ザ・グレート・展開予測ショー

Gメンの少女、小笠原エミ(後")


投稿者名:NEWTYPE[改]
投稿日時:(00/ 9/28)

「僕に対しての当てつけなんだ!・・・・・ジャスティスの政樹も!MSを子供に使わせて僕にもパイロットに戻れと言う・・・・・だけど、人なんてそんなに便利に変わりようがないじゃないかっ!」
そう言っていた。
アウムドラのキャプテン・ルームのテーブルの上には果物が置かれていた。エミの差し入れであった。
「カリフォルニアの味はどう?」
「いいですね!」
ジークは屈託がなかった。
横島は、そんなエミが好きになれそうもなかった。
「ヒッコリーの発射台は、準備オーケーです。MS三台は宇宙に上げられます。」
「それは凄い。ディアスはICPOのMSだ。できることなら宇宙に戻したかった・・・・・」
横島は、それを聞くとオレンジをとる気になった。MK-Uも持って帰れるからだ。
「・・・・よう・・・・!」
政樹の声に顔を上げると、入口からピートが入って来た。
ジークは、そのピートを見ると、立ってブリッジに行ってしまった。
『ジーク、ピートとなんかあったな?』
横島もブリッジに行こうとしたが、立ってオレンジを食べるわけにはいかなかった。
「ああ、ピート。こちらは・・・・・」
「ジークから聞きました。よろしく、ピエトロ・ド・ブラドーです。」
「ピエトロ!?貴方が・・・・!」
エミはバネ仕掛けのように立ち上がって、信じられないという風に手を差し出して、ピートに握手を求めた。
そして、エミは、ピートを覗き込んだ。
そのエミの仕草に、ピートは眉をひそめて上体を後ろに引いた。
「ヘレン・ヘレンでしょ?」
エミは、横島の知らないことを言った。
「え・・・・・?」
ピートと政樹が、同時に聞いていた。
「私の好きな石鹸の匂いなの・・・・・!」
「・・・・・はあ・・・・・」
ピートの返事は、横島と政樹の返事でもあった。
凄いセンスだなと、横島は多少の悪意を込めてエミを評価していた。
「貴方がピエトロ・・・・・フーン!」
椅子に座りかかったピートを見下ろしながら、さも感動したようにエミは言った。
「なんで、アウムドラにヘレン・ヘレンがあるんだ?」
ピートは、政樹の前に座って聞いた。
「分からん・・・・・」
政樹が肩をすくめた。
「あ、召し上がって!ピエトロ・ド・ブラドー大尉!」
「あ・・・・・僕のことはピートと呼んで下さい。そっちで慣れてるんで。」
「分かったわ。」
エミは、あっけらかんとフルーツをピートに勧めた。
横島は、いよいよブリッジに逃げだそうと決心をして席を立った。
「ニュータイプっていっても普通の人ね?」
「すみませんね。」
そんなやりとりを横島は、芝居を聞くように耳にして、廊下に出た。
西条が、エレベーターから出てきた。
ブリッジに用があるようだった。
横島は、西条に道を開けてやって、あとを追う。
その西条をエミは、一瞬見とがめていた。
「どなた・・・・・?」
政樹に聞いた。
「ICPOの西条大尉です。この作戦の指揮をしている。」
「ああ・・・・!なんだか怖い人ね。・・・・・ギラッとしていて、戦争以外の世界では生きていけない人じゃない?」
エミは、簡単に言ってしまった。
「あなただってGメンの一員なんや。戦いを全く否定するわけやないでしょう?」
政樹は、遠慮のないエミの言い方に多少抗議を込めて言った。
「でもね、あの人には平和な時代のインテリジェンスを感じないわ・・・・・」
そう言うエミには、今までの明るい感じとは全く別人のような怯えの陰があった。
「西条大尉は、そんな人じゃない。本質的には優しい人だ・・・・・」
ピートは、そんなエミのデリケートな感覚を無視して、キッパリと言った。
政樹は、そんなピートの顔をまじまじと見た。
『・・・・・・ピートが燃えはじめたみたいやな。』
そう思った。
「何故、向こうにいないんだ?」
西条は、ブリッジの隅でオレンジをムシャムシャ齧るようにして食べているジークを見て言った。
横島も、オレンジの食べかけを持って、ブリッジに入って来た。
「・・・・・ピートさんと、一緒にいたくないんです。」
「・・・・・・・?」
横島は振り向いて西条に言った。
「俺は、あのエミさんってのが苦手みたいっス・・・・・」
「ふーん。」
西条は、かすかに頷いた。
が、少年達の気分は、わかっていないようだった。


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一応、ここまでで地上編の前半は終わりです。
そこで、後半の予告編をちらっと(笑)
感想のとこに書いときます。

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