ザ・グレート・展開予測ショー

アシュタロス編の完結F


投稿者名:罰金王がんてつ
投稿日時:(97/12/17)

 アシュタロス撃退に成功した横島達であったが、その代償は高かった。そう、それはル
シオラの消滅。アシュタロスの死と共にルシオラ達の霊体が崩壊したものである。自分の
宿命に逆らってまでも愛してくれたルシオラを自らの手で殺したようなものだと嘆き、苦
しみ、そして深い虚脱感が横島を襲った。

 愛する者を失い、立ち上がる気力も無くただじっとしている横島を慰めようと、おキヌ
は自分が幽霊だった頃の話をする。しかし今の横島の耳には何も入らない。あまりに不憫
に思ったおキヌは突然立ち上がりネクロマンサーの笛を吹きだした。それはまるで鎮魂歌
のような悲しい響きであった。

 その時、ルシオラ達の遺体があった所がほのかに光りだし、その光は横島とおキヌを包
み込むように集まっていった。それはまぎれも無くルシオラ達の霊魂であった。アシュタ
ロスによって生み出された霊体が無くなった事で開放されたが消滅はまぬがれない、せめ
て最期のお別れを言いに来たという。でも横島の精神は崩壊寸前で、霊魂相手に話をする
事が出来ない状態だ。仕方がないのでおキヌの身体に三人共入ることにした。

 べスパ操る(?)おキヌのきつい一蹴が横島の頭にヒット、いきなり胸ぐらを掴み男なら
ウジウジするなと喝をいれ、そのまま消滅をした。次にパピリオは、子供みたいに泣きじ
ゃくり、ポチ(横島)ともっと遊びたかったと言って消滅。この二人の行動を見ていた美神
達はおキヌの中にルシオラ達がいるの知らず、ただただ唖然として見ているだけだった。

 最期のルシオラの番になった時、二人の雰囲気ががらりと変わった。横島も元に戻り二
人の会話はさっきの二人とは全く違うものとなっていた。やがて二人は黙り込み、夕日の
見える丘の上へと足を運んだ。夕日を眺めながら横島はルシオラに一つの文殊を渡した。
その文殊には何も書かれてはいなかったが、横島が反対の手に持っていた文殊をルシオラ
に見せたとたん一筋の涙が流れた。そして二人の持っていた文殊が発動、ルシオラは完全
に消滅をした。

 3人の霊魂が抜けて霊力を消耗したおキヌが横島に寄り添うように倒れてきた。目の前
であんな事があってショックを受け、精神が崩壊しつつあった自分を助けてくれた彼女は、
とても悲しそうな表情で眠っていた。さっきの涙は彼女の・・・?横島はおキヌの心の傷
を癒すべく「忘」の文殊を発動させ彼女からルシオラの記憶を消した。考えてみれば、この
娘との出逢いが全ての始まりだったんだと実感し、こころなしか笑顔で眠っているおキヌ
を抱き上げ頬にキスをし、美神達の所に帰っていった。




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