ザ・グレート・展開予測ショー

激闘!修学旅行


投稿者名:山屋
投稿日時:(00/ 9/20)

 修学旅行。それは青春の1ページ。
たとえ陳腐な企画、京都であろうとも10代の一大イベントなのだ。

 というわけで、横島は修学旅行で京都に来ていた。これも連載が終わったおかげである。
あのまま連載が続いていたら、何年経とうが修学旅行なんぞには来させてもらえない運命であった。
(どうやって費用を捻出できたのかは謎のままである) 
 
 そして、偶然とは恐ろしいもので六道女学院も同時に修学旅行に来ていた。
なぜか講師として美神さんやエミと冥子も一緒だ。当然、シロタマは荷物に潜り込みついてくる。

 しかし、六道女学院の修学旅行がまともなわけがあるだろうか、いや、ない!
案の定、六道家が管理する妖怪モノノケ達の保管庫の封印張り直し実習が待っていた。
そして、その中に、1000年前、横島の前世、高島に封印された女妖怪がいた。

 彼女は、高島に騙され、もてあそばれたあげくに封印されていたのである(鬼畜!)

 横島が京都に来た事を察知した彼女は、千年間ためにためた妖力を解放し一気に封印を破る。
保管庫から雪崩出る妖怪モノノケたち。京都の町は大混乱に陥る。
そして彼女は横島を襲撃し、息の根を止める寸前で、泣き出してすがりついてきた。
 それも、美神さんやおキヌちゃん、愛子にシロタマの目の前で。

そう、彼女は未だに高島=横島に惚れきっていたのだ。

 美神さんもまっ青なナイスバデイの女妖怪は、みんなの前で千年前の高島の所行を語る。
あんな事やこんな事の鬼畜ぶりに、いくら横島が俺じゃないと弁解しても、
「いやー! 横島さん不潔!」
「よっ横島殿、いくら何でもひどすぎるでござるよ」
「女性の敵ね。」
 みんなの横島を見る目は、たちまち氷点下の世界へと急降下していった。

 女妖怪は「さっ、これで判ったじゃろ。この男はわらわのものじゃ。」
横島の胸に這わせた指を、首筋にまわして横島の喉をなで回し、
「今生こそ、そなたと添い遂げようぞ。」そういって横島を抱いて飛び去っていった。




 京都郊外の亜空間のなかに、彼女の屋形があった。豪華な寝室にしかれた夜具の上で彼女は
「さっ、どうしたのじゃ、来やれ。」
「ゴ、ゴーストスイパーはな、妖怪の言いなりにはならないんだ。」
「何をいうのじゃ、千年前、わらわをもてあそんだのは、そなたではないか。
 でもな、わらわはいやではなかったのじゃぞ」
「いっ、いやじゃない?」
「そうじゃ、わらわはそなたのものじゃ。わらわになら、何をしてもよいのじゃぞ。」
「なっ、何をしてもいい?」
「そうじゃ、そなたの好きな『ピーッ』も『ピーッ』も『ピーッ』も好きな様にして良いのじゃ。」
「ピッ『ピーッ』も『ピーッ』も『ピーッ』も!」横島の理性は崩壊寸前だった。
 女妖怪は横島の上にしなだれかかり、潤んだ瞳を寄せる。赤い襦袢の胸元からは、
たわわな双丘が深い谷間をのぞかせていた。

 その時、轟音とともにバイクにまたがった美神さんが飛び込んできた。
「なに奴!どうしてここが。」
「あんたの話に思わずあっけに取られたけど、そいつはあんたの男じゃないの。」
「なにを云うのじゃ、わらわはこのときを千年待ったのじゃぞ。」
「おあいにく様。千年前、そいつの前世はあたしの男として死んだのよ。今だってそいつは・・・」
 美神のセリフの最後は、聞き取れなかった。美神が封印の札を叩きつけたとたん、空間が音をたてて
 崩壊し、気がつくと二人は清水寺の舞台の上にいた。
「たっ助かったすよ。美神さん。」

美神は横島の胸ぐらをつかむと冷たい声で。
「あんた、前世であたしにもあんな事・・・したの?」
「なっ何の事っすか?」
分かる訳がない。道真に首を切られた後の展開は何も覚えていないのだから。

「横島君の、横島君の変態野郎!」
美神はそのまま横島を、清水寺の舞台から投げ捨てた。


こうして一つの事件は終わった。しかし

「ねぇねぇ聞いた。」
「聞いた聞いた。横島でしょ。」
「あいつやっぱり変態で鬼畜だったんですって。」
「やっぱり、見るからにそうよね。」

 横島は確かにスケベだが、その分、女の子には優しい。むしろそれだけが取り柄だといってもいい。
ナンパはすれど、決して女の子を殴ることはない。セクハラだって美神さんにだけだ。ほんのちょっとかもしれないが、
前世より成長しているのだ。千年前だって、彼女が惚れた男を最後には食ってしまう蜘蛛の変化だから退治せずに封印
したのである。彼女にとってそれは愛の行為なのだが、だからといって食われる訳にも放っとく訳にもいかなかったのである。
しかし、そのことを知る者はもうだれもいない。
(美神さんだけは大体の見当がついていたが、もちろん誰にも教えていない)

 よくよく考えて見れば、今回、横島は何も悪いことはしていない。しかし、残されたのは、『変態』『鬼畜』
というあまりにも過酷な烙印だけであった。

 負けるな横島!立ち上がるんだ横島! 前世のツケはこれだけではないのかもしれないんだぞ!

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