ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・・?


投稿者名:hazuki
投稿日時:(00/10/19)

「なあ銀ちゃん、明日の日直ってうちと横島だよね」
「そーやったなあ」
「じゃあ明日うちと横島少し早く学校に行くけど銀ちゃんどうする?」
「ええよ。俺も早く行くからちゃんと呼びに来てな」
「オッケー」
ぶつぶつとなにやら呟いている横島を無視して会話をする銀一と夏子。
横島は「ゆうこねえちゃん」の家に行くかどうか悩んでいた。
はっきり言わせて貰えば行きたい。
今日見せて貰う本は千円近くするもので、小学生(特に横島)の小ずかいでは購入するのが苦しいのだ。それに一刻も早く読みたくてうずうずしている。
だが、しかし母親が「今日は早く帰ってくるように。」と言っていた・・・。
しかも既に下校時刻を過ぎている。
(どないしよう・・?)
もし、母親のいいつけを破ったら・・・
世にも恐ろしい折檻が待っているであろう。事を想像して横島は真っ青になった。
「横島?」
「ん?」
「横島?どないしたん?」
と心配そうに銀一。
「なんで?」
「顔真っ青」
「・・いや夏子にもらった右ストレートが今ごろ痛みはじめてなあ」
とちょっと深刻そうに横島。
「えっ・・・?」
と夏子。
「えってお前なア?」
横島は夏子の方を向く。
「・・・・なつこ?」
夏子は泣きそうな顔をしていた。
「ど・・・どした?」
と慌てたように銀一。
「な・・なんでもあらへん。」
と夏子。
「なんでもあらへんって?」
「そうや、なにがあっても偉そうに踏ん反りかえって俺を完膚なきまでに叩きのめす夏子がなきそうやなんてっ!どうしたんやっ!天変地異の前触れかっ!」
(念のため・・横島は本気で心配してます・・)
と横島は夏子の肩をつかんでがしがしっと揺さぶった。
「へえ・・・天変地異?」
と目の前の夏子の顔には先ほどまでの泣きそうな表情はすっかり消えており代わりに恐ろしいまでの笑顔・・横島には見慣れたものだが・・があった。
「あほやなあ・・・」
と顔を右手で抑える銀一。
「・・?夏子?」
研ぎすまれた本能でなにやら危険を感じた横島が肩から手を外し1・2歩後ずさる。
・・・・とこの後夏子の怒声と横島の悲鳴に穏やか(?)な日常風景は彩られるはずだったのだが。
「あの・・・・」
この声に邪魔される事となる。


「うん」
「なんや加賀か?」
「たすかったあー」
と三人。
三人の視界の先には一人の少女がいた。
歳のころは横島たちと同じくらいの小学校高学年といったところだろうか?
夏子ほどではないが漆黒の髪とぱっちりとした瞳が印象的な美しい少女である。
そして、その少女は三人のクラスメイトであった。
ぴくりと夏子の肩がゆれる。
横島はまたか・・という感じで銀一の方をむく。
銀一は複雑そうな表情で少女を見た。
少女は全身をがちがちにこわばらせている。
「加賀?どしたん?銀ちゃんに用か?」
・・しばらく銀一の方を見ていた横島だったが視界に入った少女の様子に何故か・・
助け舟をだした。
「ううん。ちゃう・・横島にようあるんや・・」
西の空はいつのまにか少女の顔のように紅く染まっていた。

つづく・・いいのかこれ?つづいて?(なんか全力でだめって言われそう・・)


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