ザ・グレート・展開予測ショー

ウルトラマンカオス「3.おキヌのラヴィリンス(終)」


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(00/12/26)

ついにこの「おキヌの心のラヴィリンス」も感動の(?)真のクライマックスだ。
おキヌファンは心して読むよ―に!!
         

「・・・・というわけで、美神さんはそういうことを知らずにおキヌの心自体を倒してしまった。
 其れ故に、カオスの装置が失敗したまま、悪の心自体を取り入れた一方のおキヌがそこに存在しているんだよ。」

回想を終わらす忠夫は、びしりとキヌに指を向ける。
それと同時に悟っていた。
ドクターカオスの仮死装置が失敗し、おキヌの心をザンス王国のマントルの霊・マギー=ヌアンドールに移してしまったことを。
だが、其れと同時に共同していたものがいたとすると―――――

「其れはおキヌ。アンタ自体だよ。」
「あ・・・あたしが?」
「前世が神族だったんだろ?
 ウルトラの長老・ウルトラマンキングから聞いてきたんだ。
 地球にウルトラ長老の転生が存在していることを・・・・・・!!」

おキヌははじめ、どぎまぎしていた。
だが、再びおキヌの人格と変わって声が変わり始めた。

『そうだよ、確かにこいつの体には聖母マリアの波動を感じる。
 だが、そうはいかぬ。こやつ、六道家を殺せば聖母マリアとしての能力は消える・・・
 そして、マギー=ヌアンドール様をジュダ星人の配下とすれば、地球丸ごと手に入れたも同然―――』

「ただの八つ当たりじゃないのよっ!!」
と、美神は叫ぶ。
横島と結婚しているものの、一応は友人である冥子を殺させないとばかりに神通昆に霊力を送り込み、破邪の文字を浮かばせる。
でも・・・・おキヌちゃんの体は壊せない。
このことに気付くと、神通昆を下げ・・・忠夫の顔を見る。

「久々のアンタとの除霊よね・・・」
「そうっスね・・・・でも・・・・・・!」

忠夫は、文殊を取り出したかと思うと・・・・・すぐにしまった。
冷静に考えてのことだったが、美神が口をはさむ。

「何でしまうのよっ!」
「・・・・いや、今ここで除霊できません。これは、むしろマギー=ヌアンドールに近づいた影響・・・・
 今は、ウルトラマンカオスを助けてあのマテリアーサを倒すことが先決です。
 そのためにも、おキヌの新しい能力が必要だってこと・・・・さあ、行くんだ、おキヌちゃん。」

『くくくくく・・・・だが、この私を倒さんことには・・・・』

マギー=ヌアンドールが脅しをかけてくるが、忠夫の二枚目が効力を発した。
おキヌちゃんの心は、忠夫のことに惹かれていることには変わりはないのだから。
そして、冥子の首元からおキヌの手が離れる・・・・・・!!

「おキヌちゃん・・・・俺のこと・・・・好きなんだろ!?」
「え・・・・・・ッ!?」
『おのれ、これでも歯向かうかぁあぁっ!』
「・・・・あ、あの・・・」
「正直に言ってごらんよ。今なら、冥子も気絶してるしさ・・・。」
「で・・・でも・・・・・・!」
「心配いらない、『忘』の文殊の準備は出来てる。これで、所帯持ちは解消さ。その気になれば・・・そっちに戻ることも・・・」

おキヌは口にならない。
それだけでなく、スッと寄せられた忠夫のすっかりとたくましくなった横顔におキヌは見とれ、
茹蛸のように真っ赤になっていた。

「・・・じゃあ、俺から言わせてくれ・・・・、」
忠夫がそういいつぶやくと、すぅっと息を吸って次にあの言葉を発した
「・・・・・俺に・・俺に惚れろおおぉぉっっ・・・・・・・・・!!!」

ピキシッ!
美神の顔、そして冥子の顔に血管が浮かんだ。
そして、何を言ってんだとばかりの顔で忠夫のほうをジロリと見つめる。

「あ・・・あははは、冥子、お・起きてたのかぁっ。
 い、いやその、あのね・・・あっ、そうだそうだ、今度はおキヌちゃんの番だ。
 ここでなくても良い。俺の前でなくたっていい。 ほら、あっちへ降りて解決してから・・・」

忠夫が外を指差してパラシュートを渡す。
その言葉どおり、おキヌはパラシュートを開きながらカオスのほうをめがけて降りていく。
降りていきながら、おキヌがポロポロと涙を流していた・・・・・
素直にいえないことが悔しくて悔しくて仕方が無かった。

「横島さんのことが好き・・・大好き・・・」

そんなことをつぶやきながら降りていく・・・・・!
着地すると同時に叫んだ。エコーが入りながらも次のように。

「横島さん・・・横島さんが大好きーーーーっ!
 もう一度事務所に戻ってきて、戻ってきてぇー―――ッ!!」

これが響き渡ると同時、ついに奇跡が起きた。
流していた涙が・・・・・結晶化し始めた・・・いや、あれは・・・・・・

「精霊石っっ!!??」
「そう、物質化能力さ。それも、ありとあらゆる物を精霊石に変えうるほどの超霊能力・・・・・・!!」

すると、涙によって精製されたものが・・・・・・そう、150カラット並みの大きさに集結し、合成・・・・
ガングロタイマーの大きさに変わって、自動的にはめ込まれていった。
ギュギュギュギュギューーーン!!
ウルトラマンカオスに今までに無いほどの力がみなぎる。
みなぎりすぎて、もはや一斉に爆発しそうだ。

ウルトラマンカオスは、そのみなぎるばかりのパワーをプラナへ変換させる・・・!
バルカンボールの数百倍の圧縮力だ・・・・・・!!
だが、マリアとテレサを壊すことになると思うのだが・・・ためらわずにマテリアーサめがけて投げつけた。

カオスの推測は正しかった。
あまりの威力の前に、マリア・テレサ・元のUFOが壊れると判断して先に分離していったのだ。
だが、脳波を操っていると思われる洗脳部のアダムスキー型UFOの方向だけに向かって
光弾が
襲い掛かった。そして・・・・空間を突き破って押し込むや否や
どずごごぐぉどぉぐおーーーーん!
と、爆発音をあげる。

         ☆          ☆           ☆

「いやーはっはっは、マリアが戻ってくれてよかったよ。」
「サンキュー・ドクター・カオス」
「礼を言うほどのことじゃないわよ。」

UAK基地からはマリアやテレサを含む、普段の笑い声が聞こえるようになった。
洗脳されてはいたものの、カオスにとってはたいした物でなかったようだ。
それだけではない。
大槻教授の管理しているプラズマスパーク核融合装置が横島の文殊をパワーアップさせ、
最大で20文字も浮かばせて、文章形態で発動させることが出来るようになったのである。
そして「マリア・テレサ・洗脳以前の記憶に戻す」と念じたのだ。
でも、一方では冥子とおキヌの口喧嘩のような声も聞こえるが・・・

「いや〜〜〜!あたしの〜〜王子様が〜〜〜!」
「やっぱ、うちに戻ってきてほしいんです。」
「なーー、落ち着けよ。冥子ちゃんてばぁ。」
「でも〜〜〜。式神〜〜、出しちゃうから〜〜〜。」

だが、それでも横島はたじろぐこともなく冷静に話し掛ける。

「じゃあ聞くけど、冥子は俺のことどう思ってんだ?」
「あたしの〜〜、王子様〜〜〜。」
「・・・・・その程度か。」
「その程度?」

おキヌは聞き返す。
横島としては、ただの関係はいやだ。
どうせならば、とことん付き合ってくれる人が良い。
そのためには、「好き」と「興味」、この両者が満たしてないと自分としては
「好き」の部類に入らないと横島は言う。
考えてみればそうだ。
はじめは、美神に対して体に対する「興味」・・・・つまり性欲で事務所に入ったものの
気が付いたら美神さんのパワーアップに伴い、「この女なら好きになってもいいよなあ」
という感覚になっていた。おキヌちゃんもそうだ。
いわゆる愛着心というもので、冥子の場合はその「好き」の部類にまだ入ってなく、
単なる「性欲を満たしているだけ」のような気がしていたのだ。

そして、横島はある決断を下すとばかりに、別のように振舞い始めた。

「・・・・やっぱ、その程度のことじゃくっつく気になれねえな。」
「なんで〜〜〜?」
「冥子ちゃんには悪いけど、その肝心な意思が無い。
 おれは・・・・俺は、本心から「好き」だといってくれる人がいいんだ。
子供とかの言う無邪気な感覚の好きじゃなくて、大人としての『好き』てことさ。」

「じゃあ・・・」
おキヌの心が揺れ動く。
「(戻ってきてくれるんだ、横島さん・・・・・・!)」

誰もが振り向く・・・・・・そして、横島の次の言葉を待った。しかし・・・

「取敢えずはってことで、冥子とも普通の感覚でいたいし、
 しばらくは冥子んとこに居座ろうかなっ♪たんまり金もあるし」

ピキシッ!
その場全員が固まる。
さらに数分後、美神は忠夫の背後に立っていた。

「あら、何です、美神さん。」
「これでもう何人に『俺に惚れろ』って言ったかしらねえ・・・・・・!!」

美神のにこやかな顔からはとてつもない怒りのような霊気と悪寒を感じた。
このあと、忠夫が血みどろにされたことは言うまでも無い。
せっかく二枚目に決めたのにねえ。

「あ〜〜ん、あたしの王子様が〜〜〜」
ちゃんちゃんっ♪

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