ザ・グレート・展開予測ショー

冬の散歩道 その4


投稿者名:captain
投稿日時:(97/12/12)

この前の感想を見ましたなんかすばらしいというようなことを書いてくれた人もいて
書いている自分自身とてもうれしいと思います
 できればもっと大勢の方々の意見なども聞いてみたいと思いますので反対、賛成意見がある方はぜひ書いてください!!
それとなんかこれを書いて欲しいとかいう意見などある方はどうか教えてください、
一応このシリーズの構造はもうすべてできているんですけどいまいちねたがきれてきて・・・(captain)
”冬の散歩道” そのC
 横島が目を覚ましたのは家に担ぎ込まれてから数時間後のことだった
「横島さん・・・横島さん・・・」
おキヌの声が聞こえる
目を覚ますとそこには心配そうな顔をしたおキヌとシロそして何やら混乱している美神がいた
「あんただいぶ大変なことしてたらしいわね、あの長老もよくやるわ・・
それでさあ明日のことだけど横島クンは休んだほうがいいから一日寝てなさい。」
「そんな大丈夫ですよ、いけますってば。」
横島が答えると
「本当に休んだほうがいいですよ、傷は治っても体力はまだ回復してませんし、私が代わりに行きますから。」
おキヌがそう言うと
「今回はおキヌちゃんは横島クンのとこにいて、もしかしたらやばいことになるかもしれないから。
今まで黙ってたけどね、シロが切られたのはねこっちに原因があったのよ。」
「何ですと!!」
黙り込んでいたシロが急に言う
「長老から聞いたんだけどこの村の近くに化け猫の住む谷があるそうなのよ、
 そこへ何にも知らないこの村の人が入り込んじゃったらしくて周りを化け猫たちに囲まれたらしいの、
 その人は急に襲われると思って刀を抜いて二、三人切っちゃったらしいのよ、
 殺しはしなかったらしいけどその人とにかく逃げちゃってそれを追ってきたやつらにシロが切られたらしいのよ。」
「そうでござったか・・・」
「だから今回は長老たちとその切った人連れて謝りに行くんだけど、うまく行くかどうかってことね。」
「もしうまくいかなかったらどうするんですか?」
と横島
「しかたがないから戦うしかないわ、それが原因で対立が始まると思うけどね。」
「ならやっぱり俺もいきます!!」
「何度言わせたらわかるの、私の命令が聞けないとでも言うの!?」
美神が恐ろしい形相でにらむと
「はいっ、わかりましたオネーサマ。」
と返事をする
そして夜が明けた・・・
「じゃあ行ってくるから後よろしくね。」
美神がシロを連れ出掛けて行く
横島は今日になって昨日のダメージがどっと押しよせ起きあがることさえできなくなっていた
「横島さん、朝食を持ってきましたよ。」
おキヌがそう言うと部屋へ入ってくる
「ワッ、ワルイネー・・・」
横島は相当重傷のようだ
「食べさせてあげますからちょっと身体を起こしてくださいね。」
おキヌはとてもやさしく話し掛ける
横島がこんなおいしい展開を逃すはずもないが今はケガの後遺症でおキヌに何かしたくても手の出せない状況だった
(なっ、なぜ動かんのだー美神さんがいない今がチャンスなのに、ちくしょー!!)
横島はそんなことばかり考えている
そんな力んでいる横島を見て
「横島さん美神さんたちのことが心配なんですね?」
おキヌが言うと
「イッ・・・イヤ・・・ソージャナクテ・・・」
横島は力なくそう言う
「そーじゃなかったら何なんですか?」
横島は自分の思っていることなんか言えるわけもなく
「イヤナンデモナイヨ・・・」と答え朝食を食べ出す
沈黙の時間が過ぎる・・・
「とっ、ところで美神さんたちいつ出かけたの?」
少しは体調の良くなった横島が聞くと
「んーと、横島さんが起きる2,3時間前ですよ。」
そうおキヌが答えかけた時
「たっ大変でござる・・・横島殿はおられるか・・・長老たちが捕まった・・・」
若い人狼がそう言いながら家へ倒れ込んできた
その背中には生々しい傷跡が深く刻み込まれている
「おっ、おまえはゴロ・・・おキヌちゃん早く手当をしてやってくれ!!」
「はいっ、わかりました、この人知り合いなんですか?」
傷がふさがっていくのを見るとほっとした様子で横島は
「ああ、前にシロと一緒に俺の修行を手伝ってくれてたんだ、でも美神さんがいて負けるなんて信じられないなあ・・・
 とりあえず何があったか聴いてみよう。」
そう言い布団から出ようとする、その瞬間後頭部に激痛が走る
「うっ・・・それにしてもなんで頭が痛いんだ?・・」
おキヌはそれを見てドキッとする、しかし丁度ゴロが気が付いたのでおキヌはその理由を話さなくてよさそうだと思いほっとする
「大変でござるッ、猫がいっぱい、捕まって、みんな囲まれて・・・」
とにかく混乱しているようだ・・・
「落ち着いて冷静に言ってくださいね。」
おキヌが水を一杯差し出しそう言う
「えーと、長老たちが捕まったでござる、相手が拙者たちが来るのを知ってて罠をはっていたんでござる!!」
「美神さんはどうしたんだ?あの人が負けるはずがないと思うが・・・それに話し合いに行ったんだろ?」
横島が聞くと
「美神殿はこの村に張ってあるような結界と同じようなもので閉じ込められてしまって、
 話をしようにもいきなり襲われてそれどころじゃなく・・・」
「それでこうなったんだな?おまえら約に立たんなー」
「すまんでござる・・・とにかく助けに行かないと・・・」
「でもどうするんですか?横島さんその身体じゃ・・・」
「でも行かないと・・・美神さんたちが心配だし・・・」
「横島さんが行くなら私も行きます!!」
おキヌがそう言う
「しかたない、じゃあゴロ道案内たのむ、行くぞ!!」
かくして横島はまだ完全に回復していない身体で出かけるのだった・・・
「おい、まだ先か?」
横島が聞く
「ここでござる、すぐそこにある谷の下です。」
「じゃあまずは俺がちょっと様子を見てくる、おキヌちゃんたちはここで見つからないように待っててくれ。」
「無茶ですよ!!そんな身体じゃすぐに捕まっちゃいますよ!!」
おキヌが心配そうに言うが横島は
「これがあるから。」
と、一つの玉を見せる、それには”消”の文字が映っている
「あーそうか、それで姿を消すんですね?頭いー」
おキヌが言うと
「そういうこと、じゃあ行ってくる、ゴロおキヌちゃん頼んだぞ!!」
そう言い横島はさっきよりも調子の良くなってきた身体で谷の下へと降りていく
「ここら辺で使うか、それにしても長老たちどこにいるのかなあ?」
そうつぶやくと文殊を取り出し姿を消す
(おーすげーたくさんいるなあ、それにしても俺の姿は見えないはずなのにどうしてこっちのほう見てるのかなー?)
横島は完全に姿を消していたが重大な欠点があったのだ!!
横島は化け猫の臭覚や聴力が並外れて鋭いことを忘れていたのだ!!
”姿を消す”と文殊に強く念じただけで臭いや音は消せなかったのである!!
だんだんと化け猫たちが横島の周りを囲み出す!!横島は(ばれた!!)
とあせっていたがすぐ足もとにある水たまりには姿が映っていないので
(これは気のせいだ、そうに違いない!!おれの術がこんな猫ごときにやぶられるはずないからな。)
とまだ自分の存在が相手にばれていることに気付かない横島だった
そんなのんきなことを考えていた時突然爪で切りつけられ姿があらわになったしまった
「しっ、しまった、ばれてしまった・・・なぜこんな猫ごときに・・・俺の完璧な術を見破るとは恐ろしいやつだ!!」
化け猫たちは(何言ってるんだ?最初からばればれだったのに、ひょっとしてこいつ馬鹿か?)とあきれた表情で見ている
「お主なにもんだ?何をしにここへ来た?」
一番えらそうなのがたずねてくる
「いっ、いやちょっと・・・長老たちを助けちゃおっかなーと思ったりしたもんで・・・でももういいっす、すぐ帰りまーす。」
横島は小さな声でそう言うと逃げようとする
「じゃあおまえは敵だな?今死ね!!すぐ死ねっ!!」
そう言うといきなり全員で襲いかかってくる
「スンマヘーン、スンマヘーン、カンニンヤー、ユルシテチョー。」
とにかく横島はそう叫ぶと一目散に逃げ出したがすぐに囲まれてしまった!!そのとき
「待って!!その人は悪い人じゃないよ!!だからやめてよ。」
と子供が一人飛び込んでくる
「おっ、おまえは・・・ケイ!!ケイなのか!?」
横島が懐かしそうに言う
「お兄ちゃん覚えててくれたの!!」
そう言うとその子供は横島のもとへと駆け寄る
「その子の言うとうりです、その人は以前私たちを助けてくれました、悪い人間ではありませんやめてください。」
ケイの母親がそう言うと化け猫たちの殺気は消え横島を襲うのをやめる
「ならば話を聞こう、今はこの子の顔に免じて許してやる、着いてこい。」
そう言われついていくとそこには長老やシロ、そしてなんとおキヌまでもが捕まっていた
「おキヌちゃんなんで?ゴロっ、おまえなにやってたんだよ!!本当に約に立たんな。」
横島はそう言うとにらみつける
「まあこのことについての話があるのでしょうな?」
「そうだよ、でも俺じゃ説明できないからさあ長老だけ出してくれないかなー?おれたち戦う為にここへ来たんじゃないんだよ、
 わかる?それとさあ結界に閉じ込めた人も出してくんない?」
そう横島が言うと
「わかった言うとうりにしよう、だがおかしなまねをしたら全員殺すぞ、話をしている間はあいつらは人質にしとくからな。」
権力者らしき者がそう言うと何やら呪文を唱えだし美神を空間の歪みからとり出す
「ただ眠っているだけだから心配はいらん。」
そう聞くやいなや横島は美神に何かしようと飛びつく
「目覚めのキスをしなければ!!」
横島がそう言うと辺りにいたのは皆ズッコケル
「なにさらすんじゃーぼけー!!」
美神は怪しい気配に気付き起きると横島を殴り飛ばす
「あんたね!?、私をあんなところに閉じ込めたのは、ただじゃおかないわよ!!」
美神が化け猫をにらみつけそう怒鳴る
せっかく話が通じてきたのにこのままでは美神のせいで白紙に戻ってしまう、横島はとにかく
「美神さん、どーどー、落ち着いてください、やっと話し合いができるようになったんですから、みんな殺されちゃいますから・・・
 心細かったのはわかりますここは一つおれが慰めてあげますから!!」
と言い美神の肩に手をまわす、その手を払い退け
「えっ、そうなの?長老が殺されちゃうと金山のありかが聞けなくなっちゃうわ、
 それにしても何であんたに慰められないかんのだー!!」
美神は化け猫に攻撃をするのをやめたが代わりにそのストレスを横島にぶつけだした
おキヌは捕まっているので今の美神を止めるものは誰もいなくまだ回復していない横島をいっそう死の縁へと追いやった
(哀れ横島・・・)
その間に長老は開放され話が始まっていた
美神も横島をしばくのに飽きるとその話に加わっていく
一方瀕死の横島ははしっこで一部始終覗いていたケイに連れ出されて怪我の治療を受ける
「兄ちゃん生きてるか?死んじゃだめだよ、また一緒に竹トンボ飛ばそうね。」
ケイの言葉に
「ああ、にーちゃんはこんなんじゃ死なんから心配するな、いつでも飛ばしてやるからな。」
そう横島は答える
そこへ美神が申し訳なさそうに入ってくる
「ごめんね、私ついいつもの癖でさひどいことしちゃったわ、許してくれる?」
何やら素直に謝る美神
「許すも何も気にせんでください、でもどうしてもって言うならこうするということで!!」
いつものお約束のように飛びかかる、横島の手がその弾みで美神の胸に触れる
「あんた本当に殺すわよ!!」
美神は切れかかっている
「いっ今のは軽いお茶目ですよ・・・話が終わったんなら帰りましょうよ。」
横島は必死に話をそらそうとしている
「それがさあまだ終わってないのよ、もう夕方だし今日はここに泊まっていくことになったの、
おキヌちゃんたちはまだ人質になってるし私たちだけ帰るわけにはいかないわ。」
「じゃあ兄ちゃんここにいるんだね?やったー、母ちゃんもよろこべよ、兄ちゃん泊まってくんだって。
 良かったね兄ちゃんのこと好きなんだろ?」
「ケイ馬鹿なこと言うんじゃありません。でも今日は泊まっていってくださいな。」
ちょっと赤くなってそう言う
(こいつ本当に物の怪にだけはもてるわね・・・)
美神はそう思いながら横目で横島を見る
「まあとにかく厄介になりましょ。」
美神はケイたちの承諾も受けずに泊まり込んでいった
翌朝・・・
すっかり回復した横島は朝早くから化け猫の子供たちと遊んでいた
一人一人に竹トンボを作ってあげまったく子供と遊ぶのは上手なようだ、ケイも喜んではしゃいでいる
長老たちの話はまだ続いているようだがそんな時に猫側の代表者が子供たちの世話をする横島を見て
本当に敵意がないことを悟ると
「あの子供たちを争いに巻き込むのは気が進まない・・・
 そちらも悪気があったのではないのだから以後これからは普通に交流をしましょう。」
とやっとわかってくれ話しはついた
そして人質となっていたおキヌ、シロたちが開放される
「それでは帰りますぞ。」
と長老がみんなを連れて横島のところへ来る、美神も起きて来たので村への道につき出した
猫の子供たちが横島に手をいつまでも振っている・・・
そしていつものように人狼の村の朝が始まる・・・
「ところで長老、ゴロはどおしたんすか?」
横島が一人いないのに気付き聞く
「今回はあやつのせいで始まったことだからあの村に残してきて強制労働をさせるんじゃ。
 それよりわしは寝ておらんから今日はシロと二人で修行しておれよ、良いな。」
そう言うと長老は家へ入って寝てしまった
長老の言われるままにシロと霊波刀の修行をしていると美神とおキヌがやって来た
「私も修行しに来たんだからさ、私の相手をしてくんない?」
美神が横島に言う
「いいっすけどおれが相手できますかね?」
「あー言っとくけど文殊はなしよ、わかったわね?」
そう言うと美神は神通棍を持って横島に攻撃をしだす
シロの攻撃のしかたとは違い力強く一撃一撃に必殺の念が込められている、
横島の強さは並みではないが魂の結晶を自分の力へと変換した美神もなかなかのものである
おキヌやシロはあまりのすごさにあっけにとられている
神通棍をムチへと変形させるとその先の読みにくい攻撃に横島が押され出す、
都庁での相手のモンスターたちとは違う強さを持った二人だけになかなか決着がつかない
「横島さん怪我しても治してあげますからねー」
ふとおキヌが楽しそうに調子の狂う応援をし横島はつい
「おれが怪我するのが楽しいんかー?」
と反応してしまい気をとられた隙に美神の一撃を食らう
「気を抜くんじゃないわよ!!」
美神が横島に言うがどうやら聞こえていないようだもうすでに気絶しているようだ
「まだまだ私の足もとにも及ばないわね、やっぱり実力の差よねー」
美神は勝ち誇ったようなことを言っている
「ほら次ぎいくわよ、早くおきなさい!!」
気絶した横島を無理に起こしまた続きを始める
「次は勝ーつ!!そして美神さんをおれのもんにするんやー!!」
横島のわけがわからない言葉に気合がこもる
ムチによる攻撃に慣れてきたのか横島に攻撃が当たらない
(そんな、私の攻撃をかわすなんて!?)美神は驚きながら攻撃を繰り出す
ムチを大きく振りおろした時その間合いに横島が詰めてきて霊波刀が美神を捉えようとした
「やった!!これでこのねーちゃんはおれのもんじゃー!!」
横島が勝ち誇ったように叫ぶが
「わっ、しまった!!こうなったら・・・精霊石よ!!」
と美神はイヤリングにしていた精霊石を横島にぶつける
その精霊石のはじける青白い光に横島は視覚を失い攻撃のタイミングを失う
そこへチャンスとばかりに美神の攻撃が炸裂する
「あーあ、やばかったわ、でもやっぱり私のが上ね。」
美神はそう言い横島を見る
「ずっ、ずるいっすよー精霊石なんて反則っすよー!!やっと美神さんがおれの所有物になるとこだったのに・・・」
横島はわけのわからないことを叫び心のそこから抗議するのだった
冬の散歩道 そのC完









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