ザ・グレート・展開予測ショー

マイ・ライフ・アズ・ア・ゴースト!!(その4)


投稿者名:ゴロンボー
投稿日時:(00/12/20)

すいません。゛天より他に知る者もなく゜の前の話が予想外に長くなったので、一緒にする予定だったんですが分けることにします。
それでは゛そして伝説へ…゜(大げさ)をどうぞ。


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あの二人組と良く判らない内に出会い、別れてから40年。
おキヌはそれまでと少し違う暮らしになっていた。あの二人の残した物のお陰で、『暇』
が少なくなっていた。特に、本があったのが良かった。自分には読めないところがあるからだ。おキヌはそういう部分を自力で解読しようとした。時間は、それこそ腐るほどある。
幽霊になって、初めて時の流れを早いと感じた。
 こんな調子だったからおキヌは気づかなかったが、おキヌがいる辺りの山にも、いつしか道路がしかれ、ホテルが建っていた。一軒だけだったが。

『ふう…』 
森の中で吐かれたそのため息は、何故か満足げだった。
それもそのはず、解読作業が一応の終了を見せたからだ。
『それにしてもいい話だったなあ…最後のここなんか特に-----』
誰に聞かせるでもなく、感想を漏らす。しかし、誰も聞いていないのを意識し直し、呟くのを止める。本は、おキヌの良き暇つぶしにはなったが、救いにはならなかったようだ。
『久しぶりに散歩でもしよっかな…』
 上空に達すると、これまで見たことの無いような大きい建物があった。ホテルである。
興味をそそられ、姿を消して忍び入ることにした。
 
 ホテルの側に来てまず驚いたのは、看板に訳の分からない文字があったことだった。
《゛WELCOME゛ってなんだろ…?》
しかしその謎はすぐに解けそうだった。すぐ横にちゃんと普通に書いてあって、どうやら同じ事を書いているのではないか、と思い至った。
《えっと…これと同じそうなのは…ようこそ、かな?》
後ろの方は良く判らなかったが、多分ここだけはあっているだろう。読み方は全く判らないが。
《こんなものがあったなんて…》
同じ様なのが中にもあるかも、と思って入ってみると、やはりあった。
《゛TAKE IT FREE゜かあ…ご自由にお取り下さい、って書いてあるけど…》
そのプラカードの下にはパンフレットなどが置いてあるが、どうせ幽霊の自分には取ることは出来ないので、諦めた。そんなことをしたら、大騒ぎだ。
《うーん…切るならご自由に、とお取り下さい、だけど…》
どうも判断がつかない。
《いっそのこと誰かに聞いて…うーん…》
これだけでは解りようがないので、知るには誰かに聞くのがいいだろう。しかし、自分は幽霊なので、ためらってしまう。
《優しそうな人に聞けば、大丈夫…かな?》
周りに人は居ない。
意を決して姿を現し、通りがかったホテルのボーイに話しかけてみた。
『あのお…』
「はい?」
答えて振り返ってみて、ボーイは何か違和感を覚えた。着ている物もそうだが、何か、…何かすごく気に掛かる。しかし、ちゃんと営業スマイルで答えた。
「何かご用件でも?」
『いや、用ってゆうか…その、これって、どこからが「ご自由に」でどこからが「お取り下さい」なんですか?』
…一瞬意味が分からなかったが、気を取り直して
「あ、ああ、これは」
言いかけたところで、少女に「読めないので、指さしてもらえます?」と言われ、それに従った。
「この゛テイクイット゜がお取り下さいで゛フリー゜がご自由に、ですね、この場合。」
『そうなんですか。ありがとうございました。』
「い、いえ…あの、ご用件はこれだけでしょうか?」
一応聞いてみる。
『はい。』
「では、これで…」
『ありがとうございましたぁっ!』
おキヌは深々と頭を下げた。

『声を掛けたのがいい人で良かったー!』
ホテル上空でおキヌは胸をなで下ろした。


一方、ボーイは角を曲がって、ようやく彼女に抱いていた違和感の正体に気づいた。
(あの子の周りに何か浮いてたよーな…)
呆れた鈍さだが、とにかく、振り返ってみてみる。
「いっ、いない…!?」
ここは袋小路になっていて、出て行くなら絶対に自分とすれ違うはず。しかし誰もいない。
ということは…
「ゆっ、幽霊!?」

後にこの話に尾ひれが付いて、この地方の有名な怪談になるのだが…それはまた、別の話。


to be continued.


今度こそ最終回に出来るかな?


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