ザ・グレート・展開予測ショー

GS的お遊びシリーズ第一回。


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(00/12/22)

 テーブルの上には黄色に緑のラインの入った工事現場用のヘルメットと、ピンク色の柄で鎚の部分に衝撃を吸収する為の蛇腹のついた、物を叩くとピコピコと音のするおもちゃのハンマーが二組置かれている。
 対峙するのは緊張を隠せない横島忠夫と、余裕たっぷりの美神令子嬢である。
 対峙する二人の間に立つのは巫女姿の氷室キヌであった。
「用意は・・・いいですか?」
声に応じてこくりと頷く二人。
 それを確認するキヌ。
 まるでそこは二人の為だけに用意された独特の空間。
 緊張感がひしひしと伝わってくる。
 二人の頭の中でありとあらゆる事態を想定したビジョンが浮かんでいるはずだ。
「では・・・始め!!」
キヌの合図と同時に二人の拳がまず耳の脇まで振り上げられた。
『じゃんけん』
固唾を飲むキヌ。
美神令子と横島忠夫の間では壮絶な読み合いが始まっていた。
『単純な横島君のことだから始めはパーかグー、チョキはないはず・・・』
『美神さんのことだから俺を単純なやつ扱いしてチョキ意外で来ると読むはずだ・・・』
『でもいくら単純といっても私の手を読むぐらいはしてくるはずねよね・・・』
『俺が手を読むぐらいは考えてるだろうな・・・なら裏の裏を書いて・・・』
『よし決めた!!』
『やはりこの手だ』
この間約0.5秒。
「ぽん!!!!」
裂ぱくの気合とともに振り下ろされる手。
勝敗は・・・・。
『・・・まさか・・・負けた?』
美神が愕然とした顔になる。
『しゃぁ、勝った!!!』
嬉々とした表情でハンマーを掴みに行く横島。
「もらったぁ!」
人として限界に近い反応速度でハンマーを振り上げ、振り下ろさんとする!!
「・・・減給・・・」
「そんなずるいぃ!?」
減給、その一言の瞬間、横島の体がぎしりと固まる。
「あ、手がすべったぁ」
その直後、美神はらしくない可愛らしさでヘルメットを掴むと・・・・。

ごがっ!

そのままおもむろに横島の側頭部を殴りつける!!!
「うそやぁ!!」
倒れこみながら涙を流す横島忠夫。
「横島君の分際であたしに勝とうなんて10年はやいのよ!!」
ヘルメットを振り切り、満足げな顔での賜る美神令子嬢。

ばたん。

横島が床に横たわる。
おキヌは刹那の間、状況判断に苦しんだが・・・。
「勝者、美神さん!!!」
美神の右こぶしを高々と掲げる。
「まてやおキヌちゃん!!」
側頭から血を流しながらも上半身を起こして、猛然と抗議する横島。
「何か文句あるの、横島君?」
「う、いやその、だってこのゲームって・・・」
「あれぇ、じゃんけんで勝っても負けても先に相手をダウンさせたら勝ちじゃないんですか?すいません私よく分からなくって・・・」
おキヌが困ったような顔をする。
「な・・・・」
愕然としてその場に再び崩れ落ちる横島。
「完全勝利よ!!」
満足げに勝利宣言をする美神。
「なんでやねん・・・・」
横島の突っ込みも彼女には届かなかった・・・。





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