ザ・グレート・展開予測ショー

シャトル発進


投稿者名:NEWTYPE[改]
投稿日時:(00/ 9/ 6)

海上を跳ねるようにしながら前進するギャップランとベース・ジャバーに乗った六機のザックが、ケネディを水平線上に捕らえていた。
迂回して海上から攻撃をする予定である。
マリアは進行してきた方位から正直に攻撃をかけるのは軽率であろうと考えたのである。
「シャトルで・脱出する・つもりの・ようです」
「マリア聞こえるか?どうせなら、ICPOのMSも奪うぞっ!」
ザックに乗って追尾してくるヌル(名前あってたかな?)の声だ。
「お好きに・・・・」
マリアは、余分な事を考える男たちが嫌いだった。
ケネディのジェットコースター状のレールが識別できるところまで接近をした。
「ブースター・放出・・・!」
マリアの乗るギャップランは、長い飛行用のブースターを放出した。
それが落ちて、海面に白い水しぶきを上げた。
「きれい・・・・」
マリアは、それを見て声を上げた。


政樹は、アウムドラのMSデッキをブリッジに向かって走った。
横島は、MK-Uに乗るためにクレーンを動かした。
それは西条も同じである。
十式は、MK-Uの奥に置いてあった。
その時既に、シロのディアスはアウムドラの後部ハッチに置かれていた。
シロは、ディアスをシャトルに運ぼうとしていたのだ。
「先生!何、話してたんでござる?」
「なんか・・・大尉がジャスティスだったとか、そうでないだとか・・・」
「あれ?知らなかったんでござるか?ICPOじゃ有名でござるよ?」
「教えろよ・・・ったく!」
「本当は知ってたんじゃ・・・?」
「・・・・まあな。さあ、行くか!」
「あ・・・・・先生、作戦に入る前にひとつ頼みがあるのでござるが・・・」
「ん、何だ?」
「この後、宇宙に戻ったら、拙者とオセロとかいうのをしてほしいでござる。」
「オセロ?まあ、いいけど・・・・」
「宇宙で先生とおキヌちゃんがやってるの見て、拙者も混ざりたかったのでござるが、先生すごい楽しそうだったから、何だか入りづらかったんでござる。」
「そうか・・・・そりゃ悪い事したな。」
「別にいいでござるよ。あと、先生・・・・」
「ん?」
シロは少し緊張した面持ちで言葉を続けた。
「先生は・・・その・・・・おキヌちゃんのこと好きなんでござるか?」
「な・・・なんでそんなこといきなり・・・・」
「いいから言って下さい!」
シロの目は真剣だ。
「・・・・・・・」
横島は、それを察すると咳払いをして、少し顔を赤らめながらゆっくりと口を開いた。
「ん・・・・・そうだな・・・好き・・・なんだろうな、やっぱり。昔からずっと一緒に育ってきたし・・・・・今じゃ、おキヌちゃんのいない生活なんて考えらんないもんな。やっぱ俺にとっちゃ特別な存在なんだろうな・・・・・」
「そうでござるか・・・・・拙者のことは・・・・・嫌いでござるか?」
シロは少し俯いたまま小さい声で再度横島に問いかけた。
「はぁ?嫌い?んなワケねーだろ。お前もタマモも俺の弟子だろ。嫌いな奴を弟子なんかにすると思うか?」
「じゃ・・・じゃあ、拙者のこと好きなんでござるな?そうでござるな?」
「ん・・・ま、まあそういうことになるな。そうだ。好きだぞ。」
「・・・・・嬉しいでござる!!」
「――――――!!」
横島は、モニター越しに見えるシロの満面の笑みを見て、思わず顔を赤くしてる自分に気づき、サッと視線をそらした。
「先生!拙者、オセロ楽しみにしてるでござる!!」
「あ、ああ。だけど、あんまり浮かれすぎんなよ。」
「了解でござる!!」
その元気な返事と同時にシロのディアスがシャトルに向かって発進していった。
横島は、すでにシロのディアスがモニターから見えなくなっているのを確認しながら、MK-Uを始動した。
ドゥッ!
その時アウムドラのハッチから覗く一角に土柱が上がった。
敵の攻撃が始まったのだ。
西条の十式の目にあたる部分のセンサーが光るのが見えた。余計な会話はやめろと横島に言っているようだった。
政樹は、エレベーターを飛び出して、アウムドラのブリッジに飛び込んだ。
「動かすぞっ!」
既に、オカルトGメンのクルーの何人かがコックピットシートについてエンジンを始動していた。
政樹は、キャプテンシートの前のコンソール・パネルのスイッチを端から次々と入れていった。
アウムドラの各部のチェックモニターが作動する。
そのモニターのひとつに、後部のデッキから飛び降りるMK-Uが見えた。
「来たっ!」
メイン・コンソール・パネルに座ったクルーから悲鳴が上がった。
光そのものが音をたてるように感じられる強圧的な閃光だ。
その力で、政樹はシートの倒れこんでいた。
そして、ドウンという響きが、アウムドラを襲った。
「シャトルがやられたっ!」
政樹はギョッとして、正面のパイロットシートまで駆け出していた。
MSを運ぶ予定であったシャトルのガントリーが、火薬の噴きあがる黒煙と炎の中に崩れてゆくのが見えた。
「パイロットを運ぶ方の防御をっ!」
政樹は言ってみたが、アウムドラの中にいては、防戦ができないのに気づいた。
「アウムドラを前に出さんかい!MSを扱える者は、貨物室にあるMSを使って防御網を張るんや!」
政樹は、キャプテン・デスクに戻ってマイクに怒鳴った。
各部をチェックするモニターの中では、クルーの動きが激しくなっていった。
タマモが、コックピットに座ったシャトルには、ICPOのパイロットが移乗している時だった。
メドーサも緊急召集がかかったのでシャトルに戻った形になり、シャトルに辿り着いたところだった。
そこに敵の空襲が始まった。
「カウント・ダウンは継続するわっ!運を天に任せてシートに座って!」
コックピットに座っているタマモの声が、キャビンに響いていた。
メドーサは、その通りだと思う。
「でも、こんな時にシート・ベルトをしろなんて、勇気がいるね・・・」
「同感だ。少尉。」
顔を知らないICPOのパイロットがメドーサにウインクをした。
彼は、メドーサの隣に座った。
「・・・・・!」
MSのコックピットに座っている時ってのは逆上しているんだな。こんなに怖くはない。」
メドーサは、その言葉を聞き流しながら、窓の外を見た。
ガルーダが二機駐機しているパーキング・エリアの方向から、ディアスとMK-U、そして十式が大きくジャンプするのが見えた。
「悲観したものでもないよ。」
メドーサは、隣のパイロットを見て言った。
「・・・・・!すまない。手を貸してくれ。」
そのパイロットは、メドーサの膝の上に置いた手の上に自分の手をかぶせてきた。
メドーサは、はねつけたい衝動に耐えた。
そのパイロットの手は本当に震えていたからだ。
「お客さん方!予定通りに発進してみせるから、お客さんたちは私の命令を聞くんだよ!今は私がキャプテンだ。文句がある人は、百ドル払ってやるから、黙ってて!」
「文句あるよ!キャシャーだ!覚えておけっ!」
「俺も文句あるぜ!タマモ!」
そんな声が、キャビンの中にこだました。
「俺もだ!タマモ!俺はアンタの腕なんて信じちゃいない!」
メドーサの隣のパイロットが、メドーサの手を握りしめながら怒鳴っていた。
「・・・・・ご立派・・・・・!」
タマモの処置は正しかった。キャビンは静かになった。
不安は、人間に何をさせるかわからないのだ。
「カウント・ダウンは続行しているなっ!我々を待つ必要はないぞ。」
「了解っ!」
(シロ、あんたのことだから殺したって死なないと思うけど、油断しちゃだめよ!宇宙で絶対また会うんだからね!)



キャラ
べ〇・・・・・ヌル(こいつは特に覚えなくていいです(笑))


今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa