ザ・グレート・展開予測ショー

バースデイ(7)


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(00/12/19)

 
螢はしばらく一階のフロアや廊下を探していたが見つからなかった。部屋の中も調べたかったが、その扉もしっかりと鍵がかかっている。通気口から入れないかと、通気口の入り口の金網を取ろうと思ったが、なかなか外れないので諦めた。
「でもこれだけの隙間があればルーなら入れそうね・・・」
そんな中で一階の非常口が開いているのを見つけた。
 ふと気になって覗いてみると非常口なら外に通じているはずなのに、その裏にもうひとつ部屋がある。
 四畳半程度の広さだろうか、他に出入り口らしきものは見当たらない。
「薄暗くてよくてよく見えないけど・・・」
肌に感じる空気の流れが確かにその先に通路があることを示している。
「懐中電灯、桐斗に持たせたまんまだったわ」
呟きながら壁や床を手探りで調べる。
 すると床の一部にわずかなズレを見つけた。さらによく探ると、それが地下収納庫の蓋のようなものと分かった。
 手探りで取っ手を引き出し蓋を持ち上げる。
 意外と軽く、簡単に自分の体が通るほど開いた。
「ルー、居るのぉーー?!」
下へ向かって呼びかけてみるが反応はない。
「行って見るしかないかな」
螢は少し考えた後、意を決して蓋を開ける。確かに地下に向けての梯子がある。
慎重に右足を梯子にかける。しっかりとしているようで、安心して下へと足を伸ばしていく。
「お待ちしておりましたよ、横島螢さん」
ふと、どこからともかく声が聞こえてくる。
ずずずぅ、バタム
「えっ!!」
螢は異変に気付き急いで梯子を上り入り口から顔を出すと、かなり闇に目が慣れたのか、非常口の扉が閉まるのがわかった。しかもご丁寧に閂までかけられる。
「何なの!!」
「12年間、待ったのですよ我々は。あなたが成長し、そしてここに来るのを」
機械的な声に軽は眉をひそめる。
「何の用??」
「・・・我々が求めるのはあなた自身・・・」
「この私のセクシーな体が目当てなのね!!」
「乳臭いガキの体なぞ興味はない!!」
「何ですって!!今すぐ出て来なさいよ!!全殺しよ、全殺し!!(ピーーーー・自主規制)やろう!!!」
「・・・・・」
「あんたなんか(ピーーーー・女の子が発してはいけないと思われる言葉)で(ピーーーーー・放送禁止用語)に決まってるわ!!この横島螢が天誅をくれてやるから正座して待ってなさい!!」
がたん。
叫んだ瞬間、梯子が消えた。
「だぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!絶対全殺しよォォォォォ!!!!!」
そのまま深遠の闇に消えていく螢であった。



   

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