ザ・グレート・展開予測ショー

誰がために鐘は鳴る第三部 ”明日に架ける橋”その1


投稿者名:captain
投稿日時:(97/12/20)

 もう私はこれが展開予想だとは思っていません。すでに私の妄想の中で描かれた独創的なものになっています。
展開予想という趣旨をだいぶかけ離れ訳の分からない文になっていますがどうかお許しを。(captain)
 ちなみに私が書いてきたのは誰がために鐘は鳴る第一部から冬の散歩道1〜5、そして明日に架ける橋につながっています
****************************************************

       誰が為に鐘は鳴る 第三部 ”明日に架ける橋” その@
あれからどれくらいたったのだろうか辺境の村を白く雪が覆い幻想的な風景を見せている
「ヤーッ!!」
美神の気合の入ったかけ声が村に響く
美神と横島はあれ以来別々な訓練をつんできた、
竜の牙を完全にものにした美神の一撃が大地を割る、
「やっとここまできましたね、これなら・・・」
おキヌの声が美神の背中に触れる
「ええ、この3週間ずっとやってきたんですものこれぐらいできなきゃ。」
美神の声に活気が戻ってきた
「それにしても横島さんどうしてますかね、あれから2週間一度も戻ってこなかったですね。」
「そうね、長老が連れ出してからほんとうにどこ行っちゃったんだろう?」
美神は横島がこの村を出て修業に行った時からずっと声を失ったかのように黙々と修業に明け暮れていた
そんな会話をしていた時懐かしい声が聞こえる
「ただいま。」
その声の主は横島であった、服は所々破れすり傷がいたるところに見える、
外見的に何か今までとは違うものを手に入れた様子だ
「俺腹ぺこっすよ、早くなんか食わして。」
横島は一見クールに見えたが内面的な変化はあまりないように思える
とにかく横島を連れ家に戻るとおキヌは朝食を作り始める
「先生ー!!」
シロが家に駆け込んでくる
「先生、長老が今日朝食をすまし少し休んだら家へこいと言ってたでござる、何でも最後の仕上げだとか・・・」
ことの旨を伝えるとシロは自分は長老の所で朝食をとるからと言って走っていってしまった
「最後の仕上げか、いったい何を?」
横島が考えているところに美神が質問する
「あんた今まで何の修業をしてたの?」
その質問に横島は少し考えて
「えーとですね、相手の霊気を読むことと文殊の有効時間を伸ばすのをやりましたね、
 文殊は複数使うと確かにすごい力になるんすけど効き目の時間がすぐに終わってしまうんですよ、
 コントロールするのが大変でしたね。」
と横島が答えると美神はうなずいて
「だからあんた前にモンスター相手にしてた時一体ずつじゃなくいっぺんにやったのね、
 確かに超加速を使えば時間の流を遅らせることができるわ、だからあんなに超加速にこだわったのね、そーだったのかー。」
と感心していると、よこしまは美神を見て
「美神さんも何かつかんだみたいですね、なんか霊波がすごく伝わってきますよ。」
と話す、横島は美神の変化に気付いたようだ
「そう?わかる?後であんたにも見せてあげるわ、びっくりするわよ。
 あっ、ごはんできたみたいね、早く食べて行かないといけないんでしょ?」
おキヌが朝食を運んでくると美神、横島はさっそく食べだした
 そして早々と食事を終えると少し美神と話をしてから
「じゃあ行ってきます、後でまたそっち行きますから。」
横島はそう言い残すと長老の家へと向かった
「ねえ美神さん、何話してたんですか?私も横島さんと話したかったのにもう行っちゃうなんて・・・」
おキヌがすねたような口調で美神に言う
「話って今までどうしてたか聞いただけよ、あっそうだ、今日は横島クン見に行こっか、
 なんかこれで最後らしいわよ長老が教えるのは、おキヌちゃんどう?」
美神が聞くと言うまでもないというようにおキヌは賛成した
一方横島は・・・
「何っすか?最後って何をやるんっすか?」
長老のもとにそう言いながら現れる
「おお来たか、わしが教えることができるものはもうこれしかない、
 したがってわしが与える最後の試練を受けてもらう、いわゆる卒業試験じゃ!!
 お主この前の古文書の最後の一文を覚えておるか?
 村を出た時に二つ目の試練をやったじゃろ、そしてこれが最後じゃ、よく聞けよ、
 ”汝”、”越”、”自”、”即”、”醒”、の五つの文殊の組み合わせ、すなわち”汝自らを越え即ち覚醒せん”
 自分自身に勝ちそして力を手にする。本当に最後の試練じゃ、
 お主にはこれを受ける資格があるこれに打ち勝ちそして行くのじゃ!!」
長老は説明をすると庭へ歩きだし横島を見守ろうと垣根に持たれかかった
「長老いきます!!」
 横島は文殊に念を込め手上に五つ浮かべる、そして霊波を高め文殊を発動させる!!
辺りを光が覆ったかと思うとその光の中からもう一人の横島が現れる、
それはだんだんと実体化して行き完全に横島を鏡に写したような左右逆な姿になった、
手には霊波刀そして”爆”の字を輝かせた文殊を持っている!!
「なんだこいつは!?俺じゃないか!?こいつとやるのか?」
横島は目の前に現れたもう一人の横島に驚いている
「そうじゃ、そいつに打ち勝つんじゃ、ただしこの試練の中ではお主はおそらく文殊を使えんだろうがな、
 生き残るか死ぬかはお主しだいじゃ!!」
長老がそう言うと横島は”死ぬ”という言葉に
(俺はまだ死ねない、俺のこと待ってるやつがいるのにこんなことぐらいで・・・それに俺があの人を守らないと・・・)
と思うとかすかだがルシオラの笑顔が頭の中をよこぎり、そしてなぜか美神の悲しげな顔が映る
(そんな顔しなくても俺は・・・ちゃんと・・・美神さんのところに・・・)
横島は映像として頭に映る美神にやさしく言う
そして自分も霊波刀をだし自分のクローンに立ち向かって行った・・・
相手は手にした文殊を投げつけ霊波刀で切り込んでくる!!
一瞬の間に横島を爆風が包み込みその場から横島は消え去った!!
しかし横島から放たれている霊波は感じられる、
横島は必死になって考えた結果文殊が発動する前に霊波刀で文殊を切りその場から一事引いていたのだった
長老の言ったとおり本物の横島は文殊が出せなくなっている、
しかし圧倒的に不利である状況にもかかわらず横島はチャンスをつかもうと必死になっている
(こんなことぐらいでやられるわけには・・・)
横島は攻撃の機会を見るために霊波を抑え森に潜んだ、
しかし気配を読む修業をしてきた横島だからその能力もクローンは持っている、
そしてそれは横島のかすかな霊波の動きに気付き森へと入っていく
しばらくすると森の木々が倒れていく、
恐怖心のないクローンは疲れを知らずただ自分と同じ姿の者を殺すためだけに生まれてきたかのように容赦なく攻撃をしてくる
横島はそんなクローンにたった一本の霊波刀のみで立ち向かっていく!!
(さっきみたいにこいつが文殊で攻撃してきたら・・・)
横島は先程無意識のうちに文殊による攻撃を防いだ時のことを考えると一つの案が浮かんできた、
それは自分自身の弱点であるものに気付いたのである!!
(あいつの文殊の力を利用して逆にふっとばす!!その隙にフルパワーで・・・)
クローンの攻撃を必死に受け流しながら必殺の念を込める
少しでも間違えれば文殊の攻撃に耐えられずに死んでしまうかもしれない、
生身の人間が文殊の攻撃に耐えられるはずはない
これは危険なカケだとわかっていても横島はやらなければならなかった、
自分を待っている者、そして自分が守るべき者がいる限り・・・
昼を過ぎたあたりだろうかシロが美神おキヌを連れ長老の家へと来た、
そしてすぐ前の森で横島が横島自身のクローンと戦っているのに気付く
「何あれ!?横島クンが二人いるっ!!」
美神が驚いて声を出す
「あれは横島さん自身ですよ、まったく霊波が同じですし魂まで・・・」
おキヌは横島とクローンの姿を見るとすぐにそれを読みとった
「そうじゃ、あれは横島自身、すなわち横島は自分自身を越えるために今戦っておるのじゃ!!」
長老の声が横からするシロはそれに気付くと
「長老!!寝てなくてはだめじゃないですか!!もう長老は・・・」
と言う、長老の寿命がせまってきているのをシロは知っていたのである、
横島と修業にこの村を出たあたりから長老はもうそんなに長くないことをシロに話していたのだった、
ただし横島やほかの者には内緒に・・・
「黙れっ!!わしは横島を見とどけなくてはならん、それがわしの最後の仕事じゃ・・・」
長老はそう言うとシロの差し伸ばした手を払い退け横島を凝視しだす
「長老もう手遅れなの?」
美神が会話を聞いてそう言う、しかしシロは黙り込んでただ頭を振るばかりだった
おキヌがそんなシロを抱き寄せる
「大丈夫よ・・・」
そんなときだった、横島の動きに変化が出始めたのは
クローンが横島に自分の剣をすべて払い退けられるのに我慢が尽きたのか剣を使ってないほうの手で文殊を出し始める、
指先が光輝き”爆”と書かれた文殊が現れると剣を交えるのをやめ後ろへ飛び退く
「いまだっ!!」
横島はそう叫ぶといっきに相手のところまで近づき文殊を投げた瞬間にその光輝く玉を切り裂く!!
二つの霊波がぶつかり合い激しい爆発を起こす、
横島は自分の持っている霊力を放出し燃焼させ爆風をさえぎりながら自分の出せる限りの力を込めて相手を貫く!!
その瞬間文殊を切ったことによって引き起こされた衝撃波が辺りをほとばしる
爆風と衝撃波でまきおこった煙で何も見えなくなった途端に
「横島クンっ!!」
と、いてもたってもいられなくなった美神が叫び駆け寄ろうとするが長老が
「やつがいったい何の為に強くなろうとしているかわかるか!?お主の為だぞ!!」
と美神を止める、それを聞いた美神は何もすることができなくただ見守るしかなかった
(横島クンが私の為に・・・前にもこんなことが・・・)
爆風と煙りがやむと一つそこに立っている影が姿を現しだした、そしてその影は左手で霊波刀をだしている!!
その影は横島が出したクローンであった!!
一方本物の横島はクローンから10メートルぐらいのところに倒れている
美神、おキヌそしてシロの背中に寒気が走る
煙が完全にやむとクローンのすさまじい姿があらわになる、動体の真ん中に貫かれて空いた穴と足が一本ふっとんでいる!!
もうそれは横島の姿ではなく所々傷ついたところが実体ではなく霊体にもどりかけている、
しかしそれでもなお横島を殺そうととでも言うかのように懸命に動こうとしている
倒れている横島は少し身体を起こすと
「まだ生きてるのか・・・さ、さすがに俺のクローンだ・・・
しかしもうおまえの役目も終わったんだ、ありがとよ、おまえのおかげで弱点がわかったよ・・・おまえ本当に強かったな・・・」
とやさしく話しかけると右手にサイキックソーサーを出しクローンへ向かって投げる
(これで最後だ、ありがとよ。)
弱々しくも飛んでいくサイキックソーサーがクローンを捉える!!
すると暖かい霊波の感じられる光の膜に変わりそれを包み込み何もなかったようにクローンを消し去る・・・
「あ・・ば・・よ・・・」
最後に一言クローンが初めて言葉を発した
おキヌが悲しげな目で横島と消え行くクローンを見ながら
「やりましたね・・・」
とつぶやく、その横で美神も何やら涙ぐんでいる・・・
「あら美神さん泣いてるんですか?」
おキヌがクスッと笑いながら聞く
「なっ、泣いてるんじゃないわよ、ただ目にごみが・・・それより横島クンの手当してやんなきゃ、いくわよ。」
美神はそう言いおキヌの手を引っ張って横島のもとへ走る
「よくやった、シロしかと見とどけたか?おまえはよい師匠をもったな。」
長老はそう言うと家の中へと消えていった
シロも横島のもとへ行きたかったがあえてそうせずに長老の後を追った
あたりはいつのまにか夕日を浴びて雪の純白が赤々と彩られはじめている
横島にとって長く辛い一日が終わりを告げだしている
明日に架ける橋 その@完


今までの 賛成:4 反対:0
コメント:

[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa