ザ・グレート・展開予測ショー

不定期連載 GS世界名作劇場 その17


投稿者名:ブタクリア
投稿日時:(00/10/13)

三国志〜英雄論〜

配役
曹操 孟徳:小笠原 エミ
劉備 玄徳:美神 令子
袁術 公路:美神 美智恵
袁紹 本初:唐巣 和宏
関羽 雲長:氷室 キヌ
張飛 益徳:横島 忠夫
劉表 景升:西条 輝彦
呂布 奉先:伊達 雪之丞
孫策 伯符:六道 冥子
劉璋 季玉:ドクター・カオス
張魯 公棋:ピエトロ・ド・ブラドー
張繍:魔鈴 めぐみ

雨の降りしきる中、宴席は続いていた、決して和やかにではなく、しかし、殺気立つことも許されぬ空気で。
『ところで、おたくは諸国をあちこち見てきたワケよね?その経験から、当代の英雄と見なして良い人物は誰だと思うワケ?』
「さあ、誰でしょうね?私には……」
『おたくの胸の中にある名を、誰でも良いから挙げてみなさいよ』
「別に、これと言って」
『なら、世間で英雄といわれている人物でもいいワケ』
「それなら、淮南の袁術など、自ら皇帝を名乗るほどだし、英雄といってもいいんじゃないかしら?」
『あれは、もう現役の英雄じゃないわ、塚の中の白骨よ、そのうちあたしが捕らえてみせるワケ』
「じゃあ、袁術の兄、袁紹はどうかしら?」
『あれもダメね、最低限の正当な報酬をもらってこそ英雄と呼べるワケ』
「なるほどね……。さて、そろそろ関羽と張飛が迎えにくる頃だし、おいとまするわ」
『酒宴はまだ始まったばかりよ、それに、英雄論はまだ終わってないワケ、おたくは2人の名だけ挙げて、もう天下に人材無しと言うワケ?』
「いいえ、あれは世間の話を言ったまでで」
『なら、他にもまだいるワケよね?』
「それなら、荊州の劉表は?威勢は九州におよび、国の治め方も優れているとか」
『国治めは部下がやっていることよ、あいつは以外と女好きで呂布に似ているわ、所詮は国家公務員なワケだし、英雄とは呼べないワケ』
「じゃあ呉の孫策は?」
『親の盛名という力を借りてるだけよ、仕事のたびに式神暴走させては被害拡大させてるし』
「益州の劉璋は?」
『700年前ならいざ知らず、今はただのもうろくじじいよ』
「なら張魯や張繍なども英雄とはいえないかしら?」
『いえないわ』
「やっぱりね」
『ほっほほほ、こうやって名を挙げてみると、まともなGS…いえ、人物はいないわねー!』
「………」
『そもそも英雄とは、大志を抱き、どんな時でも備えられる計を持ち、おこなっては怯まず、時代に乗り遅れず、天地の理を知り、万民の指揮に挑む者じゃなきゃ英雄とはいえないワケ』
「今の世に、そんな人物がいるかしら?」
『いるわ』
「………」
『おたくとあたしよ!!』
「………(まずいわね、曹操がそんなに私のことを恐れているとは)」
そのとき、天地も裂けよといわんばかりの雷鳴の轟音が響きわたった。
「きゃーーーーーーーーーーー!!!!」
劉備は叫び、椅子の下に隠れ、うずくまる。
『ど、どうしたワケ!?」
「私は子供の頃からカミナリが恐くてしかたないのよ!!」
『………』
ピカッ!!ゴゴゴゴゴゴッ!!!
「きゃーーーー!!!って、エミ!なに雨乞いの用意してんのよ!!」
ピカッ!!ゴロゴロゴロ……
「いやーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」

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