ザ・グレート・展開予測ショー

誰がために鐘は鳴る第二部完結 ”冬の散歩道”その5


投稿者名:capyain
投稿日時:(97/12/17)

とにかくひたすら長い文で続けています。椎名先生の本物とはだいぶ違う展開になっていますがこれはこれで続けます。
CーWWW掲示版にメールアドレスを載せてびっくり、
先日メール受信したら12通も届いていた!!(うち2通は私の悪友)
それがなっなんとすべて私を支持してくれる内容でとても感動しています!!メールを送ってくださった皆様本当にありがとう!!(captain)
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”誰が為に鐘は鳴る” 第二部完結 ”冬の散歩道” そのD
美神と横島はとにかく実戦形式の修業を両方とも立てなくなるぐらい続け一日を終えた
「あんただいぶやるようになったわね、私よりは劣るけど下は下なりに強くなったわね。」
美神がそう言うと
「下とはひどいなー、自分はひきょうな手を使ってたくせに・・・」
と横島が答える
そう、横島はこの日とうとう美神に一勝もできなかったのである
「ひきょうとはなによ、あんな手にひっかかるなんて修業が足りないのよ、それにしても明日は長老がくるんでしょ、
 私どーしよっかなー」
美神が退屈そうに言うと丁度風呂からあがってきたおキヌが
「とてもいいお湯でしたよ。」
と言い横島の横に座る、それを見て
「じゃあおキヌちゃんに手伝ってもらったらどうっすか?おれのやってたので美神さんに丁度いいのがあるんっすよ、
 竜の牙持ってきたんでしょ?」
と横島が言う
「横島さん、それってこの前の岩ですか?」
おキヌが聞く
「岩って何よ?確かに竜の牙は持ってきてるけどどういうこと?」
美神はわけがわからないかのように質問してくる
「あの武器扱うのが難しいって聞いてますから丁度慣れるのにいいのがあるんですよ、
 ちょっと危ないけど多分美神さんなら大丈夫ですよ、まあやってみてのお楽しみということで。」
横島が言うとおキヌが
「でもこの前全部使っちゃったんではないでしょうか?」
と聞いてくる
「大丈夫さ、みんなに頼んであるから多分また運んであると思うよ。」
そう、この村の者は横島にドックフードという借りがあるわけで横島の手伝いとあらば積極的に参加してくれるのだった
「それにしてもここすごい霊的エネルギー濃度ね、消耗した分なんかすぐ回復するわ、
 都庁の地下なんてくらべものにならないくらい。」
美神が言うと
「拙者あまり難しいことはよくわからんでござるが前に聞いたことがあるでござる、人狼は月の魔力に左右されるでござる、
 ゆえに村を作る時に月の魔力を増幅し村に満たすように結界を張ったらしいでござる。」
とシロが説明をする
「そうだったの、ただ人目につかないように張ったんじゃなかったのね、
 でもここにいると魂が周りのエネルギーの影響を受けて霊力をあげることができるわ、
 そうとわかった以上どんどんパワーアップしなくちゃ!!」
美神はとても気合が入っているようだ
「じゃあ明日から手伝いよろしくね、おキヌちゃん、さあそうと決まったらとりあえず今日はもうお風呂にでも入って寝よ。」
美神が大きなあくびに手をかぶせながら風呂へと歩き出す
横島は”お風呂”という言葉にピンときて何やらそわそわしている
「じゃあ俺ちょっとトイレ・・・」
とニヤニヤして出て行こうとすると
「横島さんっ、トイレはそっちじゃないですよ、どこに行こうとしてたんですか?どこに!?」
おキヌが横島の腕を捕まえて尋問する
やけになった横島は
「はっ、はなすんだおキヌちゃん!!早く行かないと美神さんの入浴が終わってしまう!!・・・
 はっ、しっ、しまったつい声に出して言ってしまった!!」
と墓穴を掘る、おキヌはやっぱりというような顔で横島を見ている
「ちっ、ちがうんだおキヌちゃん、今のは何かの間違いだー、俺は決して覗きなんかー」
横島は必死にいいわけをする
「拙者なさけないでござる・・・」
シロがボソッと言ったのをきっかけにおキヌも
「サイテー」
と言って二人とも部屋へと戻って行く
「ちっ、ちがうんだー、おキヌちゃん、シロ、ちがうんだー!!」
横島は半べそをかいている(なにがちがうんだ?)
そして翌朝・・・
「美神さん朝ですよ、起きてください。」
おキヌの声がする
「おキヌちゃんもうちょっとだけ寝かせて〜、朝ご飯いらないから・・・」
ねむたそうな声が返ってくる
「今日は修業するって言ってたじゃないですか、早く起きてくださいよ、朝ご飯も食べないといけませんよ。」
おキヌはそう言い美神を布団から引っ張り出す
「チェ、もうちょっと寝たかったのに〜」
美神はしぶしぶ起きて朝食をとろうと着替える
「おキヌちゃん、横島クンまた朝から散歩に行ったの?」
美神が聞くと
「そうみたいですね、今朝部屋をのぞいたけどいなかったから、でももうそろそろ帰ってくる時間ですよ、
 用意してますから早く食べに来てくださいね。」
おキヌはそう言い食事の部屋へと歩き出した
美神が顔を洗って部屋へ入るともうすでに横島とシロが座って食事をしている
「美神さんおはよーすっ、起きるの遅いっすね、修業の準備はできてますからこれ食べたら行くといいですよ。」
横島が食べながら言う
「私どうも朝は苦手だわ、それに遅いって言ってもまだ8時よ、あんたが起きるの早すぎるのよ。」
昨日決心したことをもう忘れているかのように美神は言う
「ごちそうさま。」
横島がもう食べ終わって出かけようとする
「あんた食べるの早いわね、ところで私にぴったりっていう修業って何よ?教えなさいよ。」
美神が聞いてくる
「まあ後でそっちに見に行きますから、詳しくはおキヌちゃんから聞いてください、
 長老に呼ばれてるもんですぐ行かないといけないんすよ。」
横島はそう言うと走って出て行く、その後を
「先生待ってください。」
と食べ終えたシロが走って追う
美神はマイペースにゆっくりと食べ終えると竜の牙を持ち
「どこでやるの?連れてってよ。」
とおキヌに言う
「ちょっと待ってくださいよ、もうちょっと準備がいるんです、美神さんも怪我しないように注意してくださいよ。」
おキヌはそう言うとバックとはさみを持って出てきた
「じゃあ行きますよ、こっちです。」
美神を連れたおキヌは長老の家の近くの崖へと歩いた
「ヘーここでやるの?ところで何すればいいの?」
「じゃあ説明しますよ、まず私がこの上に行きます、そして美神さんは崖の下でその竜の牙で何か武器を作ってください、
 私が上から岩を落としますからそれを切ったりして当たるのを防ぐんですけど、ただよけるだけじゃいけませんよ、
 崖の下に法円が書いてあって岩には印が刻まれてますから岩を切ってその印を無効にしないと
 ダメージとして伝わるようになっているんらしいんです。」
「つまりおキヌちゃんの落とすやつを全部切ればいいのね、横島クンにもできるんなら私にできないはずはないわ、
 いいわよ始ましょ。」
美神は余裕に構えている
「じゃあいきますよ。」
おキヌの声が崖の上のほうから聞こえてくる、美神は竜の牙をかざし剣の形に変形させる
「いいわよ、どっからでもきてー」
美神が答えるとおキヌは横島の時のようにいきなりたくさん落とす
岩は美神めがけ降り注いでいく
「ちょっと、何よこれ、これ全部切らないといけないの?」
降ってくる岩を見て美神はその多さに驚いている
竜の牙は自分の霊力を増幅することができるがその分扱うのが難しく霊波に乱れが出ると威力が半減してしまう
美神は集中し岩一つ一つの動きを見て的確に切っていくが一度に七つも降ってくるとさすがに全部は切ることができなかった・・・
切り損ねた一つの岩が美神の動きを捉える、霊波を帯びているので直接的なダメージに加え霊力を奪っていく
「うっ、これはきついかもしんない・・・でもこれを横島クンがやり遂げたんだから私が途中でやめるなんてできないわ。」
美神はそのプライドの高さゆえにやると言ったいじょうもう後戻りはできなかった
「美神さーん、次ぎいきますよー!!」
美神がすべて岩を退けたと思っていたおキヌはさすが美神さんと思い楽しそうに言ってくる
(さっき一個あたちゃったからちょっときついかも・・・それにしてもいきなり七つは無理でしょ、
 何考えてるのかしらこの子?それにおキヌちゃんなんで楽しそうにしてるのかしら?)そう思いながら
「ちょっと待って、あんまりたくさん落とさないで。このペースだと早く終わっちゃうから五つずついきましょ。」
プライド上七つは無理だと言えない美神はまずは五つから慣れていってだんだんと数を増やそうと考えそう言う
「はーい、わかりました、じゃあ五ついきますよー」
素直な返事をして岩を落とす
動きが先程より多少は鈍くなっているものの竜の牙を巧みに操り次々と切っていく
だんだんとコツをつかみだした美神は竜の牙に霊力を注ぎ自分の耐えられるぎりぎりのところまで出力を上げ、
自分自身人が耐えられる以上の高出力の霊波を使いこなせる器を手に入れようと霊波を高めていく、
すると竜の牙に霊波の光沢がまとわり何やら静電気が散るように霊波の筋が見える、
一つ岩をそれで切ると二つ目以降直接岩に一撃を加えなくても霊波の塊が飛び複数を同時に粉砕する!!
まるで霊波の塊一つ一つに意志があるかのように自分の領域を侵そうとするものを全て切り裂く
「なっ、なんなのこれは!?こんなことができたなんて・・・これは使えるわ、これならいけるかも・・・」
自分のしたことに驚きながらも今のイメージを忘れないように再度試みようとする美神だが
慣れないことをしたせいか全身の霊力の集中が解け竜の牙がもとの竜のまが玉へと戻ってしまった
その変化に気付いたおキヌはいったん美神のもとへ降りてくる
「どうしたんですか、全身の霊力が落ちてきてますよ。このまま続けるのは危険だと思いますからいったん打ちきりましょうか。」
おキヌは美神を気遣い修業を中断する
「本当に今のすごかったわ、これを早くものにしないと・・・」
美神は先程の出来事に心を奪われたかのようにつぶやいている、そして
「おキヌちゃんっ!!もっともっと修業するわよ!!」
と何かに気付いたように美神はおキヌに呼びかける
「それはいいですけど今の美神さんの霊力では・・・すでにだいぶ消耗してるし回復するのを待ちましょうよ。」
という返事を返すが美神はすでに身体中の霊波動を集中し始めている、
その意志が伝わったのかおキヌははさみと紙をとり出し
「あれは今の状態では危険すぎます、これでも私は神眼を持ってるんですから今の美神さんの状態ぐらいわかります、
 だから今から私がこの式神ケント紙で適当な相手を作りますからそれでやりましょうよ。」
とやさしく美神に言うと
「助かるわ、本当のこと言うと私だいぶ疲れてるのよね、やっぱりおキヌちゃんの前じゃはったりは通用しないか・・・」
と素直に答え美神はおキヌの式神を作る姿を見始めた
あまり慣れていない手つきではさみを使い七体切り終えると霊波を込め始める、
今までただの紙きれだったものが次々と実体化していきおキヌの前に現れる
(やっぱりこの子の才能すごいわ・・・七体も式神を一度に作るなんて
・・・)
美神はおキヌの成長に感心している
「じゃあいきますよ、用意はいいですか?」
そう言うとおキヌはネクロマンサーの笛を取り出し式神を操りだす
霊力の落ち着いてきた美神を見るとおキヌは二体を相手として美神へとけしかけた・・・
ただの式神ならば何の問題もなくかたづけられるのだが
おキヌの霊波が込められ操られているとなるとそう簡単には行かないようだ。
そしてそれを続けるうちに日が暮れていった・・・
その夜美神は傷だらけの横島横島を背負ってきたシロを見て驚く
シロもわずかだが傷ついていたのだった
「シロあんたどうしたのその傷は?横島クンはわかるとしてなんで・・・?」
「先生に攻撃を受けたでござる、この前より霊波を読みとるコツをつかんだみたいでござるよ、
 目隠しをしているとはいえ結構強いんでござるよ。」
「へー、この横島クンも何かつかんだんだ、私ももっと頑張らなくっちゃ!!」
疲れはて寝ている横島を見ながら美神がつぶやく
「拙者たちは長老のところで夕飯をいただいてきたから今日の分はいいでござるよ、先生の手当をしてやってください。」
そう言い残すとシロはそのまま部屋へと戻っていった
美神は横島を見ると何やら今まで自分だけが頑張り、自分だけが歯を食い縛ってきたと思っていたことが恥ずかしくなってきた
(辛いのは私だけじゃない・・・)そう思うと何か分かち合えるようなものができた気がして軽く微笑んだ・・・
誰が為に鐘は鳴る 第二部 ”冬の散歩道” そのD完
* 次回から第三部 ”明日に架ける橋” という題名に変わります。*


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