなる。
横島は右手に自分の霊力が溜まったことが分かるとそれをー
その自分に抱きついているものにではなくその背後にある樹齢1000年ほどのものに
投げつけたー
その霊力の塊ーサイキックソ−サーは弧を描きがしいいいんと音をたてて樹に突き刺さる。
そして突き刺さったと同時に横島から「それ」が剥がれ落ちる。
「ふう・・・いってえ」
と一息つき横島。
「横島っ!」
と雪之丞顔を真っ赤にさせている。
「・・・・・」
じとっとした視線で雪之丞を見る衛藤。
「あーなんだよ」
と樹から視線を逸らさずに横島。
「だれがぴーでぴーじゃっ」
同じく視線をを樹から移さずに雪之丞。
「本当のことだろーが」
「どこがだー!」
「そうだったんですねえ・・・大丈夫なにが逢っても僕の雪之丞さんへの尊敬は失われませんから」
と少し考えた後うんうんと何度も頷き衛藤。
「よかったなー」
とじくじく痛む傷に顔をしかめながら横島。
その会話の間も樹から目を離さない。
横島のつけた傷は瞬く間に樹木から消えていく。
どーやらこの辺の地脈をエネルギー源にしているらしい。
「よくないわっ」
こんな真剣な状況なのにと思いつつ大声を張り上げる雪之丞であった。
つづくです

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