ザ・グレート・展開予測ショー

NERVOUS BREAKDOWN!!


投稿者名:ブタクリア
投稿日時:(00/12/ 9)

ギャリッ
ゴトン
外の喧騒が微かに聴こえるビルの階段に、ドアのカギを開ける音と、女のうめく様な声が響いた。
苦いコーヒーを飲み干した様な顔をした女は、部屋に入るなり、机にバッグの中身をぶちまけて、そこから薬の入ったビンを手に取る。
水も使わず2、3錠飲み込むと、幾分か楽になったのか、バックの中身を丁寧にしまった。
椅子に座り、机から別のバッグを取り出すと、様々な粉薬を取り出し、机の上のいくつもの紙の上に乗せていった。
ギャリッ
ゴトン
ガッ ガッ
ギャリッ
ゴトン
ガチャ
ドアのカギをしめる音がし、すぐにカギを開ける音がしてドアが無造作に開けられた。
『あら、おはよう。もう来てたの?今朝は早かったのね』
椅子に座った女は、力なく手を挙げて『おはよう』と弱々しく応えた。
『なによ、また胃痛?まったく、そんなんだからロクに男もできないのよ』
誰のせいだ、と言いたげな視線を送るが、気にもとめられなかった。
『って、なに? これ全部飲むの!? 薬っていうか、もう軽い朝食じゃない!』
そう言うとコートを脱ぎながら隣の部屋に入っていった。
(…………高い朝食だこと)
彼女の名は「デミタス・麻生」
ここ「天馬探偵事務所」の所長である。
元々身体が弱いのと、2年ほど前にICPOから半強制的に頼まれた「問題」のせいで胃痛、頭痛、欝病、下痢、吐き気、目眩、肩コリ、その他諸々の体調不良に悩んでいる。
麻生は目の前に積まれた「朝食」を見てため息をつく。
と、隣の部屋から声が聴こえてくる。
『あんた、また事務所に泊まったの!?』
『「ママ〜?」じゃないわよ! さっさと起きなさい!』
『って、クサッ!クサイわよあんた!風呂くらい入りなさいよ!』
隣の部屋から出てきた彼は、キッチンへ向かう。
『あ、紅茶入れるけど、あんたも飲む?』
『………どっちでも良です、勘九郎』
『オッケ〜』
麻生はもう一度ため息をつくと、「朝食」を片付けにかかった。

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