ザ・グレート・展開予測ショー

息子の叛乱


投稿者名:Nor
投稿日時:(97/12/22)

#Norで御座います。
#ええと、思いついたもので。簡単に言えば、この前の「おまけ」の続きだったりします。
この先のコトは全く考えておりません。ノリで書いておりますが、お楽しみ頂ければ・・
・。


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 前回までのあらすじ
 敵味方として再開した横島・ルシオラとその息子A。本来はまだ5歳の筈なのに、急激
な成長の結果、既に高校生並の体型と並外れた霊力・知能を持って叛乱を起こしたAの前
に現れた両親。意外な展開に、Aは一体どうするというのか? 歴史は繰り返すのか? 
隊長となった美神にはどの様な作戦があるというのだろうか? 
#名前、Aのままだと何だか変ですな。なんでもいいんですけど・・・A(エイ)だから、
映とでもしときますか。可変です(^^;)。

 超逆天号の艦内で映はあっけにとられていた。
「いかがなさいました?」
「と、父ちゃんに母ちゃん・・・」
「は?」

 超逆天号の拡声器から叫び声が響いた。
『こらー!! おばはん! 何考えとんじゃ? おれの両親やないかっ!』
 空母から美神の声が響く。
『さあさあ、両親を攻撃できるのならしてみなさい! はははははは!』
『そ、そんなことが正義に許されると思っているのか〜!?』
『あたしは料金を貰って隊長をやっているだけよ。 お金の為なら手段は選ばないわっ!
あと、オバサンじゃない! おねーさんよ! 取り消せっ!』
『おれにそんな手が通用するとでも!』
 超逆天号の主砲が空母の方へ向く。
「わーっ!」
 横島が目を剥いた。
「やめろぉっ! 実の父になんてコトをっ! 戦うために来たといえば聞こえがいいが、
俺たちはお前の為に人質代わりに美神さんにここに無理やり連れてこられただけなんだ
ぞっ!」
 ルシオラもメガホン片手に叫ぶ。
「映! 未だ遅くないわっ! さっさと降伏なさいっ!」
「俺たちはお前をそんな風に育てた憶えはないぞっ! せかいせーふくなんぞ、美神さん
かだれかに任せておけばいいんだっ!」

 艦橋でこのやりとりを見守ってた美神はヒク、と眉を動かした。
「あとで、殺す」

 再び彼らのやりとり。
『映なんて名前で呼ぶなっ! おれは、ネオ・アシュタロス様だっ!』
「大体、成長が早すぎるんだ! 5歳なら5歳らしく、親の言うことに従っておればいい
んじゃっ!」
『何歳でもいいだろっ! 大体、母ちゃんだって3歳で結婚して、5歳でおれを産んだや
ないかっ!』
「うっ」
『だいたい、なに今更父親風吹かせとんじゃ! その実の息子を、3歳で妙神山に修業と
かいう名目で島流しにしたくせにっ』
「それはね、映」
 ルシオラが会話に割って入る。
「お前がとても優秀な素質をもった存在だったから・・・」
『いいや違う! 断じて違う! どうしょもなく跳ねっ返りで手に追えなかった息子を外
部に追放して叩き直そうとしたんだ!』
 横島がびくっ! と体を動かした。
「ど、どおしてそれを・・・じゃなくて違う、違うぞっ!」
「そう、そうよ! そうなのよ! 決して霊力養成学校で教師連中に大暴れして全員を病
院送りにしてしまったからとか、そんなことではなくてね・・・」
『やっぱそうなんやないかっ! 戦う! おれは断じて戦う!』
「だーっ! いい加減機嫌を直せっ!」
 ルシオラがハンカチを片手に、わざとらしくさめざめと泣き始める。
「ああ・・・前は私の誕生日には沖縄産の天然糖と六甲のおいしい水を用意してくれた優
しい子なのに・・・」
『母ちゃんは砂糖食は4年前からやめとるんやないかっ!』
「え、そ、そうだったかしらっ」
『これでも、食らえぃっ!』
「超逆天号からぽん、という音が響いた。野球ボールほどの大きさの石が、打ち出され・
・・。
「うがっ!」
 横島の頭にごーん、と直撃した。血がぷしー、と吹き出す。
「ちょっと、あんた、あんた?」
「そおか・・・ここまで、ここまでやるか・・・」
「映っ! お父さんはお前ほど頑丈じゃないのよっ! そりゃ、洗剤をかけた程度では死
んだりはしないけど」
「お、俺はゴキブリか・・・」
「とにかくっ! 早いトコお父さんに謝りなさいっ!」
『うるさいうるさいっ! お前なんか母ちゃんじゃないっ!』
 ルシオラ、再びさめざめと泣き始める。
「ああ、なんてこと。母さんが魔族の女だから、そんなことを言うのかしら?」
『なに言ってんだ! 大体、魔族にしては貧弱なぷろぽーしょんのくせに!』
「・・・なんですって?」
『魔族の女っていったら、皆スタイルのいいねーちゃんばっかや! おれの部下達の女の
方がよっぽどスタイルがいいぞっ! この・・・この、貧乳ばばー!』
「・・・」
 ルシオラから黒い気魄が立ち上り始めた。後ずさる横島。
「まて、まて、ルシオラ。落ち着け、落ち着くんだ。・・・映も謝れ! せかいせーふく
はともかく、とにかく今の言葉、取り消すんだ! お前の命に・・・いや、世界の存続に
かかわるぞ! 死にたくなかったら取り消せ! 世界の平和の為にも!」
「世の中には、言っていいことと悪いことがあるわ・・・」
「ひっ・・・!」
 ルシオラの触覚が逆立った。
「お前を産んだことがわたしのこれまでの人生で、最大の過ちだったわ・・・。いまここ
で、その過ちを・・・!」
 ふわり、と浮かび上がったルシオラの足に横島が取り付く。
「わーっ! 早まるなっ!! 落ち着け、落ち着け!」
「ええい! 離してッ! 映、そこにいなさい! 今殺すわっ! ゆるさーん!」
『やれるもんならやってみろ!』

 そのやりとりを伺っていた西条は、通信機で指示を出した。
「敵は気をとられている。対魔砲艦を出せ」
「われわれの最新兵器の初舞台ですね!」
「何兆もの血税を注ぎ込んで造り上げた無人艦隊! 出撃だ!」

 海中から何隻もの奇妙な形をした艦が浮上しはじめる。超逆天号へ向けて砲撃を開始す
る。

「ん? 何だ?」
 映は部下に問い掛ける。
「人間どもの兵器の様ですが」
「おれは忙しい! 追っ払え」
「は!」

 超逆天号から数発のビームが放たれる。たちまち、沈んでゆく艦隊。

「駄目です! 全艦大破! 操作、受付ません! 沈みますっ」
「ば、馬鹿な」
「ああああっ! 沈むっ!」
「け、血税が・・・国民の血税が・・・」
 ヒャクメが西条の方をぽん、と叩いた。
「まあまあ。人は死んでないんだし」

 横島たちもそれを見つめていた。
「あかん・・・シャレになっとらん・・・」
「じゃ、私は行くから」
「だーっ! だから待て!」

 映は頭を抱えこんだ。
「ったくヤヤコシイ! おい、魔麗隊! 父ちゃんたちの相手をしてやれ!」
「は」

 あいからわず揉みあってる横島とルシオラ。
「な? 一回落ち着いて話そう」
「そもそも、あんたがもっとしっかりしてればこんなことには!」
『そこまでだ!』
 ん? と顔を上げた彼らの前に、3人の少女が立っている。
「我ら、ネオ・アシュ様配下の魔麗隊3人娘! 勝負!」
 横島は一瞬口をぽかんとあけ、彼女らをまじまじと見つめた。
 ルシオラが横島を背後から羽交い締めにする。
「こらっ! ヨコシマっ! 何見とれてんのよっ!!」
「あたたたたたたっ! あ、いや決してそういう目で見たわけじゃ・・・ところで、おじ
ょうちゃんたち、名前は・・・ぐわっ!」
 ルシオラの強烈な一撃が横島の後頭部に加えられた。
「いい加減にしなさいっ!」

 
 もはや彼らの家庭の崩壊は決定的なのか(笑)? 魔麗隊の実力は? 非常に人迷惑な
親子ゲンカは、周囲を巻き込み事態はシャレにならんとこまですすんで行く・・・次回、
『誰が悪い?』を、お楽しみに!

#って、これまで続き物になってしまった・・・どうしよう(爆)。
#あ、また思い付いたら、どっちかの続きかきます。必ず、はい。いつになるか分かりま
せんが(^^;)。



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