ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・・?


投稿者名:hazuki
投稿日時:(00/12/13)

「腹立つ。」
とゆうこをみらみ付けながら横島。
「すっげえ腹立つ」
そしてゆうこから目を逸らさずにもう一度繰り返す。
横島はこれまでの人生の中で一番の憤りを感じていたのだ。
自分が好きな人間が自分には納得できない何かの為に死ぬかもしれないという事実が、それを平然と受け入れているゆうこが、そして穏やかに笑っているゆうこが、それで自分だけがこんなに衝撃を受けている事全てがとんでも無く腹立つ。
「ありがとお」
と再びゆうこ。
本当に嬉しそうだ。
「なんで礼いうんや?・・俺は怒ってんやで」
一瞬怒りを忘れ、不思議そうに横島。
「ん・・・・そうだね」
とそれでもにこにことゆうこ。
「・・・・?」
「うれしいなあ」
とゆうこ。
「なにが嬉しいんや?」
と不信げに横島。
「・うーん・・・うまくいえないけどね・・」
そんなもんかと横島がいうとゆうこはそんなもんよと笑った。
「・・でね私はねまだ死にたくないの」
「あたりまえやろ!」
「でもそれと同じくらいに、この「欠片」のーわたしの一部・・かな?それの願いを叶えてあげたいの・・うん多分これはもうひとつの「私」だから・・・この「欠片」の居場所・・「私」の居場所はここしかないの・・・分かる?」
自分の「こころ」を人差し指で指しながらゆうこ。
「わからへん」
とはっきりと横島。
「そうよねえ。」
うんうんと頷きながらゆうこ。
「だから忠夫に助けてもらおうと思って」
「助ける!」
と一もにも無く横島。
なにがだからなのかは置いといて自分が、ゆうこを助けきれるというのならば助ける。
「うん助けてもらう・・・あ・でもそのせいで忠夫死ぬかもよ?」
とゆうこ。暗にここで見捨てたいなら見捨ててもいいという事なのだが。
「かまわへん・・俺はぜってえ死なへんしゆうねえも助ける」
無闇やたらと自信たっぷりに横島。
いままでの経験上ゆうこは1000のことを10くらいにしか表現しないという事をよおく知っている。
そしてゆうこの「しぬかも」は「奇跡でもおきない限り死ぬ」と受け取っていいだろう。
でも・・絶対じゃないんや。
絶対じゃないのなら自分も死なないし、ゆうこも死なないとなぜか・・・なぜか分からないがそう横島は確信していた。
だから・・
「・・・・・だから・・大丈夫なんや」
自信満々の顔も態度もかわらない
だけど・・・・・・そう言葉にした時・本人の自覚のないままに涙が頬を伝っていた。
そっとゆうこが横島の涙をふく。
「・・・・うん。そおだね・・・忠夫・・そのまま大きくなってね。そんな博愛主義や正義をかかげる立派な人じゃなくてもいいから目的のためには他人を犠牲にすることも自分の命のためにプライドすてて卑屈な態度とるやつでも、ものすごく鈍感でだれかれに被害まきてらしてもいいから、・・それでも自分の中の大切なもののためなら命を捨てるんじゃなくて・・賭けれる人間のままでいてね」
とゆうこは穏やかな穏やかな声で言った。
つづく。
・・・・・・いやこんな人間いやですけど?

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