ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・・?


投稿者名:hazuki
投稿日時:(00/11/ 6)

きいいいい。
ドアが開くとそこには20代半ばと思われる女性が居た。
短くそろえられた漆黒の髪に少し栗色がかった瞳。そしてどことなく夏子に似た顔立ち。
表情は穏やかでとてもじゃないが、取り付かれている人間とは思えない。
普通取り付かれた人間はもっとうつろな表情をしているものだ。
それにー彼女からは・・悪意・・といべきか・・・じぶんを消すものに対する「恐怖」「苛立ち」「焦り」「怒り」「あるはずも無い生への執着」といったものをみじんも感じないのだ。
そして「彼女」にっこりと笑う。
それは横島に記憶にある「ゆうねえ」と同じである。
(多少ふけてはいるが・・・)
「おそかったのねー♪もうちょっと早くくると思ってたのに」
こぽこぽ・・・・
部屋の中に三人を招き入れお茶の用意(もちろん御茶請けもあり)をしながらにこやかにゆうこ。
「・・・・・・あんた誰?」
と不信げに美神。
・・・・どう考えても「彼女」はとりつかれている。・・・それはわかる
だがしかし、「彼女」は取り付かれているにも関わらずしっかりと「自我」を持っているのだ。それに「彼女」は美神からみても結構な能力の持ち主だ。
なのに何故「彼女」はこんな低級霊にとりつかれているんだろう・・?
その気になればすぐにでもこんな「もの」くらい自力で追い払えるだろうに。
「「わたし」は「わたし」ですよ。美神令子さん」
じっと美神を見つめゆうこ。
瞳の色は正常。だけど・・・
「ゆうねえ大丈夫か・・?」
(この男にしては珍しく)心配そうに横島。
「あー忠夫久しぶりっ五年振りだよねー♪」
くりっと横島の方を向きゆうこ。
「うん!いい男になってきたねー♪あと4・5年あればもう完璧だよ♪」
「そ・そーかな」
とちょっと自信なさげに横島。
(普段の生活が美神にどつかれクラスの女子には敵視されるので←自業自得)
「そーだよ。」
とやけにはっきりとゆうこ。
「第一忠夫は昔から鈍感だからねー♪多分忠夫の事すきになっても忠夫がそれに気づかないのよ」
うんうんと心の中で頷くオキヌ。
「どこが?」
と横島。
「そこが。って言っても分かんないでしょーね・・・まー今の環境もちょっと問題あるみたいだろうし」
ちらりと意味ありげに美神とオキヌを見るゆうこ。
「???やっぱ給料安いからかなー」
とんでもなく的外れな横島
「・・・んー別に私は面白いからいいけどさ・・。でも今私の「中」にいる「子」も忠夫のせいで成仏しそこなってんのよねー」
「へ」
と自分の方を指差し横島。
ばっきいいいいいいい。
「貴様何をしたああっ!!!!」
と怒声とともに美神の神通昆が横島の顔面にヒット。
スローモーションのように倒れこむ横島・・・・。
だが倒れこむ前に美神に襟首をつかまれ往復びんたをくらう。
「・・・・なっなんだー」
と横島。
それは当然の問いであろう。
数秒後横島はぼろ雑巾のようになっていた。
「・・・いやそーゆう意味じゃなくてね」
ころころと笑いながらゆうこ。
「え?ちがうんですか?」
我にかえる美神。
「うーん違うっていうか・・・」
「いててててててててててて」
とうらめしそうにゆうこを見ながら横島。
オキヌは横島の傷にヒーリングをしている。
「忠夫・・・」
抑揚の無い声でゆうこ。
「んー」
と横島。
ごくりー
ゆうこが息を呑む音が聞こえた。
「・・・加賀由美って覚えてる」
「ああー小学校の時同じクラスだったやつだろ?」
なんでそんな事聞くのだろうかと思いつつ横島。
「「・・・」」
黙って耳を傾ける二人。
「そのこ・・今私の「中」にいるんだ」
つづく・・・すいません明日はお休みします。
(いや別に毎日書くのを自分の中で決めてただけで誰も気にしないとは思うんですけど(笑))


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