ザ・グレート・展開予測ショー

『息子の叛乱!』 第二話


投稿者名:Nor
投稿日時:(97/12/25)

#こんにちは。Norで御座います。
#この前は暖かい声援を頂き、誠に有り難うございます。『息子の叛乱!』の続き、いっ
てみよー、ということで。
#今回は、とあるキャラが意外な形で登場です。

#ああああっ、『大紛争!』の方が完全に留守になってる・・・。


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 前回までのあらすじ:
 横島・ルシオラの息子として生を享けた映。5歳にして高校生並の体型と凄まじい魔力
・霊力を手にし、叛乱を起こした彼の説得に横島らは失敗し、非常に人迷惑な親子ゲンカ
はとことんややこしくこんがらかってゆく。
 そんな中、映から刺客として放たれた魔麗隊三人娘。夫婦ゲンカを放り出してさっそく
コナをかけようとする横島にルシオラの強烈な一撃が加えらえた・・・。

 ルシオラは三人をあらためて見直した。なかなか過激なコスチュームだ。
「映・・・母さんは悲しいよ。こんなのが趣味だったなんて」
『違うっ! その衣装は、そいつらのシュミだっ! おれのシュミやないっ!』
「ああ・・・お前は父さんとは違うと思ったのに」
『違うんだぁぁぁぁぁっ!』
 そして、横島。
「うんうん。なかなか嬉しい格好じゃないか・・・おぶっ」
「ヨコシマも! 鼻血なんか出してんじゃあないっ!」
 (ルシオラは完全に地が出ていた。横島を「あんた」ではなく「ヨコシマ」と呼び始め
たのがその証拠だ。)
「いや、だから、そーゆーわけでは」
「じゃあ、どーゆー訳なのよっ!」
『シュミがどうのと言うのだったら、母ちゃんだってアシュ様の部下の時、結構過激なコ
スチュームだったやないかっ! 写真で見たぞっ!」
 ルシオラ、ふっ、と髪を掻き上げる。
「あの頃は、若すぎたのよ」
『写真の時からまったく成長していないクセにっ! どうせ、ぷろぽーしょんの貧弱さを
衣装で補おうとしたんだろっ!』
「また、また言ったわね・・・」
「だーっ! だから早まるなっ!」
 三人娘、あっけに取られている。
「ねえ・・・私たち、完全に無視されてるわ」
「・・・どうする?」
「戦うのよっ!」
 突如光弾が放たれ、横島達を襲う。爆発。煙が晴れると、血をだくだくと流す横島が立
っていた。
「ヨコシマ・・・庇ってくれたのね。嬉しいわ」
「なに言ってるんじゃっ! 背中をがっしりと掴んで、俺を無理矢理盾にしたんじゃろー
がっ!」
「あら、そうだったかしらっ? 少しは、目、醒めた?」
「くくく・・・くぉの、アマ・・・まあ、ともかく」
 三人娘に向き直る。
「あぶないだろーがっ! あたったらどーする!」
「・・・あたったんじゃないの」
 一人が進み出る。
「我こそは、ネオ・アシュ様配下魔麗隊隊員の1、ファースト!」
 もう一人。
「我はセカンド!」
 そして、最後。
「我はサード!」
 横島、無言。
「映・・・もう少しちゃんとした名前、考えてやれ・・・」
「そう思う? そう思うでしょ?」
 ファーストがぶわ、と泣き出した。
「あなたもそう思うでしょ? 私はネオ・アシュ様に最後まで忠誠を誓う覚悟だけど、こ
れだけは納得できないわっ!」
「ほら、映。こう言っとるぞ」
『・・・いいじゃないか』
「ひどすぎます、ひどすぎますわっ! ネオ・アシュ様っ!」
『そんなことより、仕事しろ、仕事っ!』
「そーよ、お姉様」
 セカンド・サードが進み出る。
「あなたがネオ・アシュ様の父親だからといって、手加減はしないわ! 覚悟はいい!」
「まてまてまて、君たちみたいにかわいいじょーちゃんと戦うのは俺のポリシーに」
「ヨコシマ!」
「あ、いや、だから・・・」

 その時だった。

『横島さーん!』
 聞き慣れた声。
「え?」
 彼らの上空に一機のヘリが浮かんでいる。機体の腹には『日本テレビ』の文字が。
「おキヌちゃん?」
 ドアから身を乗り出し、ぱたぱたと手を振っているのは紛れも無くおキヌだった。
「おキヌちゃんじゃないの! なぜ、ここに?」
 ルシオラも驚いている。
『横島さん! ルシオラさんもお久しぶりです!』
「何をやっているんだ?」
『えっとですね、マネージャーさんが急な仕事だとか言って・・・面白そうだから、中継
をやれとか言われちゃって・・・でも、横島さん達が居るなんて、驚きです! どうした
んですか?』
「あ、それは・・・」
「キャーッ!!!」
 ファーストの声に、横島たちは振り向いた。
「氷室キヌよ! キヌ様だわ! あの、歌って踊れる超実力派スーパーシンガー、この前
ドラマ『恋の言霊』で主演ヒロインとして女優デビュー、ついぞのCDアルバム『わたし
を信じて』が売り上げ500万枚を突破、そして遂に今月からのアニメ『心霊世紀カバン
ゲリオン』で初の声優を演じる、あの、あの、氷室キヌさまだわっ!」
「きゃー! ホントよっ! 必殺お祓い巫女様歌手の、おキヌさまよっ!」
「うそーっ! 信じられなーい! 私をお祓いくださってぇっ!!」
 横島たちはあっけにとられている。三人娘は空中に飛び上がり、おキヌの前に浮かんだ。
「キヌ様、氷室キヌさまですねっ!」
「あ、はい・・・」
「ファンなんです! 大ファンなんです! このファーストも、セカンドも、サードもっ!」
「あ、ありがとう・・・」
「キヌ様! サイン、お願いします!」
「キヌ様! 握手して下さい! 私、おキヌ様のファーストアルバム、『雪と出会い』か
らずぇんぶ持ってます!」
「キヌ様、私をお祓いくださいっ!」
「あ、あの、ええと」
 おキヌは困った表情を浮かべている。
「そうだわ! おキヌ様、あそこにいる方たちは」
 と横島たちを指さす。
「おキヌ様のご親友でいらっしゃいますか?」
「あ、はい」
 ファーストは、超逆天号の方にくるりと向き直った。
「ネオ・アシュ様・・・誠に申し訳有りませんが、只今を持って我ら魔麗隊、御暇させて
いただきとう御座います」
『お、おいっ!』
「我ら3名、ネオ・アシュ様のためならたとえ火の中水の中、御味方が我らのみになった
としても、命の続く限り、最後の時までネオ・アシュ様に御付き従いする覚悟で御座いま
した・・・が、これは例外なのです・・・。我らが心の糧、氷室キヌさまに弓引くことだ
けは、天地が裂けても、魔界が滅ぼうとも出来ませんっ!」
『おいおいおいおいっ!』
「さらばでございますっ!」
 そして、3人は再びおキヌの方に向き直った。
「おキヌ様!」
 おキヌはあっけにとられている。
「おキヌちゃん! どうする?」
 映像係がおキヌに声をかけた。
「あ、カメラさん・・・この人達を撮ってあげてください」
「オッケー! お、結構かわいいじゃんか!」
「あ、ええと。みなさん、今日は! 氷室キヌです! こちら、問題の地点の上空に来て
おります・・・ご覧の通り、事態はなかなか掴めませんが・・・彼女たちは、一体何者な
のでしょう?」
「おっキヌっさまぁぁぁぁっ!」

 超逆天号、艦内。
「・・・」
「おい」
「・・・はぃっ!?」
「確か、お前が上司だったな」
「あ、ははは・・・そのようですな」
「どーゆー教育をしとったんだ?」
「あ、まあ・・・人間界の風俗を良く憶え込ませねばと、テレビなるものを見せたりしま
したら・・・」
「お前クビッ!」
「そ、そんなぁっ!」
「クビクビクビ!」
「あああ、許して下さいなっ」
 そのとき。
「御待ち下さい!」
「ん?」
「この魔族ウメボシに、秘策が御座います」
「お、そーか?」
「その代わり・・・」
「?」
「お願いですッ! この名前、変えてくださいよッ!」
「・・・い、いいじゃないか」

 美神はそんなごたごたを艦橋から眺めていた。。ヒャクメから艦内電話。
「どうするんですか?」
「そおねえ」
「そおねえって・・・」
「まだ、本格的な行動には映ってないみたいだし、暫く放って起きましょう」
「え、ええかげんな・・・」
「ま、お金が入ればいいんだけど、なんかこれで決着付けてしまうのももったいないよう
な」
「み、美神さんっ!」
「じょーだん、じょーだん。次の手はあるわ。さて・・・」
「本当に、おねがいしますよ・・・(プツッ)」
「? ヒャクメ? どうしたの?」
 気配を感じ、美神は振り向いた。
「通信を、切らせて頂きました」
「? お前はっ!」
「ネオ・アシュ様配下、ウメボシと申すもの」
「ウ、ウメボシぃ? な、なによそれぇ! だははははは!」
「・・・名前のコトは気にせんで下さい・・・」
「ウ、ウメ、ウメボシ・・・ひゃ、ひゃははははっ!」
「止めてくれえっ!!」
「は、はひ、うめ、うめ、ぷぷぷぷ・・・ま、まあいいわ、で、その、ウメぶぼっ!」
「・・・」(泣いている)
「ああ、おさまった。で、そのウメボ・・・が何の用なの? 降伏?」
「これをご覧下さい」
 ウメボシは懐からノートパソコンを取り出し開いて見せた。
「こ、これはっ!」
 液晶には細かい数字が大量に写し出されている。
「7重の障壁内部に隠された裏帳簿・・・データ化するのはともかく、ネットと接続した
のが運の尽きでしたな・・・」
「な、なんてこと」
「こんなのもありますぞ」
 床に投げ出す。
「まさか!」
「隠密作業は私の十八番でしてな・・・金庫を破るなど造作も無いこと。過去10年の入
出帳・・・全部コピーをとらせて頂きました」
「な、何の目的でっ!」
「直ちに軍を連れ、おひきとりいただきたい」
「そんなことをしたら、料金が貰えないわっ!」
「ならば、私は税務署へ参ります。うーん、これだけの脱税、いったいどれほどの追徴金
が取られるんでしょうなぁ」
「う!」
「さあさあ、どうされます?」
「くぅ・・・!」


 再び、超逆天号。
「ウメボシは行ったか。よし、魔道ミサイルだっ! 目標、空母! 父ちゃんたちを狙え!」
『了解しました。装填数30、全弾発射!』

 場面変わって、横島たち。
「うお? どわーっ! 実の父を殺す気かっ!」
 ルシオラ、にやりとわらう。
「ふん、この程度で・・・必殺! 兵鬼召喚!」
 ぼむ、という煙と共に奇妙な形をしたロボットが現れる。
「行けっ! ヌエっ!(←名前らしい)」
 ヌエは背中からジェット噴射をし始めた。空中へ飛んで行く。

『駄目ですっ! 全弾撃墜されましたっ!』
「な、なんだってぇ〜!!」

「甘いわ・・・甘いわよ、映・・・魔道兵鬼でこの私に勝とうなんて」
「ル、ルシオラ・・・」
「兵鬼で私に勝とうなんて、2000年は早いワッ! はははははは!」
『ち、ちくしょお・・・』
「ルシオラ、もういいぞ」
「ふふふふ・・・この母の恐ろしさを見せてあげるわ・・・次の魔道兵鬼、行くわよ・・・」
「わーっ! もうやめろ! さっきから破片がこっちに!」
「ふふふふふふ」
「頼むぅっ!」

 超逆天号。
「なかなかやるな、母ちゃん・・・。次弾急げ! おい、サキイカ(←3人娘の上司)」
「はい?」
「確か、魔麗隊には補欠が居たな?」
「はい。フォースですな」
「使わないのか?」
「・・・少々問題が有りまして・・・はっ!」
 サキイカ、周りを見回す。
「フォース! どこだ!!」
 乗員の一人が答える。
「さっき、出て行きましたが」
「な、なんだってぇーっ!」
 映は不思議そうな顔をする。
「駄目なのか?」
「はぁ、何と言うか・・・あまり戦闘向きでは・・・」

 果たしてそのフォース、空中をふわふわと漂っていた。
「ああ、ええと・・・お散歩しようと外に出たのに・・・なんだかキナ臭いなあ・・・」
 その時、爆発が周囲で発生した。たてつづけにおこる閃光。轟音。
「キャー! なんなの? なんなの?」
 実は、彼女の居た地点は、ヌエが魔道ミサイルの第二陣を迎え撃った所だったのだ。
「きゃあっ!」
 爆発に吹き飛ばされ、彼女はバランスを崩した。真っ逆様に、落ちて行く。

 代わって、地上。
「なあ、もう充分だろ・・・」
「駄目よっ! 母の恐ろしさ、存分に味あわせてやるッ!」
「俺まで巻き込むなあっ!」
 そのとき。
『きゃああああああああっ!!』
「な、なんだなんだ?」
 横島、声のする方を見上げる。一人の少女が墜落してくる。思わず手を伸ばし・・・。
「きゃっ!」
「おっと」
 受け止めた。フォース、ぼうっと横島を見上げる。
「おい、おじょうちゃん、大丈夫か?」
「は、はい・・・」
 そこで、いきなりのルシオラの一撃。
「ぐはっ」
「ヨコシマ! なにやってんのよ! そいつを放しなさい!」
 フォースは床にフワリと降り立つ。
「な、なにすんじゃ・・・」
「まったく、あんたは!」
「今のは、助けただけだろー!? ・・・君、どうしたんだ? 一体」
「その姿見ればわかるでしょーが! 敵よ、そいつはっ!」
「ま、それはそうだが・・・」
 フォース、横島をじぃっと見つめている。そして、一言。
「おうじさま」
「は?」
「あなたこそ、私の探し求めていたおうじさまです!」
 フォース、いきなり横島に飛びつこうとする。ルシオラ、すかさず横島の首を掴み、自
分の方に引き寄せる。
「な、何んなのよ、あなたは! ヨコシマに何の用なのっ!」
「・・・あなた、この人の何なんですか?」
「何って・・・そ、そうよ。私はヨコシマの妻よっ!」
「・・・そう・・・そうよね・・・障壁があるからこそ、恋は美しく燃えるモノだわ・・・」
「ちょっと!」
「私、もうあなた様の元を離れません! 一生ついて行きます!」
「なんですって!」
「おうじさまは、渡さないっ!」

 超逆天号艦内。映とサキイカ。
「・・・」
「・・・」
「まあ、こういうやつでして・・・どうしましょうか」
「・・・お前、クビ」
「な、なしてですかぁっ!」


「おうじさま! おうじさま!」
「ヨコシマ! だから、あなたがしっかりしていれば!」
「どーしてそーなるんじゃっ!」


 フォースの登場に、ルシオラは一体どうするのか?
 無人艦隊を失い、責任問題になることを恐れる西条に下った新たな命令とは?
 ウメボシの策略に美神の反撃する術はあるのか?
 マッド・サイエンティストの血が再び蘇ったルシオラを横島は止めることができるのか?
 魔麗隊3人娘は結局このまま退場なのか?
 スーパーシンガー、おキヌは無事中継を行うことが出来るのか、あるいは歌ってくれるのか?
 そして、映の次なる戦法とは?
 混乱は混乱を呼び、無責任が無責任を産み出す・・・。
 次回、『地球の危機と独占欲』にゴー・ザ・ウェイ!(←意味不明)

#ここまで読んで頂いた皆様、誠に有り難うございます。『おまけ』の冗談から始まった
騒動がここまで発展するとは。これも、皆様のご声援あってのことで御座います。
#・・・それにしても、結構長くなりましたねぇ・・・取り敢えず、Chon様、こんなもん
でお許し頂けるでせうか(^^;)。
#次は、年内に書けるかなぁ。出来れば次回はもっとルシオラちゃん大活躍としたいです
ね。
#それはそうと。Norの設定の中では、ルシオラとおキヌは非常に仲の良い友人同士に
なってるハズだ、という考えがあります。友達であってほしい、という願望かも知れませ
んが。なんだか、気が合うような気がするのです。美神とルシオラはどーなんでしょーねー。
なんか相性悪そう。今週のサンデーでもルシオラ、メフィストとケンカしてるし・・・。
#というわけで、次回、また必ず書きます。時間が見つかった時に。いつになるか、分か
りませんが(^^;)。行き当たりばったりですが、必ず書くっす。はい。では。



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